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ネフローゼ症候群を引き起こす原発性糸球体疾患

ネフローゼ症候群を引き起こす原発性糸球体疾患

糸球体疾患

説明

予後(経過の見通し)

微小変化群

軽度の糸球体の病気で、小児に多くみられますが、成人でもみられます。

予後(経過の見通し)は良好です。小児の90%、成人でもほぼ同程度の割合で、治療の効果が得られます。ただし、成人の30~50%では再発がみられます。1~2年間の治療後には、80%以上の患者が軽快し、その状態が生涯維持されます。

巣状分節性糸球体硬化症

この病気では糸球体に損傷が生じます。主に青年に発生する病気ですが、成人の若年層と中年層にもみられます。黒人で比較的多くみられます。

治療の効果があまりみられないため、予後は不良です。成人であれ小児であれ、大半が診断後5~20年のうちに末期腎不全へと進行します。

膜性腎症

重篤な糸球体の病気で、主に成人にみられます。白人で比較的多くみられます。

約25%の人では、尿中へのタンパクの排泄が止まります。約25%の人が末期腎不全に移行します。その他の人では、ネフローゼ症候群または無症候性タンパク尿・血尿症候群として、尿中へのタンパク排出が持続します。

先天性および乳児ネフローゼ症候群

これらは遺伝性のまれな病気です。原因になる主な病気として、先天性ネフローゼ症候群(フィンランド型)とびまん性メサンギウム硬化症の2つがあり、これらは巣状分節性糸球体硬化症とよく似ています。フィンランド型では出生時から症状がみられ、びまん性メサンギウム硬化症では小児期に発症します。

これらの病気にはコルチコステロイドが効きません。血中アルブミン濃度が極度に低下することから、両側の腎臓を切除する手術がしばしば検討されます。腎移植が可能となる条件が整うまで、透析を含めた支持療法が行われます。

膜性増殖性糸球体腎炎

まれな種類の糸球体腎炎で、発症年齢は主に8~30歳です。原因は、腎臓に付着した免疫複合体(抗原と抗体が結合した複合体)の沈着で、付着する理由はときに不明です。

治療可能な病気(全身性エリテマトーデス、B型肝炎、C型肝炎など)が原因の場合、部分的な回復が起こる可能性があります。一方、原因不明の場合は、最終的な経過はそれほど良くありません。治療を行わない場合には、末期腎不全への進行が10年以内に約半数の患者で、20年以内に90%の患者で認められます。

メサンギウム増殖性糸球体腎炎

原因が特定されないネフローゼ症候群患者のうち約3~5%は、この病気によるものです。あらゆる年齢で発生します。

約50%の患者はコルチコステロイド投与に最初は反応します。約10~30%は進行性の腎不全へと進展します。再発時には、シクロホスファミドによる治療で効果が得られることがあります。