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脳を使って筋肉を動かす

脳を使って筋肉を動かす

筋肉の動きは通常、脳と筋肉の間で神経を介して信号が伝達されることによって起こります。筋肉を動かそう(例えば、本を手に取る)と意識的に決めたときなど、筋肉を動かす刺激は脳から発せられる場合もあります。

あるいは、筋肉を動かす刺激が感覚に由来する場合もあります。例えば、とがった石を踏んだり、非常に熱いコーヒーの入ったカップに触れたりすると、皮膚にある特殊な神経の末端(感覚受容器)で痛みや熱さが感知されます。この情報は脳に伝えられ、脳はどう反応するかの司令を筋肉に送ります。このタイプの情報交換は、2つの複雑な神経伝達経路に沿って行われます。

  • 脳に向かう感覚神経経路

  • 筋肉に向かう運動神経経路

脳を使って筋肉を動かす
  • 皮膚の感覚受容器は、痛みや温度変化を感知すると信号を発する(この信号は最終的に脳に届く)。

  • その信号はまず、1本の感覚神経に沿って脊髄まで伝わる。

  • ここで信号は、感覚神経と脊髄の神経細胞との間のシナプス(2つの神経細胞同士の接合部)を通過する。

  • 信号は、その脊髄の神経細胞から脊髄の反対側に送られる。

  • 信号は脊髄に沿って脳に向かって上っていき、脳幹を通過して、脳の深部にある感覚情報処理の中枢である視床に到達する。

  • 信号は、視床のシナプスを通過して、大脳の感覚皮質(感覚受容器からの情報を受け取って解釈する領域)につながる神経線維に伝わる。

  • 感覚皮質が信号を受け取る。その結果、この人が何らかの動作を起こそうと決めた場合は、運動皮質(随意運動を計画、制御、実行する領域)から新たな信号が発せられる。

  • この信号を伝える神経は脳の底部で体の反対側に移る。

  • そして信号は脊髄に沿って下行していく。

  • 信号は続いて、脊髄内で、脊髄の神経線維と運動神経との間にあるシナプスを通過する。

  • 脊髄から出た信号は運動神経に沿って進んでいく。

  • 信号は神経筋接合部(神経が筋肉と接続している部分)で運動神経から筋肉の運動終板にある受容器まで進み、そこで信号が筋肉を刺激することにより、実際に筋肉が収縮する。