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かぜ(感冒)

執筆者:

Brenda L. Tesini

, MD, University of Rochester School of Medicine and Dentistry

医学的にレビューされた 2021年 9月
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やさしくわかる病気事典
本ページのリソース
  • 様々なウイルスがかぜの原因げんいんとなります。

  • 通常、かぜは感染者かんせんしゃはなの分泌ものが触れることでうつります。

  • 初期にのどのいがらっぽさやいたみ、またははなの不快感が生じることがおおく、続いてくしゃみや鼻水はなみず、せき、全身ぜんしんのだるさが生じます。

  • 診断しんだん症状しょうじょうに基づいて下されます。

  • かぜを予防よぼうする一番いちばんよい方法ほうほうは、よく洗いをするなどのしっかりした衛生管理をおこなうことです。

  • 安静、はな閉改善くすり、アセトアミノフェン、非ステロイド系抗炎症くすり(NSAID[イブプロフェンなど])によって症状しょうじょうを和らげることができます。

かぜはもっともよくみられる病気びょうきの1つです。様々な種類しゅるいのウイルス(ライノウイルス、アデノウイルス、コロナウイルス、ヒトメタニューモウイルス)がかぜの原因げんいんとなりますが、ほとんどのかぜはライノウイルス(ライノウイルスには100以上いじょうの亜型があります)によるものです。ライノウイルスによるかぜは春と秋におおくみられます。そのほかのウイルスは、これら以外いがいの季節にかぜに似た病気びょうきこします。

かぜは、主に感染者かんせんしゃはなの分泌ものが触れることでうつります。この分泌ものには、かぜの原因げんいんとなるウイルスがふくまれています。分泌ものが付着したで、くちはな、眼などを触ると、ウイルスがからだ内に侵入して、かぜをこします。それほどおおくはありませんが、感染者かんせんしゃのせきやくしゃみで飛散した飛沫ひまつを吸い込むことでかぜがうつる場合ばあいもあります。かぜの感染力かんせんりょくもっとも強いのは、症状しょうじょうてから最初さいしょの1~2かんです。

以下の要因によって、かぜを引きやすくなることはありません。

  • からだが冷える

  • 健康けんこう状態じょうたいや食生活せいかつ

  • はなまたはのどの異常いじょう(扁桃やアデノイドの肥大など)

知っていますか?

  • からだが冷えたからといって、かぜをひいたり、ひきやすくなったりすることはありません。

かぜの症状しょうじょう

かぜの症状しょうじょう感染かんせんあと1~3あらわれます。最初さいしょあらわれる症状しょうじょうおおくの場合ばあい、のどのいがらっぽさやいたみ、またははなの不快感です。そのあとくしゃみがはじめ、鼻水はなみずて、すこからだ調がわるいとかんじます。発熱はつねつがみられることはあまりありませんが、かぜのひきはじめに軽度の発熱はつねつがみられることもあります。はなからの分泌ものは初めのうちは透明でみずっぽく、煩わしいほどたくさんることもありますが、やがて粘液状になって、黄緑色に濁り、りょうも減ってきます。かるいせきもよくみられます。症状しょうじょうは通常4~10で治まりますが、せきは2しゅうはいっても続くことがよくあります。

合併症がっぺいしょうこると、病気びょうきが長引く場合ばあいがあります。 喘息ぜんそく 喘息 喘息は、気道が何らかの刺激に反応して狭くなる(通常は可逆性)病態です。 症状としては、特定の誘因に反応して生じる、せき、喘鳴(ぜんめい)、息切れなどが最もよくみられます。 医師は、呼吸の検査(肺機能検査)を行って喘息の診断を確定します。 喘息発作を防ぐためには、誘因となる物質を吸い込まないようにするとともに、気道の開口を保つ薬を服用する必... さらに読む 喘息 患者の場合ばあい、ライノウイルス感染かんせんでしばしば喘息ぜんそく発作が誘発されます。また、細菌感染症かんせんしょうなか耳(なか耳炎 急性中耳炎 急性中耳炎は、ウイルスや細菌の感染により中耳が炎症を起こした状態です。 急性中耳炎は、かぜやアレルギーの患者によく起こります。 感染した耳には痛みが出ます。 医師は、鼓膜を診察して診断を下します。 特定の小児予防予防接種によって、急性中耳炎のリスクを低減することができます。 さらに読む 急性中耳炎 )や副はな腔(はな腔炎 副鼻腔炎 副鼻腔炎は副鼻腔の炎症で、多くはウイルスや細菌の感染またはアレルギーが原因です。 最もよくみられる症状は痛み、圧痛、鼻づまり、頭痛などです。 診断は症状に基づいて下されますが、ときにCT検査などの画像検査が必要になることもあります。 原因となっている細菌感染症は抗菌薬で根治させることができます。 副鼻腔炎は最も多い病気の1つです。副鼻腔炎は、上顎洞(じょうがくどう)、篩骨洞(しこつどう)、前頭洞(ぜんとうどう)、蝶形骨洞(ちょうけいこつ... さらに読む )にこることもあります。これらの部位の感染症かんせんしょうは、正常せいじょう場合ばあいであれば排される分泌ものが、はなが詰まることでせき止められ、たまった分泌ものなかで細菌が増殖するために発生します。

知っていますか?

  • かぜの治療ちりょうに抗菌くすりは効きません。

かぜの診断しんだん

  • 医師いしによる評価

通常、かぜは典型的てんけいてき症状しょうじょうから診断しんだんできます。高ねつ、重度の頭痛ずつう発疹ほっしん呼吸こきゅう困難、むね痛などがみられる場合ばあいは、その感染症かんせんしょうが単なるかぜではないことが示唆されます。

通常、かぜの診断しんだんに臨床検査けんさは不要ですが、合併症がっぺいしょうが疑われる場合ばあいは、血液検査けつえきけんさX線検査えっくすせんけんさおこなうことがあります。

かぜの予防よぼう

かぜをこすウイルスにはおおくの種類しゅるいがあり、さらにそれぞれが時が経つにつれすこしずつ変化へんかするため、いまだに効果こうか的なワクチンは開発かいはつされていません。

最善さいぜん予防よぼう策は、衛生管理をしっかりおこなうことです。かぜの原因げんいんウイルスのおおくは感染者かんせんしゃの分泌ものに触れることでひろがるため、以下の対策たいさく予防よぼうの助けになります。

  • かぜの症状しょうじょうているひととそのいえ族、職場しょくばの同僚などは、頻繁にあらうようにします。

  • くしゃみやせきをするときはティッシュでくちを覆い、済んだらきちんと捨てます。

  • 症状しょうじょうがあるひとは、できればほかひととは別の部屋で寝るようにします。

  • せきやくしゃみが場合ばあいは、ほかひとにうつさないよう、学校がっこうや仕事を休むことも必要ひつようです。

  • 共同で使つかっているものや室内ので触れる部分ぶぶんを消毒くすりで清掃することも、かぜのウイルスの感染かんせん拡大を抑える助けになります。

エキナセアやビタミンCを大りょうに摂取することや(1にち2000ミリグラムまで)柑橘類をべることでは、かぜを予防よぼうできません。

かぜの治療ちりょう

  • ほかひとにうつさないよう、自宅で安静にする

  • たくさんの果ものべ、蒸気を吸い込む

  • 必要ひつよう場合ばあいは、症状しょうじょうを和らげるために市販薬しはんやく使用しようする

かぜをひいたら暖かく快適な状態じょうたいを保ち、安静にします。外出がいしゅつを控え、ほかひとにかぜをうつさないようにします。みず分をとったり、加湿器による蒸気や霧を吸入したりすれば、分泌ものがゆるくなって排しやすくなるとながあいだかんがえられてきましたが、この方法ほうほうはおそらくほとんどやくちません。

現在げんざいよう可能な抗ウイルスくすりはかぜには効きません。抗菌くすりは、鼻水はなみずやせきで色の付いた濃い粘液がていても、かぜには効きません。

エキナセア エキナセア エキナセアは多年生の野生の花で、生物学的に活性のある様々な成分を含有しています。エキナセアの様々な部分が薬用として用いられています。 ( サプリメントの概要も参照のこと。) エキナセアは、かぜなどの上気道ウイルス感染症の予防や治療を目的として使用される場合がほとんどです。適切なデザインによる研究では、予防効果が示唆されていますが、治療効果は示唆されていません。エキナセアをクリームや軟膏として塗布し、皮膚病や傷口の治癒の促進に用いる場合も... さらに読む 亜鉛製ざい 亜鉛 ミネラルの一種である 亜鉛は、多くの代謝過程でごく少量だけ必要とされます。食物では、カキ、牛肉、栄養強化シリアルなどに含まれています。( サプリメントの概要も参照のこと。) 亜鉛はしばしば、かぜの症状の持続期間を短縮するためにトローチ剤として摂取されます。科学的研究では一貫性のある結果が得られていませんが、亜鉛が有効だとしてもその効果はわずかで、かぜの症状が現れた直後に摂取した場合に限られます。... さらに読む ビタミンC ビタミンC欠乏症 先進国では、ビタミンCの少ない食事が原因でビタミンC欠乏症が発生することがありますが、重度の欠乏症(壊血病を引き起こす)はまれです。 新鮮な果物や野菜を十分に食べないと、ビタミンC欠乏症になることがあります。 疲労、筋力低下を感じ、易怒性がみられます。 重度のビタミンC欠乏症は壊血病と呼ばれ、あざができ、歯ぐきや歯のトラブル、毛髪や皮膚の乾燥、貧血が起こります。 診断は症状と、ときに血液検査の結果に基づいて下されます。 さらに読む は、かぜにたいする治療ちりょう効果こうかが示唆されてきました。小規模な研究けんきゅうでは有効と無効、どちらの結果もていますが、しっかりと計画された大規模な臨床研究けんきゅうで有効性が証明されたことはありません。確かにいくつかの研究けんきゅうでは有益な効果こうかが示されましたが、その効果こうかはわずかなものでした。たとえば、亜鉛でかぜの症状しょうじょうが続く期間きかんが短縮しましたが、短くなるのは1にち未満でした。このため、ほとんどの専門いえはこのようなサプリメントを治療ちりょうくすりとして推奨していません。

いくつかの非処方しょほうくすり市販薬しはんやく)は、かぜの症状しょうじょうを緩和するものとしてよくよういられています。しかし、そのようなくすりによってかぜが治るわけではなく、かぜはためした治療ちりょう関係かんけいなく通常は1週間しゅうかんほどで自然に治るため、くすり使用しようするかどうかは、本ひとがどれくらいつらくかんじているかで決めればよいと医師いしかんがえます。使用しようされるくすりには、以下のようにいくつかの種類しゅるいがあります。

  • はな閉改善くすりはなとおりをよくするのに役立やくだちます。

  • 抗ヒスタミンくすり鼻水はなみずを抑えるのに役立やくだ場合ばあいがあります。

  • 非ステロイド系抗炎症くすり(NSAID)またはアセトアミノフェン。うずきやいたみを緩和し、発熱はつねつを抑えます。

  • せき止めシロップ。粘液を薄めたんをゆるくすることでせきをしやすくしたり(去たんくすり)、せき自からだを抑えたりします(せき止めくすり)。

これらのくすりは混合くすりとして市販されていることがほとんどですが、個別に入することもできます。

はな閉改善くすりの吸入ざいは、くちからむものよりはなづまりの軽減に役立やくだちます。ただし、吸入ざいを3~5以上いじょう使用しようしたあと使用しようなか止すると、はなづまりが元よりもわるくなる場合ばあいがあります。処方しょほうくすりでのみ利ようできるはな腔スプレーであるイプラトロピウムは、鼻水はなみずを抑えるのを助けます。

クロルフェニラミンなどの旧世代の抗ヒスタミンくすりは眠気をこすことがあります。ロラタジンなどの新世代の抗ヒスタミンくすりは、眠気はそれほど生じませんが、かぜの治療ちりょうには効きません。

はな閉改善くすりと抗ヒスタミンくすりは4歳未満の小児には投与すべきではありません。

せき止めくすりについては、ウイルス感染症かんせんしょうの発症なかはせきが気道きどうから分泌ものや異もの効果こうか的に除去する仕組みとしてはたらきますので、通常は推奨されません。ただし、ひどいせきで睡眠が妨げられたり不快感がつよたりする場合ばあいは、せき止めくすり使用しようしてもよいでしょう。

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