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義肢のオプション

執筆者:

James Baird

, CPO, Hanger Clinic

最終査読/改訂年月 2015年 10月
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義肢装具士は、義肢の設計、装着、組み立て、調整を行う専門家です。義肢装具士は使用者に、義肢にはどのようなオプションがあるのかについて説明し、使用者が考えている目的を達成するためにはどのタイプの義肢とどのオプションを選択すればよいのかについて、使用者の手助けを行います。例えば、様々なヒールの高さの靴を履きたいと希望する女性には、高さを調節できる義足がよいでしょうし、水泳をする人には、2本目の義足として水、塩、砂に対応できる水泳用の義足があるとよいでしょう。ランナーにはランニング用にデザインされた義足を用います。

義手

義手のオプションには以下のものがあります。

  • 精密把握(人差し指と親指を用いた把握[pincher grip])

  • 三脚把握(人差し指、中指、親指を用いた把握[palmar grip])

  • 側面把握(人差し指の側面と親指を用いた把握[key pinch])

  • フック

  • 球体把握

  • スポーツ用

  • 筋電式

精密把握と三脚把握用の義手

精密把握用の義手では、人差し指のパッドに向かい合うように親指があります。三脚把握用の義手は、人差し指と中指の内側(手のひら側)に向かい合うように親指がある構造です。精密把握の義手か三脚把握の義手を使用することで、小さな物体をひろったりつまんだりすることができるようになります。

側面把握用の義手

側面把握用の義手は、人差し指の側面に向かい合うように親指があり、小さな物体を操作できる(例えば、鍵穴の鍵を回す)仕組みになっています。

フック型の義手

フック型の義手を使えば、取っ手のある物体を運ぶことができます。また、指を屈曲させることもできます。筋電式のフックでは、機能的な握りを行う際に、より手元が見やすくなります。

球体把握用の義手

球体把握用の義手では親指と指先を屈曲させることができます。このタイプの義手を使えば、例えばドアノブや電球など、丸い物体をつかむことができます。

スポーツ用の義手

スポーツ用に製作された義手には、グリップ用の義手(例えば、ゴルフ、アーチェリー、ウェイトリフティングなどのスポーツ用)や、野球のボールをキャッチするためのメッシュポケットを備えた義手があります。

筋電義手

義手の動きや感覚を制御するための小型かつワイヤレスの電子機器に新たな発展がみられたことで、より自然な握りが可能となっています。

肘義手

肘の義手のオプションには以下のものがあります。

  • 体による制御

  • 摩擦制御式

  • 筋電式

肘義手:体による制御

体で制御を行うタイプの肘義手は、ケーブルとハーネスが付いており、肩と背中の動きで腕を動かします。このタイプの義手は軽量ですが、他のオプションと比較して魅力的な点が少なく、ときに煩わしく感じることもあります。

肘義手:摩擦制御式

摩擦制御式の肘義手は、反対側の手を使って上下させます。軽量です。

肘義手:筋電式

筋電式の肘義手では、ケーブルを必要とせず、機能も増えます。ただし、重くなる可能性があります。

義足

義足のオプションには以下のものがあります。

  • サッチ式(SACH:Solid ankle, cushioned heel[硬い足首とクッション性のかかとで構成される義足])

  • 単軸デザイン

  • 多軸デザイン

  • エネルギー蓄積(ダイナミックレスポンス)デザイン

  • スポーツ用

義足:サッチ式(Solid ankle, cushioned heel [SACH] )

このタイプの義足は、ゴムと木で作られており、動かすことができない簡単なものです。かかとの部分が柔らかく、足裏全体で接地できるため、かかとから地面に接地する際に膝が安定します。ただし、かかとを上げて、もう一方の脚を前方に振り出す際に安定性が減少するため、歩行が不均一になります。サッチ式の義足を使用する場合、他のタイプの義足に比べ、より多くのエネルギーが必要です。特定の制限された行動のみを行う人の使用に適しており、活動的な人ではよい選択肢とはいえません。

義足:単軸デザイン

単軸デザインの義足は足関節を備えており、足首を上に曲げたり(背屈)下に曲げたり(底屈)することができます。このデザインによって、かかとが接地してすぐに足裏全体を接地することができ、また膝を速やかに伸ばすことができます。この特徴によって膝の安定性がよくなります。これは特に膝上までの切断を行った人にとって重要なポイントです。単軸デザインの義足は活動的な人には適していません。

義足:多軸デザイン

多軸デザインの義足も足関節を備えていますが、多軸デザインの場合は、足首を上に曲げたり下に曲げたりできるほか、内側に曲げたり外側に曲げたりすることもできます。このデザインによって、でこぼこの地面でも歩きやすくなるため、活動的な人にも適しています。最新の軽量モデルではメンテナンスも少なくて済みます。生体の状態に似せて製作することができます。

義足:エネルギー蓄積(ダイナミックレスポンス)デザイン

この義足は、軽くて強度のあるカーボングラファイトでできています。かかとが地面に接触してから、つま先が押し出されるまでの間に足部がエネルギーを蓄積して、推進力を発生させながら前に進むため、あまり力が必要とされません。歩行時、地面との接触の衝撃を和らげるためにショックアブソーバーが用いられることもあります。滑らかに、かつ比較的自然に歩行できます。このタイプの義足は活動的な人に適しています。

スポーツ用義足

義足を特定のスポーツを行うためにカスタマイズすることができます。例えば、ランニング(長距離と短距離)用の義足は、足部が足裏に向かって下へ曲がり、推進力のために必要なエネルギーを蓄積できるようにデザインされています。水泳用の義足は、足首が水中であらゆる角度に曲がるようにデザインされています。

膝義足

膝の義足のオプションには以下のものがあります。

  • 単軸、定摩擦デザイン

  • 多元デザイン

  • 荷重活性化立脚制御式

  • マニュアルロック式

  • 液体制御システム

  • マイクロプロセッサー式

膝義足:単軸、定摩擦デザイン

単軸、定摩擦デザインの膝義足には、ヒンジのように曲がる軸が1つだけあります。単純なデザインで、耐久性が高く、軽量で、安価です。一定の摩擦を使って、前に振り出した脚を制御します。一定の速さでのみ普通に歩くことができます。義肢装具士による正確な装着と使用者による筋肉の制御が、安定性を左右します。

膝義足:多元デザイン

このタイプの膝義足には複数の軸とヒンジがあり、膝の動きに合わせてこれらが変化し、高い安定性が得られます。膝を曲げるときに若干短くなるため、脚を前に振り出すときにかかとが地面から楽に離れます。残存している脚が短い人に安定性を与え、膝関節の位置で脚を切断された人にも適し、膝が突き出ることなく快適に座ることができます。

膝義足:荷重活性化立脚制御式

荷重活性化立脚制御式の義足は、荷重が足にかかるときに、わずかに曲がった位置で(制動のため)膝がロックします。一定の摩擦を使用して前に振り出した脚を制御しますが、膝の伸展を補助して脚の振り出しをサポートする機構も備えています。このタイプの義足を使用していると、一定の速度でしか歩くことができません。筋力が弱い人に適しています。

膝義足:マニュアルロック式

マニュアルロック式の膝義足は、使用者が必要に応じてロックとロック解除を行うことができますが、そのためにケーブルが必要です。このタイプのものは安定性が最も高いですが、使用するためには他の膝義足に比べて多くのエネルギーが必要です。歩行時の動きがある程度制限され、硬くぎこちない歩き方になるため、最も選択されることが少ないタイプです。

膝義足:液体制御システム

液体制御システムを備えた膝義足は、圧縮空気(空気圧装置)や液体(油圧装置)を使用して、膝を曲げ伸ばしする際の力を発生、蓄積、放出します。歩く速さを変えることができ、ほとんどの人にとって最良の選択です。マイクロプロセッサーが搭載されていることもあります。

膝義足:マイクロプロセッサー式

マイクロプロセッサー式の膝義足は、動きを検出するセンサーを備えています。足部が接地しているときや、脚を前に振り出すときの制御が良好になります。つまずきを回避したり、階段や斜面を降りられるようにプログラムすることができます。義肢を使用するためのエネルギーが抑えられます。これを使用することで、歩き方がより自然になります。

義肢の種類

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