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加齢に関連する注意点:寒さへの適応

加齢に関連する注意点:寒さへの適応

加齢により、寒さに適応する能力が損なわれます。加齢に伴って、ふるえ(シバリング)による熱産生量が減少したり、体の表面の血液を中心部に効率よく戻せなくなります。また、皮下脂肪が減ると、熱放散を防ぐ遮蔽効果が弱まります。

ふるえ(シバリング)による熱産生や血液を体中心部へ戻す効率は、病気(例えば心疾患や血管疾患など、高齢者でみられる頻度が高い病気)によっても低下し、低体温症を回避できる力が弱まります。また、体の熱産生は、甲状腺機能低下症など、高齢者によくみられる病気によっても減少します。脳卒中や関節炎などの病気や、けがであまり動き回ることができない人も低体温のリスクがありますが、この理由は運動量が減少することで熱を産生するための筋肉の活動が低下するためです。アルコールや、抗うつ薬などの特定の薬も、同様にリスクを高めます。

ほとんどの場合、低体温症は予防可能です。高齢者は以下のことに注意するとよいでしょう。

  • 温かい環境を保ちましょう。高齢者は、暖房費を節約するために室温を低めに設定することがありますが、室温は20℃以上に設定すべきです。特に、寝室を暖かくしておくことが重要です。米国ではFuel Assistance Program(燃料支援プログラム)やHome Winterization Program(家庭の冬支度プログラム)などを利用すれば、暖房費を抑えることができるかもしれません。

  • 衣類を重ね着しましょう。ウールの衣類や、ポリプロピレンなどの合成繊維で作られた衣類は、濡れても保温効果があるため、特に有用です。頭部からも熱が多く奪われるため、帽子をかぶることも重要です。手や足の指も保護する必要があります。

  • 温かい食べものや飲みものをとるようにしましょう。食べものは燃焼のための燃料となり、温かい飲みものによって体が直接温まり、また脱水が予防できます。

  • アルコール飲料は控えましょう。アルコールは皮膚の血管を広げるため、一時的に体が温まったように感じますが、実際にはより多くの熱を放散させます。

  • 特に寒いとき、定期的に運動をしましょう。運動することで、体の熱産生量が増加します。