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せん妄は高齢者に多くみられ、高齢者の家族が医師や病院に助けを求める際によくある理由です。高齢者の約15~50%は、入院中にせん妄を経験します。
原因
若い人にせん妄を引き起こす病態が、高齢者のせん妄の原因になることもあります。しかし高齢者では、以下に挙げるようなより軽い病態からせん妄が発生することもあります。
脱水 脱水 脱水は体内の水分が不足している状態です。 嘔吐、下痢、大量発汗、熱傷(やけど)、腎不全、利尿薬の使用により、脱水になる場合があります。 脱水が進むとのどの渇きを感じ、発汗や排尿も少なくなります。 脱水がひどくなると、錯乱やめまいを感じるようになります。 水を飲むか、場合によっては水分を静脈内投与して、失われた水分と血液中に溶けているナトリ... さらに読む
通常は思考力に影響しない病気( 尿路感染症 尿路感染症(UTI)の概要 健康な人では、膀胱の中にある尿は無菌(細菌などの感染性の微生物が存在しない状態)です。尿が膀胱から体外へと排出されるまでの通路(尿道)にも、感染症を引き起こす細菌はほとんど存在していません。しかし、尿路のどの部分にも感染が起こる可能性はあり、尿路で発生した感染症は尿路感染症(UTI)と呼ばれています。... さらに読む 、 インフルエンザ インフルエンザ (流感) インフルエンザは、インフルエンザウイルスによる肺と気道の ウイルス感染症です。感染すると、発熱、鼻水、のどの痛み、せき、頭痛、筋肉痛、全身のだるさ(けん怠感)が生じます。 ウイルスは、感染者のせきやくしゃみで飛散した飛沫を吸い込んだり、感染者の鼻の分泌物に直接触れたりすることで感染します。... さらに読む 、 チアミン チアミン欠乏症 チアミン欠乏症(脚気やその他の問題を引き起こす)は、発展途上国で食事が主に白米や高度に精製された炭水化物から成る人や、アルコール依存症患者に最も多くみられます。 主として白小麦粉や白砂糖、その他の高度に精製された炭水化物から成る食事は、チアミン欠乏症の原因となることがあります。... さらに読む または ビタミンB12 ビタミンB12欠乏症 ビタミンB12欠乏症は、サプリメントを摂取しない完全な菜食主義者に発生したり、吸収障害の結果として発生することがあります。 貧血が起こり、蒼白、筋力低下、疲労が生じ、重度の場合には息切れやめまいも起こります。 重度のビタミンB12欠乏症によって神経の損傷が起きることがあり、手足のチクチク感や感覚消失、筋力低下、反射消失、歩行困難、錯乱、認... さらに読む 欠乏症など)
痛み
尿閉 尿閉 尿閉とは、膀胱から尿をまったくまたはほとんど排出できなくなった状態のことです。 排尿後に膀胱内に残尿がみられる人では、同時に頻尿や尿失禁がみられる場合があります。 排尿が可能な場合は、排尿後に膀胱に残った尿の量を測定します。 カテーテルを用いて膀胱内の尿を除去した後、原因に対する治療を行います。... さらに読む (膀胱に尿が貯まっても排尿できない状態)または重度の 便秘 便秘 便秘は、排便しにくい、排便回数が少ない、便が硬い、または排便後に直腸が完全に空になっていない感覚(残便感)がある状態です。( 小児の便秘も参照のこと。) 便秘には急性のものと慢性のものがあります。急性便秘は突然起こり、はっきりと現れます。慢性便秘は、徐々に始まり数カ月ないし数年間持続することがあります。... さらに読む
感覚遮断(社会的に隔離された状態や、眼鏡または補聴器を使用できない状態など)
睡眠不足
ストレス(種類は問わない)
膀胱カテーテル(膀胱から尿を排出するための細いチューブ)の使用
加齢に伴う特定の変化により、高齢者はせん妄になりやすい傾向があります。具体的な変化としては以下のものがあります。
薬に対する感受性の高まり
脳の変化
せん妄のリスクを高める病気の発生
薬剤:高齢者では、多く薬剤に敏感になっています。高齢者におけるせん妄の最も一般的な原因は、鎮静薬など脳の機能に影響を及ぼす薬の使用です。しかし、多くの市販薬(特に抗ヒスタミン薬)を含め、脳の機能に影響を及ぼさない薬剤が、せん妄を引き起こすこともあります。こうした薬剤の多くには 抗コリン作用 処方薬の便益とリスク があり、高齢者はこの作用に対して敏感になっています。錯乱はこうした作用の1つです。
加齢に伴う脳の変化:せん妄が高齢者により多くみられる理由の1つに、一部の加齢に伴う脳の変化によってせん妄にかかりやすくなることが挙げられます。例えば、高齢者では、脳細胞の数が減少し、神経伝達物質(脳の神経細胞間の情報伝達を可能にする物質)であるアセチルコリンが減少しています。(薬剤、病気、状況などによって)ストレスが生じると、アセチルコリンの量がさらに減少して、脳の機能が阻害されます。そのため、高齢者では、このようなストレスによってせん妄が発生する可能性が特に高くなります。
その他の病態:せん妄が起こりやすくなる病態にはほかにも以下のようなものがあり、高齢者ではこれらの病態がよくみられます。
脳卒中
認知症
パーキンソン病
神経の変性を引き起こすその他の病気
3剤以上の薬剤の併用
脱水
低栄養
体を動かせない状態
せん妄が別の(ときに重篤な)病気の最初の徴候であることもしばしばあります。
症状
高齢者では、せん妄の持続時間が長くなる傾向があります。
最も顕著な症状は錯乱ですが、高齢者の錯乱は気づかれにくい場合があります。せん妄が起こった場合、若い人は興奮状態となることが多いのですが、非常に高齢の人は物静かになって内向的になる傾向があります。このような場合は、せん妄を認識するのがさらに困難になります。
高齢者に精神病症状がみられた場合、それはせん妄か認知症の徴候であるのが通常です。精神障害が原因の精神病症状が高齢になってから始まることはめったにありません。
高齢者には認知症が多いため、せん妄を発見するのがさらに困難になりますが、これはいずれの病態でも錯乱が起こるためです。医師は、錯乱が生じた速さと錯乱が起こる前の精神機能を検討することによって、せん妄と認知症を鑑別します。また、様々な思考力を検査するための一連の質問も行います( 精神医学的診察 精神状態 神経の病気が疑われる場合、医師は身体診察を行って、すべての器官系の評価を行いますが、特に神経系に重点が置かれます。神経系の診察(神経学的診察)では、以下の要素が評価されます。 精神状態 脳神経 運動神経 感覚神経 さらに読む )。精神機能の急激な低下がみられた患者には、たとえ認知症が判明している場合でも、せん妄でないことが確認されるまではせん妄があるものとして治療を進めるのが通常です。認知症になると、せん妄を発症するリスクが高まるため、認知症とせん妄の両方がある人もいます。
治療
せん妄は通常、入院を要しますが、そのために別の様々な問題( 低栄養 低栄養 低栄養とは、カロリーまたは1つ以上の必須栄養素が不足している状態です。 低栄養は、食べものを手に入れたり調理したりできない、食べものを食べたり吸収したりしにくくなる病気がある、またはカロリーの必要量が大幅に増えているということが原因で発生することがあります。 低栄養は、多くの場合、見た目にも明らかです。低体重で、しばしば骨が突き出ており、... さらに読む 、 脱水 脱水 脱水は体内の水分が不足している状態です。 嘔吐、下痢、大量発汗、熱傷(やけど)、腎不全、利尿薬の使用により、脱水になる場合があります。 脱水が進むとのどの渇きを感じ、発汗や排尿も少なくなります。 脱水がひどくなると、錯乱やめまいを感じるようになります。 水を飲むか、場合によっては水分を静脈内投与して、失われた水分と血液中に溶けているナトリ... さらに読む 、 褥瘡 床ずれ 床ずれ(褥瘡[じょくそう]とも呼ばれます)とは、長時間の圧迫によって皮膚に十分な血液が流れなくなることで、その部分に損傷が生じた状態です。 床ずれは、圧迫に加えて、皮膚を引っ張る力、摩擦、湿気などの要因が組み合わさって発生する場合が多く、特に骨のある部分の皮膚でその傾向が強くみられます。... さらに読む [じょくそう]など)が起こる場合もあります。高齢者では、これらの問題が深刻な結果につながるおそれがあります。したがって高齢の患者には、医師、理学療法士、作業療法士、看護師、ソーシャルワーカーなど複数の分野の専門家から成る 集学的チーム 集学的ケア 高齢者のケアは複雑になりがちです。高齢者はしばしば異なる場所で複数の医療従事者にかかっています。年齢を重ねるにつれて移動や交通機関の利用が難題になります。また、メディケア(米国の高齢者医療保険制度)の処方薬プランでカバーされる薬が保険会社により異なり、頻繁に変更されます。このような複雑さに対応するには、かかりつけ医または高齢者のケアを専門... さらに読む が治療にあたることが有益です。
予防
入院中の高齢者のせん妄を予防するため、家族は以下のような対策をとるよう病院スタッフに協力を求めるとよいでしょう。
定期的に動き回るように患者を促す
部屋に時計とカレンダーを置く
夜間の喧噪(けんそう)をできる限り少なくする
患者が十分に飲食していることを確認する
家族が見舞いに行って患者と会話することは、患者の見当識を保つのに役立ちます。せん妄患者は恐怖心を抱いていることもあるため、聞きなれた家族の声を聞くと安心します。