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鍼治療

執筆者:

Steven Novella

, MD, Yale University School of Medicine

最終査読/改訂年月 2017年 11月
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中国伝統医学の1つである鍼(はり)治療は、欧米で最も広く受け入れられている代替医療の1つです。痛みの専門医などの医師が鍼治療の技術を習得し、免許を取得することはありますが、認可を受けている鍼灸師が必ずしも医学部を卒業しているとは限りません。毎日、何百万人もの人が鍼治療を受けています。

鍼治療では、皮膚と皮下組織に極細の鍼を刺し、体のツボに刺激を与えます。これら特定の部位を刺激することで、気の流れの障害が取り除かれると考えられています。「気」とは、体に満ちている生命の力のことを指します。中国伝統医学では、エネルギーの通り道である「経絡」に沿った気の流れが乱れることにより病気が生じるものと考えられています(経絡に沿って2000個以上のツボがあります)。このツボへの刺激は、陰(暗さ、女性性、負の力に関連)および陽(明るさ、男性性、正の力に関連)のバランスの回復に役立ちます。

場合によっては、針をひねったり暖めたりして、刺激を強めることもあります。

ツボを刺激する方法は、ほかにも次のようなものあります。

  • 圧力(指圧と呼ばれます)

  • レーザー

  • 超音波

  • 針に通した微電流(電気鍼治療)

鍼治療は痛みはありませんが、チクチクとした感覚が生じることがあります。

効能

次のような利用案が挙げられます。

  • 手術後や歯科処置後の痛みの緩和

  • 妊娠中、手術後、化学療法後に起こることの多い吐き気や嘔吐の緩和

  • 依存症、手根管症候群、線維筋痛症、頭痛、腰痛、変形性関節症、関節リウマチ、喘息、進行がん患者の口腔乾燥の治療

鍼治療には禁煙や減量を促す効果はありません。

調査研究の結果、鍼治療によってエンドルフィン類などの天然の痛み止めとして作用する様々な化学伝達物質(神経伝達物質)が脳内に放出されることが示されています。ただし、プラセボ鍼や偽鍼(鍼治療で用いられない箇所に鍼を挿入します)がエンドルフィン類の放出を引き起こすこともあります。

広範囲な研究が行われているにもかかわらず、鍼治療が病気や症状に対して有効であるという決定的な証拠はありません。適切なデザインに基づく研究において、真の鍼治療は、プラセボ鍼や偽鍼と同等かそれ以下の効果しかみられませんでした。プラセボの鍼治療では、不透明な覆いの中に先の丸い鍼またはようじを入れ、皮膚に押し付けるが挿入はしない)方法がとられています。

起こりうる副作用

副作用は施術が適切である限り一般的に軽度ですが、次のような点に注意する必要があります。

  • 症状が一時的に悪化することがあります。

  • ときには、鍼治療の後に誤って針が留置されることがあります。

  • 大半の施術者はディスポーザブルの針を使用するため、感染は極めてまれです。再使用できる針の場合は、適切に滅菌処理を行わなければなりません。

  • 針を用いる治療すべてに該当することですが、気を失いそうになる人や、横になる必要が生じる人もいます。

  • 重度の出血性疾患がある場合や、抗凝固薬の一種であるワルファリン(血栓をできにくくする薬)を内服している場合は、鍼治療によりあざや出血が起こることがあります。

  • ペースメーカーや植込み型除細動器を付けている場合は、電気鍼治療を受けてはいけません。

  • 鍼治療には、吐き気の軽減、逆子の修正、陣痛の調節など多くの妊娠中の利用案があります。しかし、鍼治療は子宮の収縮を刺激する場合があるため、施術は専門技術をもつ施術者によってのみ行われるべきです。

  • まれに、針を深部に差し込んで気胸や内部損傷が起こることがあります。

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