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音楽がアルツハイマー病患者の記憶への架け橋に

ニュース
22年9月21日 By HealthDay Japan Translation and Dennis Thompson HealthDay Reporters

認知症患者に対する音楽療法プログラムは、認知症患者が自分の介護者と言語以外の方法で交流する力を高めることが、「Alzheimer Disease and Associated Disorders」に8月25日発表された研究で示された。「Musical Bridges to Memory(音楽がつなぐ記憶への架け橋)」と名付けられたこの音楽療法プログラムにより、認知症患者の興奮や不安、抑うつといった厄介な症状も低減するという。

今回の研究論文の上席著者である、米ノースウェスタン大学フェインバーグ医学部神経学准教授のBorna Bonakdarpour氏によると、認知症は精神や記憶に大打撃を与えるが、かなり進行した段階になるまで音楽を楽しむ能力には影響しないと考えられている。同氏は、「認知症患者は音楽を処理することもできるし、音楽を理解し、受け止め、それに反応することもできる。また、音楽に合わせて踊ったり、演奏したり、一緒に歌を歌ったりすることもできる」と説明する。

Bonakdarpour氏らは今回の研究で、21組の認知症患者と介護者に、Musical Bridges to Memoryプログラムに週1回のペースで12週間にわたり参加してもらった。研究グループは、これまでに行われた音楽療法に関する研究のほとんどは患者のみを対象としていたが、今回は患者に加えて介護者にも参加してもらった点がユニークであるとしている。

Musical Bridges to Memoryプログラムは、大切な人と言葉でコミュニケーションを取ることができなくなった認知症患者のために、NPO法人のInstitute for Therapy through the Artsが開発した。同プログラムは1セッション当たり45分間で、患者と介護者に患者が若かった頃の音楽を生演奏で聞いてもらうと同時に、歌や踊り、シェイカーやドラム、タンバリンなどのシンプルな楽器の演奏をしてもらうことで、音楽に触れあうよう促すものだ。音楽の後には会話時間が設けられた。各セッションの開始前10分間と終了後10分間の認知症患者と介護者の様子がビデオ撮影され、患者と介護者のつながりに音楽療法が与えた影響について分析が行われた。

その結果、音楽療法後のグループでの会話時間には、認知症患者と介護者の間でアイコンタクトを取る頻度が高まり、注意の散漫さや攻撃性が弱まり、陽気な様子が見られるなど、認知症患者の社会性が高まることが観察された。一方、このプログラムには参加しなかった8組の認知症患者と介護者(対照群)ではコミュニケーションが減少していた。

米イリノイ州シカゴ郊外のアーリントン・ハイツにある認知症ケア施設に住む認知症患者のWes Mikaさん(77歳)も、このプログラムに参加した一人だ。彼の妻のSusanさん(76歳)は、「彼には車いすが必要だが、この音楽療法プログラムは私たちに好ましく深いつながりをもたらしてくれた。彼も私もこのプログラムを楽しんだ。私は知っている歌詞の部分を歌ったし、彼の唇が動いていたときもあった。彼が大きな声で話すことはないけれど、唇を動かそうとしていた。彼が歌詞を知っていて、音楽とのつながりを感じていたのだと思う」と話す。

Bonakdarpour氏は、「さまざまな能力が低下しつつある認知症患者の症状の管理において、音楽療法は重要な要素となり得る」と話している。米アルツハイマー病協会も、音楽療法を認知症に対する重要な非薬物療法として認識している。同協会の心理社会的研究・クオリティケア部門のシニアディレクターを務めるSam Fazio氏は、「言葉で自分の気持ちを表現できなくなっても、歌の歌詞を通じて表現したり、メロディーを感じたりすることはできる」と話している。(HealthDay News 2022年9月6日)

https://consumer.healthday.com/9-6-music-bridging-memories-for-people-with-alzheimer-s-2657966423.html