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CT(コンピュータ断層撮影)検査

執筆者:

Hakan Ilaslan

, MD, Cleveland Clinic Lerner College of Medicine at Case Western Reserve University

最終査読/改訂年月 2015年 8月
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CT検査では、X線源とX線検出器が患者の周りを回転します。最近の装置では、X線検出器は4~64列あるいはそれ以上配置されていて、それらが体を通過したX線を記録します。検出器によって記録されたデータは、患者の全周の様々な角度から撮影された一連のX線画像であり、直接見ることはできませんが、検出器からコンピュータに送信され、コンピュータが体の2次元の断面のような画像(スライス画像)に変換します。(CTとはcomputed tomographyの略ですが、tomoはギリシア語で断面を意味します。)また記録した画像から3次元画像を作成することもできます。

CTはかつてCAT(コンピュータ体軸断層撮影)と呼ばれていました。

CT検査の手順

CT検査では、患者は可動式の台に横たわり、この台がドーナツ形の装置の中を通過していきます。その間に、この装置が患者の体の周りを回転します。装置の種類によって、可動式の台が少しずつ移動しては停止し、その度に断面像(スライス画像)が撮影されるようになっているものもあれば、台が動きながら撮影が続けられるものもあります。検出器は、まっすぐ移動していく患者の周囲を円を描くように動くため、一連の画像はらせん状に回転しながら撮影されたように見えます。そのためヘリカル(スパイラル)CTという呼び方をすることもあります。

撮影する部位にボタン、スナップボタン、ジッパー、その他の金属製品の付いていない衣服を身につけ、アクセサリーはすべて外してください。これらのものを身につけていても危険はありませんが、X線を遮断するため画像がゆがむおそれがあります。また、画像がぶれるのを防ぐため、撮影中は動かないようにして、一定間隔で息を止めます。検査の最中、ウィーンという音が聞こえるかもしれません。

検査部位と装置の型式の新旧によりますが、検査はたいてい数秒から数分で終わります。胸部CT検査は1分もかからず、息を止めるのも1回きりで、ほんの数秒だけです。

CT検査でも放射線不透過性造影剤を使用することがあります。造影剤は、X線画像に写る物質で、特定の組織と周辺領域を見分けるのに役立ちます。静脈に注射したり、口から飲み込んだり、肛門から入れたりします。使用する造影剤の種類は、検査の種類と調べる体の部位によって異なります。

通常、CT検査は外来検査として行われ、終わり次第、普段の生活に戻ることができます。

体内の画像:CT検査

CT検査では、患者が横になった可動式の台が装置の中を移動し、撮影装置がその周りを回転しながらX線を発生して記録します。装置の一方にX線を発するX線管があり、反対側にX線検出器があります。

体内の画像:CT検査

CT検査の用途

CT検査では極めて精密な画像が得られ、組織の密度や異常のある位置について単純X線検査以上に詳しく分かるため、体内の構造と異常を正確に突き止めることができます。また、筋肉、脂肪、結合組織など様々な種類の組織を区別できます。このようにCT検査では、単純X線検査では見えない特定の組織の詳細な画像が手に入るとともに、脳、頭部、頸部、胸部、腹部の大部分の構造の撮影に関して単純X線検査より有用です。

さらに、体のほぼすべての領域の病気を検出し、その情報を得ることもできます。例えば医師は、この検査で腫瘍を検出し、その大きさを計測して位置を正確に突き止めるとともに、近傍の組織への浸潤の程度を判定できます。また、脳膿瘍に対する抗菌薬、腫瘍に対する放射線療法といった治療の有効性をモニタリングする上でも有用です。

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CT検査で検出できる主な病気

器官系

病気

脳と脊髄

先天異常

脳内出血

脳膿瘍

脳腫瘍

水頭症

椎間板破裂または椎間板ヘルニア

脊椎骨折

脳卒中(虚血性)

消化管

虫垂炎

腸閉塞

憩室炎

膵炎

腫瘍

眼内異物

眼球内と眼窩周囲の感染症

眼窩または視神経の腫瘍

心臓と血管

大動脈瘤

大動脈解離

腎臓と尿路

腎臓内または腎周囲の出血

腎結石または尿路結石

腎臓内または腎周囲の腫瘍

肝臓

脂肪肝(肝臓に過剰な脂肪が蓄積している状態)

肝腫瘍

気管支拡張症(気道の拡大)

肺気腫

肺腫瘍

肺炎

肺塞栓症

筋肉と骨

骨折ほか、骨と軟部組織の異常

様々なCT検査

CT血管造影

この検査では、CTと放射線不透過性造影剤を使用することで、心臓を養う動脈(冠動脈)を含む血管の2次元ないし3次元画像が得られます。従来の血管造影では動脈に造影剤を注射しますが、CT血管造影では静脈(通常は腕の静脈)に注射します。速やかに撮影を開始して、評価したい血管の中を造影剤が通過する時間に合わせて撮影を行います。コンピュータを用いて、画像から血管以外のすべての組織をデジタル処理により除去します。

CT血管造影は以下のものを調べるために行われます。

  • 動脈の狭窄または閉塞(血栓など)

  • 太い動脈にできたこぶ(動脈瘤)と裂け(解離)

  • 腫瘍に血液を供給する異常血管

CT血管造影は、従来の血管造影より安全で体にかかる負担も少ないため、よく用いられています(従来の血管造影のように動脈にカテーテルを挿入する検査は、静脈にカテーテルを挿入する検査と比べてわずかにリスクが高まります)。CT血管造影検査は、MRアンギオグラフィー検査と同等の正確性で血管の異常を描出できますが、従来の血管造影検査と比べると、わずかに正確性が劣ります。

CT血管造影の検査は、通常1~2分で済みます。

その他のCT検査

CTは以下の画像を撮影する目的で行うこともできます。

  • 胃または小腸(CT小腸造影

  • 大腸(バーチャルコロノグラフィーまたはCTコロノグラフィー

  • 腎臓、尿管、膀胱(CT尿路造影)

  • 肺の動脈(CT肺血管造影)

CT検査の短所

腹部CT検査で一般的に採用される放射線量は、2方向の胸部X線検査1回分の約60~80倍になります。CT検査は今や、一般の人々における人工放射線への被曝の最大の原因となっていて、診療過程で生じる放射線被曝の約70%をこの検査が占めています。したがって、医師と患者はCT検査を行う度に、この検査のリスクと便益を慎重に検討するべきです( 画像検査の概要 : 医療画像検査における放射線のリスク)。特に妊娠している可能性のある女性に対してはほかに検査の選択肢がない場合を除いてCT検査を避けるのが普通です。小児の場合もできるだけCT検査は制限すべきです。

新しいCT技術を用いると、従来の方法と比べて照射する放射線量を大幅に下げることができます(米国食品医薬品局[FDA]のウェブサイト—CTによる放射線のリスクも参照)。

CT血管造影で使用される放射線不透過性造影剤は、ヨウ素を含んでいることから、ヨード造影剤と呼ばれます。この種の造影剤を注射した後には、少数の人で軽度から重度のアレルギー反応や腎障害が発生することがあります。この種の造影剤に対してアレルギー反応を起こしたことがある人は、CT血管造影を受ける前にそのことを主治医に伝えておく必要があります。

国によっては、また米国でも一部の地域では、すぐにCT検査を受けられないことがあります。

知っていますか?

  • 医療による放射線被曝の大部分はCT検査によるものです。

  • CT検査で使用される造影剤に対してアレルギー反応を起こしたことがある人は、CT検査を受ける前にそのことを主治医に伝えておくべきです。

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