原因 | 一般的な特徴* | 検査† |
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不明 | ||
— | 片耳だけの難聴 他の症状はない | 造影剤(ガドリニウム)を用いたMRI検査 |
明らかな原因 | ||
急性感染症( 細菌性髄膜炎 急性細菌性髄膜炎 急性細菌性髄膜炎とは、急速に進行する髄膜(脳と脊髄を覆う組織層)とくも膜下腔(髄膜と髄膜の間の空間)の炎症のうち、細菌が原因であるものをいいます。 年長の小児や成人では、あごを胸につけるのが難しくなる症状(項部硬直といいます)が現れ、また通常は発熱や頭痛もみられます。 乳児では、項部硬直がみられないことがあり、体調が悪そうに見えたり、体温... さらに読む 、 ライム病 ライム病 ライム病は、スピロヘータと呼ばれるらせん状の細菌(図「 主な細菌の形」を参照)の一属である、ボレリア属 Borrelia(米国では主にライム病ボレリア Borrelia burgdorferi)によって引き起こされる、ダニを介してうつる感染症です。 ほとんどの人は、ライム病がみられる山間地域での野外活動中に、ラ... さらに読む | 片耳または両耳の難聴 深刻な急性期の病状がある患者にみられる しばしば頭痛および錯乱 ライム病で、典型的な発疹とインフルエンザのような症状が難聴の前に現れる 流行性耳下腺炎で、ものを飲み込んだときの頬の痛み | まだの場合は血液検査と腰椎穿刺 |
通常は片耳だけの難聴 ときに難聴のある耳から液体(血が多少混じっているか、または透明)が出る | CTまたはMRI検査 | |
片耳または両耳の難聴 原因となる活動(例えば、スキューバダイビング、飛行機の急降下)をしている最中や、耳に打撃を受けた後に突然発症する ときに痛み、破裂音、めまい、または耳鳴りを伴う | ティンパノメトリー検査(耳に器具を挿入して、音がどのくらいよく耳を通るかを測定する) 電気眼振検査(眼振という病態による、意図しない眼の動きを記録する検査)での平衡感覚の検査 CTまたはMRI検査 | |
耳に損傷を与える可能性がある薬(聴器毒性のある薬剤)、以下に挙げるものなど
| 両耳の難聴 ときにめまいおよび平衡感覚の喪失 聴器毒性のある薬剤を最近飲み始めた、または最近服用していた人にみられる | 医師の診察 ときに血中薬物濃度 |
基礎疾患‡ | ||
片耳だけの難聴 しばしばめまいまたは回転したり動いたりしているような感覚(回転性めまい)および平衡感覚の喪失 ときに顔面筋の垂れ下がりまたは顔面のしびれと味覚異常 | 造影剤(ガドリニウム)を用いたMRI検査 | |
自己免疫疾患(一部の血液疾患、 血管炎 血管炎の概要 血管炎疾患は、血管の炎症(血管炎)を原因とする病気です。 血管炎は、特定の感染症や薬によって引き起こされる場合もあれば、原因不明の場合もあります。 発熱や疲労などの全身症状がみられることがあり、その後、侵された臓器に応じて他の症状がみられます。 診断を確定するために、患部の臓器の組織から採取したサンプルの生検を行い、血管の炎症を確認します... さらに読む | 片耳または両耳の難聴 ときに関節痛または発疹 | 血液検査 |
約4分の3の患者で片耳だけの難聴 ときにめまいまたは耳鳴り | 造影剤(ガドリニウム)を用いたMRI検査 | |
片耳だけの難聴 筋力低下やしびれが、体の様々な部位に現れたり消えたりする | 造影剤(ガドリニウム)を用いたMRI検査 ときに腰椎穿刺 | |
片耳だけの難聴 ときにバランスをとることまたは協調運動が難しい | 造影剤(ガドリニウム)を用いたMRI検査 | |
片耳または両耳の難聴 ときに性感染症の危険因子(無防備な性行為、複数のパートナーなど) | 血液検査 ときに腰椎穿刺 | |
*この欄には症状や診察の結果などが示されています。ここに示されている特徴は典型的なものですが、常に当てはまるわけではありません。原因は異なっていても特徴が重複することがあります。 | ||
‡医師の診察と聴力検査が必ず行われますが、この列に記載されているのは、追加の検査をしなくても医師の診察と聴力検査だけで診断できることがある場合のみです。つまり、追加の検査が必要ないことがあります。 | ||
‡まれに、突発性難聴が、通常は別の症状が最初に現れる病気の最初の症状になることがあります。これらの病気で典型的にみられる症状がまったくない場合もあります。しかし、患者が軽い症状を軽視しているだけで、医師が念入りに質問し身体診察をすればそういった症状がみつかることもあります。 | ||
CT = コンピュータ断層撮影、MRI = 磁気共鳴画像。 |