狭心症きょうしんしょう

完全なレビュー: 2025年 4月 執筆者:The Manual's Editorial Staff
最終更新日: 2025年 4月
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狭心症きょうしんしょうとは?

狭心症きょうしんしょうとは、心臓しんぞうに十分じゅうぶんな酸素さんそが送おくられていないときに起おき、胸むねに痛いたみ、不快感ふかいかん、圧迫感あっぱくかんなどが現あらわれる病気びょうきです。酸素さんその不足ふそくは、心臓しんぞうにつながる動脈どうみゃくが狭せまくなったり、ふさがれたりすることで起おこります(冠動脈疾患かんどうみゃくしっかん)。狭心症きょうしんしょうは、心臓発作しんぞうほっさの危険きけんな徴候ちょうこうであることが多おおいです。

心臓しんぞうへの血液けつえきの供給きょうきゅう

全身ぜんしんの他ほかの組織そしきと同おなじように、心臓しんぞうの筋肉きんにくも酸素さんそを豊富ほうふに含ふくむ血液けつえきを受うけ取とって、老廃物ろうはいぶつを血液中けつえきちゅうに放出ほうしゅつしなければなりません。酸素さんそを豊富ほうふに含ふくむ血液けつえきを心筋しんきんに送おくる血管けっかんは、大動脈だいどうみゃく(心臓しんぞうから出でた直後ちょくごのところ)から分ふん岐する右冠動脈うかんどうみゃくと左冠動脈さかんどうみゃくです。右冠動脈うかんどうみゃくは鋭するど縁ふち枝えだと後あと下した行枝えだに枝分えだわかれし、後あと下した行枝えだは心臓しんぞうの背面はいめんに位置いちします。左冠動脈さかんどうみゃく(左冠動脈主幹部さかんどうみゃくしゅかんぶとも呼よばれます)は、回旋枝かいせんしと左前下行枝さぜんかこうしに枝分えだわかれします。老廃物ろうはいぶつを含ふくんだ心筋しんきんからの血液けつえきは心静脈しんじょうみゃくに送おくられ、心臓しんぞうの背面はいめんにある冠静脈洞かんじょうみゃくどうという太ふとい静脈じょうみゃくに合流ごうりゅうしてから、右心房うしんぼうに戻もどされます。

狭心症きょうしんしょうの原因げんいんは何なんですか?

狭心症きょうしんしょうの最もっとも多おおい原因げんいんは、心臓しんぞうに血液けつえきを送おくっている動脈どうみゃく(冠動脈かんどうみゃく)が狭せまくなることです。狭せまくなる原因げんいんで最もっとも多おおいのは、動脈どうみゃくが硬かたくなった状態じょうたいとしてよく知しられている動脈硬化どうみゃくこうかです。脂肪しぼうのかたまりがたまると、ゆっくり動脈どうみゃくがふさがれて、血液けつえきの流ながれが遅おそくなったり止とまったりすることがあります。心臓しんぞうの筋肉きんにくに十分じゅうぶんな血液けつえきが届とどかないと、筋肉きんにくが傷きずつきます。

狭心症きょうしんしょうは、冠動脈かんどうみゃくのけいれん(動脈どうみゃくが突然とつぜん引ひきしまること)によっても起おこります。コカインなどの一部いちぶの違法いほうな薬くすりは、けいれんの引ひき金がねになることがあります。

ひどい貧血ひんけつ(血液けつえきの細胞さいぼうが少すくなくなること)は、狭心症きょうしんしょうが起おきる危険性きけんせいを高たかめます。貧血ひんけつでは、酸素さんそを運はこぶ赤血球せっけっきゅうの数かずかずが少すくなくなります。

動脈硬化どうみゃくこうか
アテローム性せいプラーク

この写真しゃしんには、動脈どうみゃくの中なかに形成けいせいされたアテローム性せいプラーク(アテローム:矢印やじるし)が写うつっています。

この写真しゃしんには、動脈どうみゃくの中なかに形成けいせいされたアテローム性せいプラーク(アテローム:矢印やじるし)が写うつっています。

BSIP VEM/SCIENCE PHOTO LIBRARY

アテローム<ruby >性<rt >せい</rt></ruby><ruby >動脈硬化<rt >どうみゃくこうか</rt></ruby>による<ruby >冠動脈<rt >かんどうみゃく</rt></ruby><ruby >狭窄<rt >きょうさく</rt></ruby>
アテローム性せい動脈硬化どうみゃくこうかによる冠動脈かんどうみゃく狭窄きょうさく

正常せいじょうな状態じょうたいでは、冠動脈かんどうみゃくは酸素さんそを豊富ほうふに含ふくんだ血液けつえきを心臓しんぞうに供給きょうきゅうする経路けいろとして機能きのうします。冠動脈かんどうみゃくアテローム性せい硬化こうかでは、冠動脈かんどうみゃくの壁かべに沿そって脂肪分しぼうぶんが沈着ちんちゃくして蓄積ちくせきし、それにより血流けつりゅうが妨さまたげられます。血液けつえきの供給きょうきゅうが不十分ふじゅうぶんになるため、心臓しんぞうの筋肉きんにくで酸素さんそが枯渇こかつし、心臓しんぞうの組織そしきに損傷そんしょうが生しょうじます(灰色はいいろで図示ずし)。

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狭心症きょうしんしょうにはどのような症状しょうじょうがありますか?

次つぎの症状しょうじょうを感かんじることがあります。

  • 胸むねの中央ちゅうおうの不快感ふかいかんや圧迫感あっぱくかん、痛いたみ

  • この不快感ふかいかんは、肩かたや腕うで、のど、あご、歯はに移動いどうすることがあります

狭心症きょうしんしょうはふつう、たとえば階段かいだんを上あがったり、坂さかを歩あるいて登のぼったりするなど、体からだを激はげしく動うごかしたときに起おこります。休やすむと数分すうふんで治おさまります。ふつうは、同おなじくらいの運動うんどうをするたびに狭心症きょうしんしょうが起おきます。たとえば、ある程度ていどの坂さかを登のぼるたびに狭心症きょうしんしょうが起おきる場合ばあいがあります。冠動脈かんどうみゃくがさらに狭せまくなると、少すこしの運動うんどうでも狭心症きょうしんしょうになります。たとえば、最初さいしょは階段かいだんを2階分かいぶん上あがったときに狭心症きょうしんしょうが起おきていたのが、時ときがたつと、階段かいだんを1階分かいぶん上あがっただけでなることがあります。

何なにも動うごかずに起おこる狭心症きょうしんしょうや、とても急きゅうに悪わるくなる狭心症きょうしんしょうは、次つぎのようによばれています。

不安定狭心症ふあんていきょうしんしょうは、心臓発作しんぞうほっさが起おきようとしている可能性かのうせいを示しめす警告けいこくけいこくです。

医師いしはどのようにして、私わたしが狭心症きょうしんしょうかどうかを判断はんだんしますか?

狭心症きょうしんしょうを思おもわせる症状しょうじょうがある場合ばあい、医師いしは次つぎのような検査けんさをします。

  • 負荷試験ふかしけん:運動うんどうしているときなど、心臓しんぞうが激はげしく働はたらいている(ストレスがかかっている)ときに、心臓しんぞうに十分じゅうぶんな血液けつえきが送おくられているかどうかを調しらべる検査けんさ

  • 心電図検査しんでんずけんさ:冠動脈疾患かんどうみゃくしっかんがあると異常いじょうになることがある心臓しんぞうの電気的でんきてき活動かつどうを測定そくていする検査けんさ

  • CT検査けんさ:冠動脈かんどうみゃくが硬かたくなっていないか調しらべるための画像検査がぞうけんさ

狭心症きょうしんしょうが重おもいか、だんだん悪わるくなっていれば、医師いしは次つぎのことをする場合ばあいがあります。

心臓しんぞうカテーテル検査けんさでは、細長ほそながいカテーテル(小ちいさなやわらかいチューブ)を腕うでや脚あしから心臓しんぞうまで入いれて、それぞれの冠動脈かんどうみゃくの中なかまで進すすめてから、X線写真せんしゃしんにうつる造影剤ぞうえいざいを注入ちゅうにゅうします。

医師いしは狭心症きょうしんしょうをどのように治療ちりょうしますか?

医師いしは次つぎの場合ばあいに治療ちりょうをします。

  • 狭心症きょうしんしょうが起おきたとき

  • 狭心症きょうしんしょうの予防よぼう

  • 狭心症きょうしんしょうを引ひき起おこしている問題もんだい

あなたが狭心症きょうしんしょうになったら、医師いしは:

  • ニトログリセリンの錠剤じょうざいまたはスプレーを舌したしたの下したに使つかいます。

ニトログリセリンは数分すうふんで効果こうかが出ででます。

狭心症きょうしんしょうを予防よぼうするために、医師いしが次つぎの薬くすりを出だすことがあります。

  • 長時間ちょうじかん効きき目めが続つづくニトログリセリンの飲のみ薬ぐすりか皮膚ひふパッチ

  • 心臓しんぞうを働はたらかせすぎないようにする薬くすり

狭心症きょうしんしょうを引ひき起おこしている問題もんだいを治療ちりょうするために、医師いしはふつう次つぎのことをします。

医師いしはまた、タバコを吸すう、運動うんどうをしない、不健康ふけんこうな食習慣しょくしゅうかんなど、心臓しんぞうを傷きずつける行動こうどうをあなたに改あらためさせます。

冠動脈かんどうみゃくのつまりの程度ていどによっては、医師いしが動脈どうみゃくの中なかをきれいにする処置しょちをすることがあります。血管形成術けっかんけいせいじゅつやバイパス手術しゅじゅつ(冠動脈かんどうみゃくバイパス移植術いしょくじゅつや冠動脈かんどうみゃくバイパス術じゅつともいいます)をすることもあります。

血管形成術けっかんけいせいじゅつでは:

  • 医師いしが細ほそくてやわらかいチューブ(カテーテル)を、ふともも(鼠径部そけいぶ)か手首てくびにある動脈どうみゃくから入いれます。

  • このカテーテルを心臓しんぞうまで通とおして、冠動脈かんどうみゃくの1つまで進すすめます。

  • カテーテルの先さきに付ついている小ちいさな風船ふうせんをふくらませます。

  • この風船ふうせんによって、つまっていた部分ぶぶんが押おし広ひろげられます。

  • 医師いしはそこで、針金はりがねのあみでできたチューブ(ステント)を、カテーテルの先さきからつまっていた部分ぶぶんまでずらし、そこで外はずします。

  • この針金はりがねのあみでできたチューブのおかげで、つまっていた部分ぶぶんが開ひらいた状態じょうたいに保たもたれます。

冠動脈かんどうみゃくバイパス術じゅつでは:

  • 医師いしが体からだのほかの部分ぶぶんから、健康けんこうな動脈どうみゃくや静脈じょうみゃくをとり出だします。

  • その動脈どうみゃくや静脈じょうみゃくの片方かたほうの端はしを、大動脈だいどうみゃく(心臓しんぞうから全身ぜんしんに血液けつえきを送おくり出だしている太ふとい動脈どうみゃく)に縫ぬい合あわせます。

  • もう一方いっぽうの端はしを、ふさがっている動脈どうみゃくの、ふさがったところより先さきの部分ぶぶんに縫ぬい合あわせます。

  • すると血液けつえきが、ふさがった部分ぶぶんではなく、この新あたらしい道みちすじを流ながれるようになります。

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