原因 | 一般的な特徴* | 検査 |
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精神障害 | ||
症状は数週間から数カ月続いて消失し、躁病、うつ病、またはその両方がみられる 躁病のエピソード:
うつ病のエピソード:
| 医師の診察 | |
双極性障害について記載されたうつ病のエピソード(上記参照)があるが、躁病になったことがない | 医師の診察 | |
通常、症状は徐々に現れ、最初は軽度の支離滅裂な思考がみられ、日課をこなすことが難しくなる 後から現れる症状:
| 医師の診察 | |
薬 | ||
薬物の使用、特に以下のもの | 興奮、ときにパニックまたは攻撃性 ときに幻覚 長期の飲酒によるもの:
アンフェタミン類の長期使用によるもの:
アンフェタミン類またはコカインの短期的な大量使用によるもの:
| 医師の診察 ときに薬物を検出するための血液または尿検査 |
薬の離脱症状、特に以下のもの | 典型的には重度の錯乱やせん妄 振戦(ふるえ)、頭痛、発汗、発熱、頻脈(心拍数の上昇)や動悸 ときにけいれん発作、幻覚、睡眠障害 その薬を減量または中止した後に発症 | 医師の診察 ときに薬物を検出するための血液または尿検査 |
薬の副作用 | 薬によって異なる 抗コリン作用がある薬剤:
| 医師の診察 ときに問題の薬を中止して症状が消えるかどうか確かめる |
脳の病気 | ||
症状が徐々に進行する 短期記憶の喪失、適切な単語を思いつかなくなる、判断力の低下 日常生活(家計簿をつける、自宅の近所の道をたどるなど)が難しくなる 通常は60歳以上の人でみられる | 医師の診察 しばしば脳の CT CT検査 CT検査(以前はCAT検査とよばれていました)では、X線源とX線検出器が患者の周りを回転します。最近の装置では、X線検出器は4~64列あるいはそれ以上配置されていて、それらが体を通過したX線を記録します。検出器によって記録されたデータは、患者の全周の様々な角度からX線により計測されたものであり、直接見ることはできませんが、検出器からコンピ... さらに読む 一連の質問と課題による精神機能の詳細な検査(神経心理学的検査) | |
以下のような脳感染症 | 頭痛 通常は錯乱と発熱 医師が患者の首を前に傾けたときの痛みまたはこわばり(髄膜炎の患者でよくみられる) 単純ヘルペス脳炎では、悪臭の幻嗅、ときにけいれん発作 | 腰椎穿刺 しばしば脳のCTまたはMRI検査 血液、尿、のどから採取したサンプルの培養 |
もの忘れと頭痛 重度の頭部外傷の数週間後に現れた情緒不安定 | 脳のCTまたはMRI検査 知能指数(IQ)の検査と物事を計画する能力や問題を解決する能力などの遂行機能の検査(神経心理学的検査) | |
脳腫瘍 脳腫瘍の概要 脳腫瘍は脳内で増殖する組織で、がんの場合(悪性)と、がんでない場合(良性)があります。脳内で発生するものと、体の別の部位から脳に転移してきたものとがあります。 症状としては、頭痛、人格の変化(抑うつ、不安、自制がきかなくなるなど)、脱力、異常感覚、平衡感覚の消失、集中力の低下、けいれん発作、協調運動障害などがみられます。... さらに読む または 脳内での出血 出血性脳卒中の概要 出血性脳卒中には、脳の内部で起こる出血(脳内出血)や、脳を覆っている組織の内側の層(軟膜)と外側の層(くも膜)の間で起こる出血(くも膜下出血)などがあります。 ( 脳卒中の概要も参照のこと。) ほとんどの脳卒中は、脳の一部への血流が遮断され、脳組織が壊死すること(虚血)で起こります。このような脳卒中は... さらに読む (脳出血) | 脳腫瘍では、頭痛が徐々に発生し、しばしば夜間または早朝と横になっているときに悪化する 脳内出血では、突然始まる頭痛(雷鳴頭痛と呼ばれる) しばしば錯乱と眠気 ときにけいれん発作 | 脳のCTまたはMRI検査 |
体の様々な部分に生じては消える脱力またはしびれ ときに部分的な視力障害または複視 ときに熱(温浴または暑い気候)により悪化する症状 | 脳および脊髄のMRI検査 ときに 腰椎穿刺 腰椎穿刺 病歴聴取と 神経学的診察によって推定された診断を確定するために、検査が必要になることがあります。 脳波検査は、脳の電気的な活動を波形として計測して、紙に印刷したりコンピュータに記録したりする検査法で、痛みを伴わずに容易に行えます。脳波検査は以下の特定に役立つ可能性があります。 けいれん性疾患... さらに読む 神経伝導検査 筋電図検査と神経伝導検査 病歴聴取と 神経学的診察によって推定された診断を確定するために、検査が必要になることがあります。 脳波検査は、脳の電気的な活動を波形として計測して、紙に印刷したりコンピュータに記録したりする検査法で、痛みを伴わずに容易に行えます。脳波検査は以下の特定に役立つ可能性があります。 けいれん性疾患... さらに読む | |
安静時の手と指の振戦(ふるえ) こわばりと移動およびバランス維持の困難 話すスピードが遅くなり、表情が乏しくなる | 医師の診察 | |
異常な行動のエピソード 通常は錯乱と凝視 ときに不随意な咀嚼、口をモグモグさせる、四肢の目的のない動き 典型的には意識の消失や全身のふるえ(けいれん)はみられない ときに幻嗅または幻味 | 脳のMRI検査 脳波検査 | |
突然現れた症状 通常は体の片側の脱力または麻痺と歩行時のふらつき | 脳のCTまたはMRI検査 | |
全身の病気(全身性疾患) | ||
脱力、発汗、錯乱 ほぼ常に糖尿病治療薬の服用者でみられる | 血糖値(グルコース値)を測定する検査 | |
脚のむくみ、食欲不振、吐き気 典型的には数週間かけて生じる脱力 | 腎臓の機能を評価するための血液検査と尿検査 | |
皮膚や白眼部分の黄色化(黄疸) 通常は脚のむくみや腹部の腫れ 赤紫色の小さな点状の発疹(点状出血) 通常は肝臓の病気の存在が判明している人でみられる | 肝臓の機能を評価するための血液検査(肝臓の検査) | |
通常は痛みを伴う関節の腫れ しばしば発疹、特に顔面や日光が当たる部分 ときに頭痛 | 特定の抗体の有無を確認するための血液検査 | |
以下のような甲状腺の病気 | 甲状腺機能亢進症で典型的な症状:動悸、大量発汗、暑さに耐えられない、食欲亢進、体重減少、振戦(ふるえ)、ときに眼球の突出 甲状腺機能低下症で典型的な症状:疲労、便秘、寒さに耐えられない、食欲不振、体重増加、会話が遅くなる、不活発、顔のむくみ、まぶたの垂れ下がり、荒れて乾燥した厚い皮膚、眉毛の脱落 | 甲状腺の機能を評価するための血液検査 |
ビタミン欠乏症( チアミン チアミン欠乏症 チアミン欠乏症(脚気やその他の問題を引き起こす)は、食料不安の蔓延率が高い国で食事が主に白米や高度に精製された炭水化物から成る人や、アルコール使用障害の患者に最も多くみられます。 主として白小麦粉や白砂糖、その他の高度に精製された炭水化物から成る食事は、チアミン欠乏症の原因となることがあります。... さらに読む または ビタミンB12 ビタミンB12欠乏症 ビタミンB12欠乏症は、サプリメントを摂取しない完全な菜食主義者に発生したり、吸収障害の結果として発生することがあります。 貧血が起こり、蒼白、筋力低下、疲労が生じ、重度の場合には息切れやめまいも起こります。 重度のビタミンB12欠乏症によって神経の損傷が起きることがあり、手足のピリピリ感や感覚消失、筋力低下、反射消失、歩行困難、錯乱、認... さらに読む 欠乏症など) | 見当識障害、記憶障害、易怒性 手足の異常感覚 欠乏しているビタミンの種類に応じて、その他の症状 | ビタミン値を測定するための血液検査 |
*特徴としては症状や診察結果を示しています。示されている特徴は典型的なものですが、常に認められるわけではありません。 | ||
CT = コンピュータ断層撮影;EEG = 脳波検査;IQ = 知能指数;MRI = 磁気共鳴画像検査;PET = 陽電子放出断層撮影。 |