ヒルシュスプルング病びょう

大腸だいちょうには筋肉きんにくの層そうがあり、その筋肉きんにくが縮ちぢむことで、腸ちょうの中なかを便べんが進すすんでいきます。ヒルシュスプルング病びょうは、腸ちょうの一部いちぶ（大腸だいちょう）に筋肉きんにくを縮ちぢめる信号しんごうを送おくる神経しんけいがない、生うまれつきの異常いじょうです。

• 腸ちょうに便べんがたまって、腸ちょうがふさがります。

• ヒルシュスプルング病びょうの子こどもは、嘔吐おうとをしたり、食たべるのをいやがったり、おなかがふくらんだりすることがあります。

• 医師いしは手術しゅじゅつをして、腸ちょうの神経しんけいがない部分ぶぶんを切きり取とります。

• ヒルシュスプルング病びょうは、治療ちりょうしないと、腸炎ちょうえんという命いのちにかかわる腸ちょうの感染症かんせんしょうにつながることがあります。

次つぎのような症状しょうじょうがあります：

• 生うまれたばかりの赤あかちゃんの場合ばあい、生後せいご24時間じかん以内いないに便べんが出でない

• 緑色みどりいろまたは茶色ちゃいろの嘔吐おうと

• おなかがふくらむ

• 食たべるのをいやがる

子こどもの大腸だいちょうのごく一部いちぶだけがふさがっている場合ばあい、次つぎのような軽かるい症状しょうじょうが現あらわれることもあります：

• リボンのような細ほそい便べんが出でる

• おなかがふくらむ

• 体重たいじゅうが増ふえない

• 便べんが出でない

症状しょうじょうが軽かるい子こどもは、小児期しょうにきの後あとの方ほうの時期じきか、まれに大人おとなになるまで診断しんだんされないことがあります。

ヒルシュスプルング病びょうを治療ちりょうしないでいると、ヒルシュスプルング腸炎ちょうえんになることがあります。その場合ばあいは次つぎのような症状しょうじょうが現あらわれ、命いのちにかかわることもあります：

• 突然とつぜんの発熱はつねつ

• おなかがふくらむ

• 激はげしい下痢げり

医師いしは、赤あかちゃんが生後せいご24時間じかん以内いないに便べんをしないと、ヒルシュスプルング病びょうを疑うたがうことがあります。

医師いしは次つぎの方法ほうほうでヒルシュスプルング病びょうの検査けんさをします：

• 下部消化管造影検査かぶしょうかかんぞうえいけんさ

• 直腸生検ちょくちょうせいけん（医師いしが子こどもの直腸ちょくちょうの小ちいさなかけらをとって顕微鏡けんびきょうで調しらべる検査けんさ）

• 子こどもの直腸ちょくちょうの中なかの圧力あつりょくをはかる

医師いしは次つぎの方法ほうほうでヒルシュスプルング病びょうを治療ちりょうします：

• 腸ちょうの異常いじょうな部分ぶぶんを切きり取とって、腸ちょうの働はたらいている部分ぶぶんの端はしどうしをつなぐ手術しゅじゅつ

具合ぐあいがとても悪わるい場合ばあいは、まず一時的いちじてきな人工肛門造設術じんこうこうもんぞうせつじゅつをすることがあります。医師いしが大腸だいちょうに穴あなをあけ、それをおなかにあけた穴あなとつなぎます。赤あかちゃんがもう一度いちど手術しゅじゅつを受うけられるくらい健康けんこうになるまでは、便べんがその穴あなから出でて袋ふくろの中なかにたまるようにします。その後ご、医師いしは2回目かいめの手術しゅじゅつをして、腸ちょうの働はたらいていない部分ぶぶんを切きり取とり、働はたらいている腸ちょうをつなぎ合あわせて、人工肛門じんこうこうもんの穴あなをふさぎます。

医師いしは感染症かんせんしょう（腸炎ちょうえん）を次つぎの方法ほうほうで治療ちりょうします：

• 静脈じょうみゃくから水分すいぶんと抗菌薬こうきんやくを与あたえる

• 直腸ちょくちょうの中なかに入いれたチューブから塩水しおみずを入いれて腸ちょうから便べんを洗あらい出だす

• 手術しゅじゅつ