血圧の測定

血圧を素早く、不快感をほとんど与えることなく測定することのできる器具がいくつかあります。一般的には血圧計が使用されます。この器具は柔らかいゴムでできたカフと、そのカフを膨らませるためのゴムのバルブ、カフに加わる圧力を表示する計測器で構成されます。計測器は目盛り板、デジタルメーター、または水銀で満たされたガラスの筒でできています。最初に血圧の測定に用いられたのが水銀柱であったことから、血圧は水銀柱の高さに基づく「mmHg」という単位で表示されます。

血圧計を使う場合、検査を受ける人は脚を組まずに座り、背もたれで背中を支えます。腕を服から出し(袖をまくり上げる場合、袖が腕を圧迫しないよう注意します)、肘を軽く曲げて、腕を台の上に載せ、腕が心臓と同じくらいの高さになるようにします。カフを腕にぐるりと巻きつけます。腕のサイズに合ったカフを使用することが重要です。カフが小さすぎると、血圧の値が高くなります。反対にカフが大きすぎると、血圧の値が低くなります。

カフの下の動脈に聴診器をあてて拍動音を聞きながら、その血流音が一時的に止まるまでバルブを押してカフを膨らませ、カフによる動脈への圧迫を増していきます。その圧力は通常、検査を受ける人の普段の収縮期血圧(心拍動時の血圧)よりも30mmHgほど高くします。その後、カフから徐々に空気を抜いていきます。このとき、最初に動脈から拍動音が聞こえたときの圧力が収縮期血圧です。カフをさらに緩めると、ある点で拍動音が聞こえなくなります。この時点の血圧が拡張期血圧(拍動の間に心臓が拡張したときの血圧)です。

聴診器やゴムのバルブを使わずに血圧を測定できる自動血圧計もあります。これらの装置には、上腕、指、手首で測定するタイプがあります。50歳以上の人は、上腕で血圧を測定するのが最も正確です。集中治療室に入院中の患者などでは、ときに厳密な血圧の測定が必要になります。このような場合は、動脈内にカテーテルを挿入して、血圧を直接測定します。

高血圧の人向けに、自宅で血圧を測定できる家庭用血圧計もあります。

血圧の測定

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