筋きんジストロフィー

ジストロフィーとは、やせ衰おとろえるという意味いみです。筋きんジストロフィーは、筋肉きんにくがやせ衰おとろえるという、親おやから受うけ継つがれる(遺伝性いでんせいの)病気びょうきの集あつまりを指さします。

• 筋きんジストロフィーの人ひとは、筋肉きんにくの発達はったつと機能きのうを制御せいぎょする遺伝子いでんしの異常いじょうを受うけ継ついでいます。

• いろいろな種類しゅるいの筋きんジストロフィーがいろいろな筋肉きんにくに影響えいきょうを及およぼします。

• 影響えいきょうを受うけた筋肉きんにくの力ちからが弱よわくなります。

• 心筋しんきんや呼吸こきゅうを制御せいぎょする筋肉きんにくの力ちからが弱よわくなることもあり、これはとても危険きけんです。

• 筋きんジストロフィーは治なおすことはできませんが、理学療法りがくりょうほうで症状しょうじょうをやわらげることができます。

筋きんジストロフィーには次つぎの種類しゅるいがあります：

• 顔面がんめん肩甲けんこう上腕型じょうわんがた筋きんジストロフィー：一番いちばんよくみられる種類しゅるいの筋きんジストロフィーで、症状しょうじょうは7歳さいから20歳さいの間あいだに始はじまり、顔かおと肩かたの筋肉きんにくの力ちからが弱よわくなります。

• デュシェンヌ型がた筋きんジストロフィーとベッカー型がた筋きんジストロフィー：2番目ばんめによくみられ一番いちばん重症じゅうしょうの筋きんジストロフィーで、小児期しょうにきまたは10代だいに筋力低下きんりょくていかがみられ、ほぼ常つねに男児だんじに起おこります。

• エメリー-ドレイフス型がた筋きんジストロフィー：この種類しゅるいは、上腕じょうわん、下腿かたい、そしてよく心臓しんぞうに影響えいきょうを及およぼします（心臓しんぞうの問題もんだいは突然死とつぜんしにつながる可能性かのうせいがあります）。

• 肢帯型したいがた筋きんジストロフィー：この種類しゅるいは肩かたと股関節こかんせつの筋肉きんにくに影響えいきょうを及およぼします。

筋力低下きんりょくていかの原因げんいんとなるほかの筋肉きんにくの病気びょうきには次つぎのものがあります：

• 先天性せんてんせいミオパチー：生うまれつき、または乳児にゅうじのときにあらわれる筋肉きんにくの問題もんだいの集あつまり

• 家族性かぞくせい周期しゅうき性せい四肢しし麻痺まひ：なりやすい体質たいしつが家族かぞくのなかで受うけつがれるまれな病気びょうきで、筋力低下きんりょくていかと麻痺まひ（体からだの一部いちぶまたは全体ぜんたいを動うごかすことができない）が突然とつぜんあらわれます。

• 糖原病とうげんびょう：なりやすい体質たいしつが家族かぞくのなかで受うけつがれるまれな病気びょうきの集あつまりで、グリコーゲン（糖とうからできるデンプン）が筋肉きんにくのなかにたまります。

筋きんジストロフィーは、両親りょうしんのどちらかから受うけつがれる異常いじょうな遺伝子いでんしが原因げんいんで起おこります。異常いじょうな遺伝子いでんしによって筋肉きんにくの働はたらきが影響えいきょうを受うけます。

筋きんジストロフィーの種類しゅるいによっては、小児期しょうにきから症状しょうじょうがあらわれます。10代だいや大人おとなになってからなど、もっと後あとに症状しょうじょうがあらわれる場合ばあいもあります。

次つぎのような症状しょうじょうがあらわれます：

• 筋力低下きんりょくていか

• 麻痺まひ（体からだの一部いちぶまたは全体ぜんたいを動うごかせない）

• 腕うでを上あげるのがむずかしい

• 子こどもでは、歩あるきはじめるのがおくれたり、走はしる、飛とび上あがる、階段かいだんをのぼるなどの動作どうさがむずかしい

医師いしは、あなたの症状しょうじょうと家族歴かぞくれきから筋きんジストロフィーではないかと疑うたがいます。確たしかめるために、医師いしは次つぎのことをします：

• 血液検査けつえきけんさ

• 筋きん生検せいけん（医師いしが筋肉きんにくの小ちいさなかけらをとって顕微鏡けんびきょうで調しらべる検査けんさ）

完全かんぜんに治なおす方法ほうほうはありませんが、医師いしは次つぎのような方法ほうほうで筋きんジストロフィーを治療ちりょうします：

• 理学療法りがくりょうほう

• 足首あしくびまたは脚あしの装具そうぐ

• 薬くすり

筋きんジストロフィーの人ひとは、不整脈ふせいみゃくをコントロールするためにペースメーカーが必要ひつようになることもあります。

• 米国べいこく筋きんジストロフィー協会きょうかい（Muscular Dystrophy Association）