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コメンタリー — 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するわかりやすい対策

コラム
2020/04/15 Robert S. Porter, MD, Editor-in-Chief, The MSD Manuals

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深刻な問題には、必ずこまごまとした事柄や複雑な事情がつきまといます。そして多くの場合、そうした複雑な要因によって、その問題をシンプルに捉えることが難しくなります。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)をシンプルに捉えると、次のことが言えます。

  • 感染者が感染しやすい人と接触すると、パンデミックは拡大します。
  • 感染者が感染しやすい人と接触しないように対策を講じれば、パンデミックは拡大しません。

誰が感染しているかがはっきりしていれば、話はわかりやすいのですが、実際の状況は常にそう単純ではありません。

COVID-19では、よく知られているように、無症状の感染者や、明らかな感染徴候がみられないほぼ無症状の感染者が存在することから、誰が感染しているのか(実際に「感染性がある」か、つまり他者に感染を広げる可能性があるか)がはっきりしません。

そのため、すべての人をお互いから隔離するという、現在の全面的なロックダウン(都市閉鎖)が行われているのです。全員を隔離してしまえば、隔離が必要な人を確実に隔離することができますが、その必要がない大勢の人々も隔離することになります。これは、酒場で喧嘩騒ぎが起きた際に、警察がその場にいた全員を逮捕するのと同じです。そうすれば、問題を起こした張本人を捕まえることはできますが、法と秩序を守るために罪のない大勢の人に不自由を強いることになります。

感染性のある人を感染しやすい人と区別する方法が望まれるところです。そのような「検査」があれば、感染性のある人だけを隔離して、それ以外の人には普段の生活を送ってもらうことが可能になります。それができれば、どれだけ喜ばしいことでしょうか。

もちろん、SARSコロナウイルス2(新型コロナウイルスの正式名称)について、感染性がある感染者を特定する検査方法が存在することは、誰もが知っている事実です。新しい技術や飛躍的な科学の進歩はなくても、既存の検査方法によって、感染性のある人の大半を、かなり十分な精度で特定できるのです。

ではなぜ、私たちはまだロックダウンを続けているのでしょうか?どうして感染性のある人を特定し、その人たちだけを隔離することができないのでしょうか?十分な検査法があるわけですから、以下の体制を充実させれば、感染性のある人々の大半を見つけ出して隔離できるのは明らかです。

  • 検査のための資材と機器
  • 検査機器を扱う検査技師
  • 検査技師と検査機器を配備する施設
  • 検査すべき対象者を特定して対応する人員
  • 検体を適切に採取して搬送する人員
  • 検査結果を追跡し、感染者が隔離されていることを確認する人員とそのための技術

以上のことがらの一部には、すでに地方自治体の当局が臨時の対応で取り組み始めています。しかし、パンデミックは地域的な取り組みだけで制御できるものではなく、成功を収めるには、このプロセスを調整して合理化し、管理する国家レベルの組織体制が必要になります。

こうした取り組みに、科学や技術の飛躍的な進歩は必要ないのです。

シンプルに考えましょう。

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翻訳: TransPerfect