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加齢に関連する注意点

加齢に関連する注意点

高齢者では、以下の理由から、嗜眠、昏迷、昏睡などの意識障害が特に懸念されます。

  • 加齢に伴う脳の変化:加齢に伴い脳では神経細胞が減少していくため、高齢者では薬によって意識障害や精神機能の障害が生じる可能性が高くなります({blank} 加齢に伴う体の変化 : 脳と神経系)。その結果、加齢した脳は反応が鈍くなり、薬による影響を打ち消す能力が低下します。

  • 加齢に伴うその他の変化:体内の他の部位に起こる変化によっても、薬の影響に対する感度が上がります。例えば、加齢に伴い、腎臓では薬を尿中に排泄する能力が低下し、肝臓では様々な薬を分解(代謝)する能力が衰えます。その結果、薬が体内から除去されにくくなります。血液中に残る薬の量が増え、血液中にとどまる時間が長くなる可能性があります。すると、より多くの薬が脳に到達するようになり、脳機能に影響を及ぼします。その結果、高齢者は少量の薬でも錯乱に陥ったり、眠気を催したりすることがあります。高齢者が薬を使用する場合は、しばしば投与量を通常より少なめにする必要があります。

  • 複数の薬の使用:多くの高齢者は、高血圧、糖尿病、関節炎などの慢性疾患にかかっているため、複数の薬を使用しています(多重投薬と呼ばれます)。複数の薬を使用すると、薬物相互作用のリスクが高まり、脳に影響が現れる可能性があります。例えば、ある薬が別の薬の血中濃度を高めることがあります。

  • 複雑な服薬スケジュール:高齢者は多くの薬を服用しなければならないことがあり、その服薬スケジュールが複雑になることもあります。その結果、服薬スケジュールを誤ったり、薬を多く服用しすぎたりする可能性が高まります。

  • 軽い病気の影響:高齢者では若い人に比べて、尿路感染症や脱水といった比較的軽い病気で意識障害をきたす可能性が高まります。

  • 他の病気の存在:高齢者によくみられる病気の多くが、意識障害の原因になります。そのような病気には、脳卒中、脳腫瘍、動脈瘤(脳内の動脈の弱くなった部分にできた膨らみ)、代謝性疾患、重度の肺疾患、重症感染症、心不全などがあります。

  • 意識障害が気づかれにくい:高齢者では、意識障害が気づかれにくいことがあります。高齢者の覚醒レベルが低下したり、周囲のことに対する認識能力が低下したりしても、家族や友人がそれに気づかなかったり、加齢によるものだと考えたりすることがあります。(意識障害は加齢に伴う正常な変化ではありません。)認知症または脳疾患がある高齢者や、脳卒中を起こしたことのある高齢者では、意識状態の変化を見つけるのが難しい場合があります。

  • 回復能力:脳の自己修復能力は加齢につれて低下するため、高齢者では昏迷や昏睡から回復する可能性が低くなります。

高齢者では、一般に薬への反応、脱水、感染症によって意識が障害されます。