魚油は、抽出してそのまま、あるいは濃縮して、カプセルに充填されます。有効成分はオメガ3脂肪酸(エイコサペンタエン酸[EPA]とドコサヘキサエン酸[DHA])です。
欧米の食事では一般的にオメガ3脂肪酸の摂取量が少なくなります。魚以外の食物に由来するオメガ3脂肪酸の供給源には、クルミと亜麻仁油があります。
( 薬用ハーブと機能性食品の概要 薬用ハーブと機能性食品の概要 薬用ハーブとは、植物の一部または全体を粉末にするか、抽出するか、あるいはその他の加工を施し、健康上の目的に使用するものを指します。機能性食品とは比較的新しく登場した一般的な言葉で、特定のハーブなどの天然物質の一群や、コレステロールを下げるマーガリンやオオバコを配合したサプリメント(栄養補助食品)など、法的に食品として扱われる製品が該当しま... さらに読む も参照のこと。)
効能
魚油は アテローム硬化性心血管疾患 動脈硬化 アテローム性動脈硬化とは、太い動脈や中型の動脈の壁の中に主に脂肪で構成されるまだら状の沈着物(アテロームあるいはアテローム性プラーク)が形成され、それにより血流が減少ないし遮断される病気です。 アテローム性動脈硬化は、動脈の壁が繰り返し損傷を受けることによって引き起こされます。... さらに読む の予防や治療を目的として摂取されます。魚油の脂肪酸は、冠動脈疾患で通常の薬を服用している患者の心臓発作や不整脈による死亡のリスクを減らすことを示す、強力な科学的根拠があります。また脂肪酸は中性脂肪(トリグリセリド)を減少させ、血圧をわずかに低下させます。魚油はシクロスポリンによる腎毒性の予防に有用である可能性があります。魚油のサプリメント(栄養補助食品)は関節リウマチの治療にも使用されます。しかし、効果を裏付ける科学的根拠はまだ得られていません。
オメガ3脂肪酸により脳の発育が促されるため、乳児の摂取が勧められます。母乳を与えている母親はオメガ3脂肪酸を十分に摂取しなければなりません。
起こりうる副作用
魚臭いげっぷ、にきびの悪化、吐き気、下痢が起こることがあります。魚油の過剰摂取により出血が生じやすくなることを示す研究も少数ありますが、関連性はないとする研究もあります。魚の中には水銀含有量が過剰なものもありますが、臨床検査で一貫して、魚油のサプリメントの水銀含有量の過剰が示されているわけではありません。しかし発表されている副作用に基づいて考えると、水銀汚染のリスクがあるため、妊娠中の女性や母乳を与えている女性は、魚から抽出したオメガ3脂肪酸のサプリメントを摂取すべきでなく、魚の種類によっては摂取量を制限すべきです。
薬との相互作用の可能性
魚油は予期するよりも血圧を下げる可能性があるため、降圧薬を服用している人は摂取すべきではありません。魚油はワルファリンの抗凝固作用を高めることがあるため、ワルファリンを服用している人は魚油を避けるべきです。