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処方睡眠薬:安易に服用しないこと

処方睡眠薬:安易に服用しないこと

睡眠薬として最もよく使用されているのが、鎮静薬と抗不安薬({blank} 抗不安薬と鎮静薬)です。医師の指導のもと使用する限り、多くは安全です。

ほとんどの睡眠薬は、問題を起こす可能性があるため、処方せんが必要です。こうした問題の多くは、新しい睡眠薬では起こりにくくなっています。

  • 有効性の喪失:睡眠薬に慣れると、有効性が失われることがあります。これを耐性と呼びます。

  • 離脱症状:睡眠薬を2~3日以上服用した後に突然中止すると、もともとの睡眠症状が悪化し(反跳性不眠)、不安が増大することがあります。したがって医師は、薬剤の使用を中止するとき、数週間かけて徐々に用量を減らすよう勧めます。

  • 習慣性と依存の可能性:特定の睡眠薬を2~3日以上服用すると、それなしでは眠れないと感じるようになることがあります。薬剤の使用を中止すると、不安、神経質、短気になったり、不隠な夢を見たりすることがあります。

  • 過剰摂取の可能性:旧型の一部の睡眠薬は、推奨用量より多く服用した場合、錯乱やせん妄を生じる、呼吸が危険なほど遅くなる、脈が弱くなる、爪と唇が青くなるなどの副作用をもたらす可能性があり、死に至ることすらあります。

  • 重篤な副作用:大多数の睡眠薬は、呼吸機能を調整している脳領域を抑制する傾向があるため、特に高齢者や呼吸器系に問題がある人では、たとえ推奨用量で服用しても危険があります。薬剤によっては、昼間の覚醒レベルが低下し、車の運転や機械操作に危険が伴うことがあります。日中の眠気を催し呼吸を抑制する薬剤(アルコール、オピオイド[麻薬]、抗ヒスタミン薬、抗うつ薬など)と睡眠薬を併用する場合は、特に危険です。これらの複合作用は、さらに危険です。特に、睡眠薬を推奨用量より多く服用した場合や、アルコールと一緒に服用した場合は、まれではあるものの、寝ながら歩いたり、車を運転したりしてしまうことがあり、重度のアレルギー反応が起こることも知られています。

最近の睡眠薬は、効果を失わず、習慣性をもたらさず、また離脱症状を起こさずに長期間使用できます。過剰摂取した場合の危険性もそれほど高くありません。

ベンゾジアゼピン系薬剤は、最もよく使用される睡眠薬です。ベンゾジアゼピン系薬剤には、効果の比較的長いもの(フルラゼパムなど)とそうでないもの(テマゼパム[temazepam]、トリアゾラムなど)とがあります。医師は、高齢者には長時間作用型ベンゾジアゼピン系薬剤を処方しないようにします。高齢者は、体内で薬剤を代謝して体外に排出する能力が若い人ほど高くないため、これらの薬剤を服用すると、日中の眠気、話し方が不明瞭になる、転倒などの問題が起きる可能性があるからです。

その他の有用な睡眠薬として、ベンゾジアゼピン系薬剤ではありませんが、ベンゾジアゼピン系薬剤と同じ脳領域に作用を及ぼすものがあります。これらの薬剤(エスゾピクロン、ザレプロン、ゾルピデム)は大部分のベンゾジアゼピン系薬剤より作用時間が短く、日中の眠気が生じにくくなっています。高齢者もこれらの薬剤に耐えられると考えられています。ゾルピデムには長時間作用型(徐放性)や、超短時間作用型(低用量)の剤形もあります。

ラメルテオンは新型の睡眠薬で、作用時間の短い上記の薬剤と同じ長所があります。それに加えて、効果を失わず、離脱症状も起こさずに、ベンゾジアゼピン系薬剤より長い期間使用することができます。習慣性もなく、過剰摂取の可能性もないと考えられています。ラメルテオンは、メラトニン(睡眠を促すホルモン)と同じ脳領域に作用を及ぼすため、メラトニン受容体作動薬と呼ばれています。

一部の抗うつ薬(パロキセチン、トラゾドン、トリミプラミン)は、うつ病の治療時よりも低用量で使用すると、不眠を緩和し、早朝覚醒を予防する効果があります。これらの薬剤は、うつ病でない人が、他の睡眠薬の副作用に耐えられないというまれなケースで使用されることがあります。しかし、日中の眠気などの副作用があり、特に高齢者では問題となることがあります。

ドキセピンは、高用量では抗うつ薬として用いられますが、低用量で使用した場合、睡眠薬として効果的です。