アーユルベーダは、4000年以上前に発祥したインドの伝統的な医療体系です。アーユルベーダは、体にある生命の力である「プラナ」のバランスが崩れて病気になるという理論に基づいています。この生命の力のバランスは、ドーシャと呼ばれる体の3つの要素(ヴァータ、ピッタ、カパ)の均衡により決まります。ほとんどの人は支配的ドーシャをもっており、具体的なバランスは人によって異なります。(統合、補完、代替医療の概要 統合、補完、代替医療の概要 統合健康・医療(IMH)および補完・代替医療(CAM)には、従来の西洋医学に歴史的に含まれていなかった様々な癒しのアプローチや治療法が含まれます。CAMの多くは、中国、インド、チベット、アフリカ、南北アメリカにみられるもののように、昔からその地域に伝わる治療システムに根ざしています。... さらに読む も参照のこと。)
施術者は以下のような方法で患者の評価を行います。
症状・行動・生活習慣についての問診
目・舌・皮膚を含めた全体的な外観の視診
脈診、尿や便の検査
ドーシャのバランスが確定すると、施術者は患者毎に個別の治療を組み立てます。アーユルベーダでは、食事療法、 ハーブ サプリメントの概要 米国人の約75%がサプリメント(栄養補助食品)を使用しています。サプリメントは 統合健康・医療(IMH)および補完・代替医療(CAM)の中に含まれる最も一般的なものであり、IMHおよびCAMには従来の主流の西洋医学に歴史的に含まれていなかった癒しのアプローチや治療法が含まれています。サプリメントには、薬用ハーブや機能性食品(健康上の便益が... さらに読む 、 マッサージ マッサージ療法 リハビリテーション療法士は、痛みと炎症を治療します。このような治療によって患者は体を動かしやすくなり、全面的に リハビリテーションに取り組めるようになります。実際には以下のような技法が用いられます。 温熱療法 寒冷療法 電気刺激 牽引 さらに読む 、 瞑想 瞑想 心身医学の手法の1つである瞑想では、集中力をコントロールしたり、各自の内的または外的経験の特定の側面に系統的に意識を集中させます。瞑想するときは、静かに座るか楽な姿勢をとり、多くの場合、目を閉じるか視線を落とします。場合によっては、集中力を高めるためにマントラと呼ばれる真言を繰り返し唱えることもあります。超越瞑想とマインドフルネス瞑想は科学的に研究されています。( 統合、補完、代替医療の概要も参照のこと。)... さらに読む 、ヨガ、体内浄化(治療的排泄)が用いられます。体内浄化では、通常、直腸に液体を注入して排便を促したり(浣腸)、鼻を水で洗浄(鼻洗浄)して体内のバランスや自然とのバランスを回復します。
医療上の利用
アーユルヴェーダは、アレルギー性鼻炎、 統合失調症 統合失調症 統合失調症は、現実とのつながりの喪失(精神病症状)、幻覚(通常は幻聴)、妄想(誤った強い思い込み)、異常な思考や行動、感情表現の減少、意欲の低下、精神機能(認知機能)の低下、日常生活(仕事、対人関係、身の回りの管理など)の問題を特徴とする精神障害です。 統合失調症については、その原因もメカニズムも分かっていません。 症状は様々で、奇異な行動、とりとめのない支離滅裂な発言、感情鈍麻、寡黙、集中力や記憶力の低下など、多岐にわたります。... さらに読む 、神経疾患、痛み、関節炎、糖尿病などで研究されています。全医療系に関する他の研究と同様に、質の高い研究を実施するのは困難です。
起こりうる副作用
重金属(主に鉛、水銀、ヒ素)に治療的作用があると考えられているため、アーユルベーダで用いる植物薬を組み合わせた一部の処方には重金属が含まれます。ところが、このような処方は、たとえ推奨用量の範囲内での使用であっても重金属中毒が起こる可能性があります。
さらなる情報
以下の英語の資料が役に立つかもしれません。こちらの情報源の内容について、MSDマニュアルでは責任を負いませんのでご了承ください。
米国国立補完統合衛生センター(NCCIH):アーユルベーダ医療(Ayurvedic Medicine)