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旅行の準備

執筆者:

Christopher Sanford

, MD, MPH, DTM&H, University of Washington

最終査読/改訂年月 2017年 5月
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本ページのリソース

健康な人にとっても、旅行の準備は重要です。旅行中の病気やけがの治療費に比べれば、出発前の適切な準備にかかる費用などはるかに安いものです。

旅行用キット

旅行用キットとは、応急手当用品、痛み止め(アセトアミノフェンや非ステロイド系抗炎症薬など)、鼻閉改善薬、制酸薬、抗菌薬、下痢止めのロペラミドなどで、軽いけがや体調不良の際に役立ちます。また、1%ヒドロコルチゾンクリーム、市販されている抗真菌性クリーム、抗菌薬の軟膏のような外用薬についても考慮するべきです。旅行用キット、処方薬、予備の眼鏡や他の矯正用レンズ(同様にいずれかの処方せん)、補聴器のバッテリーは、機内預け入れ荷物の紛失や盗難、到着の遅延に備えて機内持ち込み手荷物に入れるべきです。特別な食事のニーズや医療的ニーズがある人は慎重に計画し、自身の食物や医療用品を携帯すべきです。主要な問題は多くの場合、常識的な事前対策で防げます。

旅行保険

旅行先でも、健康保険は重要です。国内旅行であっても、一部の保険プランは旅行先での医療の適応範囲を制限しています。したがって、旅行者は保険契約の適用範囲を正しく知っておく必要があります。

外国旅行では、適用範囲はより頻繁に問題になります。入国するためにいくつかの予防接種の実施を求める国もありますが、米国の保険プランの中には外国旅行目的の予防接種や予防薬が支払い範囲に含まれないものもあります。米国の高齢者医療保険であるメディケアや他の商業的な健康保険プランの多くは外国では無効であり、国外でかかった治療費はカバーされません。加えて、治療前に前金または即金での全額支払いを求める病院もあります。

外国での高額出費や治療が受けられないという不幸な事態を回避するために、旅行者は外国旅行が保険でカバーされるのか、もしカバーされる場合はその範囲、治療を受ける場合に事前の許可が必要かどうか、どのように保険金を請求すればよいかなどを事前にチェックしておく必要があります。旅行保険は、緊急時の搬送を手配してくれるものも含めて、多くの代理店、トラベルサービス窓口や大手クレジットカード会社を通じて購入可能です。旅行者は、以下のようなサービスの費用をカバーする旅行保険を購入するとよいでしょう。

  • 救急治療(外国を旅行する人のうち約30人に1人が救急治療を必要とする)

  • 外国内での移送または帰国移送(医療スタッフ、医療器具や治療を伴う)

  • 口腔ケア

  • 出生前後のケア

  • 紛失や盗難に遭った処方薬

  • 医療通訳

非営利団体である、旅行者への医療支援のための国際協会(International Association for Medical Assistance to Travellers[IAMAT]—www.iamat.org)は、世界各都市の英語を話せる医師の一覧表を公開しています。世界各地の英語を話せる医師の住所氏名一覧表は、いくつかの機関やウェブサイトで入手できます。米国領事館は、緊急時に必要な医療サービスを旅行者が特定し、確実に受けられるよう手助けをします。

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外国旅行者に有用な連絡先

団体

電話番号

ウェブサイト

旅行者への医療支援のための国際協会(International Association for Medical Assistance to Travellers [IAMAT])

米国:(716) 754-4883(ニューヨーク州ナイアガラフォールズ)

カナダ:(519) 836-0102(オンタリオ州ゲルフ);(416) 652-0137(オンタリオ州トロント)

米国疾病予防管理センター(CDC)

米国:通話料無料(800)-CDC-INFO (800-232-4636)

テレタイプ:(888) 232-6348(ジョージア州アトランタ)

CDCマラリアホットライン

米国:(770) 488-7788または(855) 856-4713;営業時間外、(770) 488-7100(ジョージア州アトランタ)

CDCジカ妊娠ホットライン(CDC Zika Pregnancy Hotline)

米国:(770) 488-7100(ジョージア州アトランタ)

米国国務省海外市民サービス

米国およびカナダ:(888) 407-4747

米国およびカナダ以外:(202) 501-4444

(ワシントンDC)

世界保健機関(WHO)

国際電話:(+41 22) 791-2111(スイス・ジュネーブ)

南北米大陸:(202) 974-3000(ワシントンDC)

予防接種

大半の発展途上国への旅行者にとって予防接種は重要であり、入国に予防接種が必要な国もあります。旅行の6~8週間前にはかかりつけの医療機関を受診することが望ましいでしょう。国際予防接種証明書は予防接種の種類と接種日を文書で証明するものです。証明書は携帯しやすく、米国ではトラベルクリニックや連邦政府の印刷局で発行されます。

一般的な旅行情報と最新の予防接種情報は米国疾病予防管理センター(CDC)(旅行者の健康:予防接種[Travelers’ Health: Vaccinations])から入手でき、マラリア予防に関する推奨はCDCのマラリアホットライン(855-856-4713)およびウェブサイト(マラリアと旅行者[Malaria and Travelers])から入手できます。

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外国旅行のためのワクチン接種* ,†,‡

感染症

ワクチン接種が推奨される地域

備考

発展途上国全般

少なくとも6カ月の間隔をおいて2回接種します。初回接種で6~12カ月、2度目の接種で生涯にわたり予防効果が続きます。

発展途上国全般(B型肝炎は中国で特に多い)

6カ月間にわたり3回に分けて接種します。このワクチンは長期滞在者やすべての医療従事者に推奨されます。

熱帯地域では1年を通して、北半球では10月から4月、南半球では4月から9月

このワクチンは、生後6カ月以上のすべての人に推奨されます。

日本脳炎

アジアおよび南アジア全般の農村地域、特に田園地帯や養豚場のある地域

少なくとも28日の間隔を空けて2回接種します。

このワクチンは、妊婦には推奨されません。

農村地域に住む人や長期間(1カ月以上)滞在する人は、リスクが高くなります。

髄膜炎菌感染症

サハラ以南アフリカ北部のマリからエチオピアにかけて(髄膜炎ベルト)

世界中(特に密集した居住環境[学生寮など])

髄膜炎ベルトにおける感染リスクは乾季(12月~6月)に高まります。

ハジやウムラ巡礼中にサウジアラビアに入国する際にワクチン接種が求められます。

米国を含む世界各国

農村地域でキャンプする人、獣医、へき地に住む人、野外研究者など動物に咬まれるリスクのある人にワクチン接種が勧められます。

この予防接種をしていても、動物に咬まれた後には予防効果を高めるための追加接種が必要です。

妊娠中の接種は感染リスクが高い場合にのみ行われます。

発展途上国全般、特に南アジア(インドを含む)

2種類のワクチンがあります。

単回注射:2年間の予防効果があり、妊婦では錠剤より安全であると考えられています。

錠剤:2日毎に1錠、合計で4錠の接種が必要です。錠剤の予防効果は5年続きますが、妊婦への接種は安全ではありません。

南米およびアフリカの熱帯地域

まれな病気ですが、多くの国で入国時の予防接種の証明が求められています。§

妊婦への接種は安全ではありません。

高齢者では副作用のリスクが高くなります。§

* 予防接種の概要を参照。

旅行者は上記の予防接種に加え、麻疹(はしか)、ムンプス(流行性耳下腺炎)、風疹、破傷風、ジフテリア、ポリオ、肺炎球菌感染症、水痘(水ぼうそう)などの予防接種について、その時点で受けておくべきものがあれば受けておく必要があります。

すべての推奨は変更されることがあります。最新の推奨については、米国疾病予防管理センターにご相談ください(www.cdc.govまたは800-CDC-INFO [800-232-4636])。

§世界保健機関は10年毎の追加接種をもはや推奨していません。1回の接種で生涯にわたる十分な予防効果が得られるとされています。しかしながら、この推奨は全世界的にはまだ認知されていません。ワクチン接種を受けてから10年以上経過した旅行者(特に高齢者)が、10年以内のワクチン接種の証明が必要な国へ渡航する場合、黄熱予防接種を免除するように、主治医に「予防接種または予防薬の国際証明書(通称イエローカード)」の免除項目に記入してもらうことを検討できます(黄熱ウイルスにさらされるリスクが高い場合を除く)。ただし、国境でその免除が認められないという理論上のリスクはあります。

持病のある人の旅行の準備

持病のある人が旅行する際は、病状に応じた準備が必要です。旅行前に必ず主治医の診察を受け、容態が安定していることをチェックし、薬の変更が必要かどうかを検討します。以下のような情報を詳しく書いた、医療情報の文書を用意しておけば、緊急時に非常に役立ちます。

  • 予防接種

  • 主要な診断検査の結果

  • 治療を受けた日やその種類

旅行者はこのような医療情報の書類作成を医師に依頼することを検討すべきです。緊急的で生命を脅かすような症状や錯乱、意識不明を引き起こしうる病気(糖尿病、けいれん、重いアレルギー反応など)がある人は、医療情報を刻印したブレスレットやネックレスを必ず身に着けるようにします。また、医療保険書類も同様に携帯する必要があります。心臓病の持病がある旅行者は、最近とった心電図のコピーを携帯する必要があります。

緊急時に正確な薬剤名や摂取方法の指示を再確認できるように、薬はもとの容器に保管しておくべきです。薬の製品名は国によって違うため、薬の一般名の方が製品名よりも役に立ちます。

空港で預けたスーツケースの紛失や盗難、乗り継ぎによる荷物の遅れ、帰りの便の遅れなどに備えて、機内持ち込み手荷物にも薬の予備を入れておきましょう。オピオイド薬や注射器、大量の薬は警備員や通関職員に疑われることがあるため、これらが医療上必要であると説明する医師の証明書を必ず携行します。注射器は、その注射器で使用する薬と一緒に保管していなければなりません。また、こうした医療用品を携帯して、支障なく旅行するためにほかに準備すべき文書があるかどうか、空港、航空会社、訪問国の大使館などに照会するとよいでしょう。米国運輸保安局(Transportation Security Administration:TSA)の規制も参照してください。

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