アテローム性動脈硬化が起こる過程

動脈の壁はいくつかの層で構成されています。内側の層(内皮)は通常、滑らかで無傷の状態です。この内層が傷ついたり異常を起こしたりすることで、アテローム性動脈硬化が始まります。まず、単球およびT細胞と呼ばれる白血球が活性化され、血流から動脈の内皮を通り抜けて、動脈の壁の内部に侵入します。内皮に入った単球は、泡沫細胞(主にコレステロールなど脂肪性の物質を蓄える細胞)へと変化します。

やがて、平滑筋細胞が動脈の壁の中間の層から内側の層へと移動し、そこで増殖します。結合組織や弾性組織を構成する物質も、細胞の断片、コレステロールの結晶、カルシウムなどとともに、そこに蓄積していきます。脂肪を多く含む細胞、平滑筋細胞、その他の物質で構成されるこうした蓄積物は、まだら状にたまっていき、アテロームあるいはアテローム性プラークと呼ばれる沈着物を形成します。一部のプラークは、大きくなるにつれて動脈の壁を肥厚させ、動脈の内側に突き出ていくことがあります。それによって動脈の内腔が狭くなったり、ふさがったりすると、血流の減少や遮断が起きます。それ以外のプラークは、動脈を大きくふさぎはしませんが、破裂することによって、動脈を突然ふさぐことになる血栓の形成につながることがあります。

アテローム性動脈硬化が起こる過程

アテローム性動脈硬化が起こる過程

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