高山こうざん病びょう

完全なレビュー: 2025年 4月 執筆者:The Manual's Editorial Staff
最終更新日: 2025年 4月
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高山こうざん病びょうとはどのようなものですか?

海うみからの高たかさのことを標高ひょうこうと言いいます。標高ひょうこうが高たかい場所ばしょに行いくと、空気中くうきちゅうの酸素さんその量りょうが平たいら地より少すくなくなります。

高山こうざん病びょうは、いつもいる場所ばしょよりも酸素さんそが少すくない、標高ひょうこうが高たかい場所ばしょに行いったときに起おこります。多おおくの人ひとでは、標高ひょうこう2400メートル以上いじょうのところに行いったときに起おこります。場合ばあいにより、もっと高たかいところに行いっても症状しょうじょうが出でない人ひともいます。

  • 高たかい場所ばしょに行いくほど、またそこまでの移動いどうのスピードが速はやいほど、高山こうざん病びょうになる可能性かのうせいが高たかくなります。

  • ほとんどの場合ばあい、高山こうざん病びょうの症状しょうじょうは、頭痛ずつうがしたり、疲つかれたり、胃いがむかついたり、よく眠ねむれなくなったりするだけです。

  • しかし場合ばあいによっては、脳のうに危険きけんな腫はれが生しょうじたり、肺はいに水みずがたまったりすることもあります。

  • 高山こうざん病びょうは、標高ひょうこうが低ひくい場所ばしょに移動いどうすれば治なおります。

  • また、標高ひょうこうの高たかい場所ばしょに行いく場合ばあいは時間じかんをかけてゆっくり移動いどうすることで、高山こうざん病びょうを予防よぼうすることができます。

  • 高山こうざん病びょうの予防よぼうに役立やくだつ薬くすりもあります。

高山こうざん病びょうにはどのような種類しゅるいがありますか?

高山こうざん病びょうは次つぎの3種類しゅるいがあります。

  • 急性きゅうせい高山こうざん病びょう:一番いちばん軽かるい種類しゅるいの高山こうざん病びょうで、症状しょうじょうはふつう1~2日間かかん続つづいてから治おさまります。

  • 高地こうち脳のう浮腫ふしゅ(HACE):死しに至いたることもある重篤じゅうとくな症状しょうじょうで、脳のうに腫はれが生しょうじますが、発症はっしょうすることはまれです。

  • 高地こうち肺水腫はいすいしゅ(HAPE):死しに至いたる場合ばあいもある重篤じゅうとくな症状しょうじょうで、肺はいに水みずがたまって呼吸困難こきゅうこんなんが生しょうじます。

高山こうざん病びょうの原因げんいんは何なんですか?

高山こうざん病びょうは、呼吸こきゅうする空気くうきに含ふくまれる酸素さんそが少すくない標高ひょうこうの高たかい土つち地に行いくことで起おこります。高地こうちへ向むかう移動いどうのスピードが速そくすぎたり、高地こうちで睡眠すいみんをとることにより、症状しょうじょうがでる可能性かのうせいが高たかくなります。

次つぎの条件じょうけんにあてはまる場合ばあいは、高山こうざん病びょうにかかるリスクが高たかいです。

  • 前まえにかかったことがある

  • 通常つうじょうはとても標高ひょうこうが低ひくいところに住すんでいる

  • 標高ひょうこうの高たかい場所ばしょで過剰かじょうに身体しんたいを使つかう活動かつどうを行おこなっている

喘息ぜんそく、慢性閉塞性肺疾患まんせいへいそくせいはいしっかん(COPD)、心臓しんぞうの病気びょうきなどの医学的いがくてきな問題もんだいは、高山こうざん病びょうのリスクを高たかめる危険因子きけんいんしではありません。しかし、重おもい疾患しっかんを抱かかえている場合ばあい、高地こうちで酸素さんその量りょうが少すくなくなると危険きけんな状態じょうたいに陥おちいることがあります。

高山こうざん病びょうにはどのような症状しょうじょうがありますか?

どの種類しゅるいの高山こうざん病びょうにかかっているかで、症状しょうじょうがちがいます。

急性きゅうせい高山こうざん病びょうでは、標高ひょうこうが約やく2400メートルを超こえる場所ばしょに移動いどうしてから6~10時間じかん以内いないに、次つぎの症状しょうじょうがあらわれます。

  • 頭痛ずつう

  • ふらつき

  • 食欲しょくよくがない、胃いがむかつく、吐はく

  • 疲労感ひろうかんがある、体からだに力ちからが入はいらない、不機嫌ふきげんになる

  • よく眠ねむれない

これらの症状しょうじょうは、二日酔ふつかよい、 片頭痛へんずつう、極度きょくどの疲労ひろう、ウイルス感染症かんせんしょうの症状しょうじょうなどと勘違かんちがいされることがあります。

高地こうち脳のう浮腫ふしゅ(HACE)では、脳のうの腫はれにより次つぎのような症状しょうじょうがあらわれます。

  • 頭痛ずつう

  • 混乱こんらん

  • 歩あるきが不安定ふあんていになったりぎこちなくなる

HACEは、直ただちに治療ちりょうしないと、けいれん発作ほっさや昏睡こんすいが起おきたり、場合ばあいにより死しに至いたることもあります。

高地こうち肺水腫はいすいしゅ(HAPE)は、標高ひょうこうの高たかい場所ばしょに短期間たんきかんで移動いどうした後あと24~96時間じかんたってから発生はっせいします。高地こうち肺水腫はいすいしゅは、夜よる寝ねるために横よこになると症状しょうじょうが悪化あっかすることが多おおく、場合ばあいにより非常ひじょうに短期間たんきかんで重症化じゅうしょうかします。HAPEでは次つぎのような肺はいの問題もんだいが起おこります。

  • 軽かるい活動かつどうでも、乾かわいたせきが出でたり息切いきぎれがする

  • 安静あんせいにしていても息切いきぎれがする

  • 皮膚ひふや唇くちびる、爪つめが青あおみがかった色いろになる

  • あえぐように呼吸こきゅうする、ピンク色いろがかったあるいは血ちが混まじった痰たんがでる、呼吸時こきゅうじにゴボゴボという音おとが聞きこえる

HAPEは、すみやかに治療ちりょうしないと、死しに至いたる可能性かのうせいがあります。

高地こうちに住すんでいる人ひとも、標高ひょうこうが低ひくい場所ばしょに短期間たんきかん滞在たいざいしてから帰宅した際さいにHAPEにかかることがあります(これはリエントリー型かた高地こうち肺水腫はいすいしゅと呼よばれます)。

これらの高山こうざん病びょうのいずれにもあてはまらない場合ばあいでも、高地こうちに滞在たいざいしている際さいに次つぎのような症状しょうじょうがあらわれることがあります。

  • 手て、足あし、顔かおがむくむ(これらはよくある症状しょうじょうで、通常つうじょうは数日すうじつたてばよくなります)

  • 頭痛ずつう(その他たの急性きゅうせい高山こうざん病びょうの症状しょうじょうはあらわれません)

  • 標高ひょうこう約やく2700メートル以上いじょうの場所ばしょに移動いどうした後あとで、目めの奥おくが少すこし出血しゅっけつする(網膜もうまく出血しゅっけつといいます)

網膜もうまく出血しゅっけつが起おこると、視界しかいに小ちいさな盲点もうてんができることがありますが、通常つうじょうは標高ひょうこうが低ひくい場所ばしょに移動いどうするとなくなります。

医師いしはどのようにして、高山こうざん病びょうになったかどうかを判断はんだんしますか?

医師いしは、患者かんじゃの症状しょうじょうから、高山こうざん病びょうかどうかを判断はんだんします。次つぎのこともする場合ばあいがあります。

  • 聴診器ちょうしんきで胸むねの音おとを聞きいて、肺はいに水みずがたまっていないかを確たしかめる

  • 胸部きょうぶのX線検査せんけんさを行おこなう

  • 血液中けつえきちゅうの酸素さんその量りょうをはかる

医師いしは高山こうざん病びょうをどのように治療ちりょうしますか?

治療法ちりょうほうは、患者かんじゃの症状しょうじょうと、どの種類しゅるいの高山こうざん病びょうにかかっているかで異ことなります。どの高山こうざん病びょうでも、治療ちりょうの最初さいしょのステップとして最もっとも望のぞましいのは以下いかの対応たいおうです。

  • より標高ひょうこうが低ひくいところに移動いどうする

症状しょうじょうが軽かるければ、医師いしは患者かんじゃに次つぎのように指示しじします。

  • 安静あんせい

  • 症状しょうじょうがなくなるまで、標高ひょうこうの高たかい場所ばしょに行いかないようにする

  • 水分すいぶんをたくさんとる

  • 薬くすりをのむ(頭痛ずつうがあればイブプロフェンやアセトアミノフェンなど)

急性きゅうせい高山こうざん病びょうで症状しょうじょうが重おもい場合ばあいには、医師いしは次つぎのことを行おこないます。

  • より標高ひょうこうが低ひくい場所ばしょに患者かんじゃを移動いどうする

  • 酸素さんそ補給ほきゅうを行おこなう

  • 治療薬ちりょうやくを飲のませる(アセタゾラミドやデキサメタゾンなど)

症状しょうじょうが重おもいが標高ひょうこうが低ひくいところに移動いどうできないときは、患者かんじゃを特別とくべつな高圧こうあつバッグに入いれて純度どの高たかい酸素さんそガスを投与とうよすることがあります(高圧こうあつ酸素療法さんそりょうほう)。

高山こうざん病びょうはどうすれば予防よぼうできますか?

高山こうざん病びょうにかからないようにする一番いちばん良よい方法ほうほうは、高地こうちに向むかう際さいにはゆっくりと時間じかんをかけて移動いどうし、体からだが慣なれる時間じかんをつくることです。一番いちばん大おおきな影響えいきょうを与あたえるのは、睡眠すいみんをとる場所ばしょの標高ひょうこうです。

健康けんこうな人ひとだからといって、高山こうざん病びょうにかからないわけではありません。

また標高ひょうこう2400メートルまでの場所ばしょなら、特別とくべつな対策たいさくを取とらなくても、ほとんどの人ひとは簡単かんたんに体からだを慣ならすことができます。しかし、より標高ひょうこうが高たかい場所ばしょ、特とくに3000メートル以上いじょうの場所ばしょでは、体からだが慣なれるのに数日すうじつから数週間すうしゅうかんかかることがあります。そのような標高ひょうこうの場所ばしょに向むかうには、夜よる睡眠すいみんする場所ばしょの標高ひょうこうを1日にちに300~500メートルずつだけ上あげるようにすること、また3~4日かおきにのぼるのを休やすむことが重要じゅうようです。

高山こうざん病びょうにかからないようにするほかの方法ほうほうには、次つぎのものがあります。

  • 標高ひょうこうが高たかい場所ばしょに行いく前まえに、医師いしに薬くすりの服用ふくようについて相談そうだんする

  • 標高ひょうこうの高たかい場所ばしょについたら、激はげしい身体活動しんたいかつどうを避さけるようにする

  • お酒さけを飲のんだり、オピオイド系けいの薬くすりや睡眠薬すいみんやくの使用しようを控ひかえる

以前いぜんに高山こうざん病びょうにかかったことがある場合ばあいには、高山こうざん病びょうの徴候ちょうこうがまた出でていないかに注意ちゅういし、もし必要ひつようであれば、より標高ひょうこうの低ひくい場所ばしょに移動いどうするようにします。

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