補完・代替医療は大きく5つの領域に分類することができます。
この分類名は代替医療の内容を部分的に表しているに過ぎません。これらの治療法は、現代科学の概念で理解できるものもありますが、理解不能なものもあります。多くのタイプが他の治療法と部分的に重なっています。
(統合、補完、代替医療の概要 統合、補完、代替医療の概要 統合健康・医療(IMH)および補完・代替医療(CAM)には、従来の西洋医学に歴史的に含まれていなかった様々な癒しのアプローチや治療法が含まれます。CAMの多くは、中国、インド、チベット、アフリカ、南北アメリカにみられるもののように、昔からその地域に伝わる治療システムに根ざしています。... さらに読む も参照のこと。)
全医療系
全医療系とは、定義された哲学と、病気、診断、療法の説明を含む包括的な医療システムを指します。具体的には以下のものがあります。
心身医学
心身療法は、精神的または感情的要因が健康に影響を与えるという理論に基づく治療法です。行動的、心理的、社会的、スピリチュアルな手法を使い、健康の維持と病気の予防や治療を行います。
心身療法の有益性を裏付ける科学的根拠が豊富であることから、今日では、こうしたアプローチの多くが主流とみなされています。例えば、慢性の痛み、冠動脈疾患、頭痛、不眠症、更年期症状の治療のほか、出産時の補助として、以下の技法が用いられています。
これらの技法は、がんそのものからくる症状やがん治療で起こる症状への対処、手術を受ける患者の心の準備などにも利用されます。
生物学に基づく療法
生物学に基づく療法では、自然由来の物質を用いて健康状態に影響を与えます。そのような実践としては以下のものがあります。
天然製品およびサプリメント
マニピュレーションや身体をベースにした実践
マニピュレーション療法や身体ベースの治療法では、体に手技を施すことを通じて様々な状態を治療します。このような療法には以下のものがあります。
オステオパシー・マニピュレーション
リフレクソロジー
これらの療法は、身体には自らを調節して治す力が備わっており、身体の各部位は相互依存の関係にあるという考え方に基づくものです。 鍼治療 鍼治療 中国伝統医学の1つである鍼(はり)治療は、欧米で最も広く受け入れられているCAM療法の1つです。痛みの専門医などの医師が鍼治療の技術を習得し、免許を取得することはありますが、認可を受けている鍼灸師が必ずしも医学部を卒業しているとは限りません。毎日、何百万人もの人が鍼治療を受けています。( 統合、補完、代替医療の概要も参照のこと。) 鍼治療では、皮膚と皮下組織に極細の鍼を刺し、体のツボに刺激を与えます。これら特定の部位を刺激することで、気... さらに読む もときにマニピュレーション療法の1つとみなされることがあります。
これらの療法の一部(カッピング、カッサ、灸療法)では病変が生じ、外傷や虐待の徴候と間違われることがあります。これらの療法は、体のエネルギーを刺激し、毒素を体外に排出できると考えられています。しかし、その有効性を測った質の高い研究はほとんどありません。
エネルギー療法
エネルギー療法は、体の内外に存在するとされるバイオフィールド(生体電場)というエネルギー領域に着目した治療法です。エネルギー療法には、健康と治癒に影響する電磁場と呼ばれる外部のエネルギー源の利用も含まれます。エネルギー療法は、普遍的な生命力が存在し、体の内側と外側には微弱なエネルギーが存在するという信念に基づいています(生気論)。こうした普遍的な生命力は本質的に測定が困難であり、その存在を裏付ける科学的根拠は限られています。
エネルギー療法には次のようなものが含まれます。
気功および太極拳― 中国伝統医学 中国伝統医学 数千年前に中国で発祥したこの中国伝統医学は、病気は体に備わった生命の力(気)のバランスが崩れた結果として生じるという理論を基盤にしています。「気」は相対する力である「陰(暗さ、女性性、負の力に関連)」と「陽(明るさ、男性性、正の力に関連)」のバランスを保つことで回復します。陰と陽は、体内では冷と温、内因と外因、欠乏と過剰として現れます。「気」をよい状態に保ち、健康を回復するために様々な方法が行われます。... さらに読む の構成要素であり、緩やかな姿勢、意識的な動き、呼吸を用いて患者のエネルギーのバランスを改善する
エネルギー療法の施術者は、体の上または近くに両手をかざし、自分自身のエネルギーを使って相手のエネルギー領域に影響を与えます。