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動物のプリオン病

動物のプリオン病

プリオン病は、ヒツジ、ヤギ、ウシのほか、ヘラジカ、シカ、ミンク、ネコなどの動物に発生します。以下のような場合に、ある種から別の種へとプリオン病が伝染します。

  • 感染した動物を捕食した場合

  • 感染した動物の体液や排泄物と接触した場合

  • 感染した動物によって汚染された土と接触した場合

  • 感染した動物と同じ建物内で飼育した場合

人間のクロイツフェルト-ヤコブ病と同様に、動物のプリオン病でも徐々に筋肉の協調運動が損なわれ、異常な振る舞いがみられるようになり、続いて認知症の症状が現れます。

スクレイピーはヒツジのプリオン病で、病気のヒツジが自分の体を柵柱などにこすりつけて(scrape[スクレイプ])羊毛をちぎるような動作をするため、この名前がつけられています。

ヘラジカやシカにおけるプリオン病は、慢性消耗病と呼ばれています。米国西部のいくつかの州とカナダ、ノルウェーでは、慢性消耗病にかかった動物を狩猟した人、精肉した人、その肉を食べた人に、この病気が伝染する可能性が懸念されています。しかし、慢性消耗病またはヒツジのスクレイピーが人間にプリオン病を引き起こしたという報告は今のところありません。慢性消耗病が人間に感染するかどうかについては研究が続けられています。

狂牛病(ウシ海綿状脳症)という病名は、この病気にかかったウシが著しく興奮することからつけられました。スクレイピーに感染したヒツジの組織がウシの餌に混入していることがあり、この餌をウシが食べると、病気がヒツジからウシに感染します。

汚染された牛肉やそれから作られた加工食品を食べた人の少数に、ある種のクロイツフェルト-ヤコブ病が発生することもあります。この病型は1996年に初めて報告されて以来、変異型クロイツフェルト-ヤコブ病と呼ばれています(人間の「狂牛病」と呼ばれることもあります)。変異型クロイツフェルト-ヤコブ病は、他のクロイツフェルト-ヤコブ病とは多くの点で異なります。

  • 変異型クロイツフェルト-ヤコブ病の患者の脳組織を顕微鏡下で観察すると、他の病型とは異なる変化がみられます。

  • 他のクロイツフェルト-ヤコブ病の初発症状は記憶障害や協調運動障害である一方、変異型クロイツフェルト-ヤコブ病では最初に(不安や抑うつなどの)精神症状がみられる傾向があります。

変異型クロイツフェルト-ヤコブ病は非常にまれで、最も多かった時期でさえごく少数でした。2017年3月の時点で、世界で231例が報告されており、そのうち178例が英国で、53例がその他の国で見つかっています。英国において、新しい症例が最も多く報告されたのは2000年でした。それ以降、新たな症例の数は着実に減少しています。米国では、今までに4人の患者がこの診断を下されています。いずれもおそらく外国で感染した症例と考えられます。