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タンパク同化ステロイド

執筆者:

Gerald F. O’Malley

, DO, Grand Strand Regional Medical Center;


Rika O’Malley

, MD, Albert Einstein Medical Center

最終査読/改訂年月 2017年 8月
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  • タンパク同化ステロイドは、筋肉の成長を促し、筋力と活力を増強するホルモンです。

  • タンパク同化ステロイドには多くの副作用もあり、精神的なもの(気分変動、攻撃的行動、易刺激性)や、身体的なもの(にきび、女性の男性化、男性の乳房腫大)が含まれます。

  • これらの物質は6カ月後まで尿中で検出できます。

  • 治療は使用をやめることです。

薬物使用と薬物乱用も参照のこと。)

タンパク同化ステロイドは、ホルモンである テストステロンと、それに関連する薬を含みます。タンパク同化ステロイドには、筋肉の成長の促進や筋力と活力の増強など、多くの身体的な作用があります。したがってこれらの薬は、スポーツで競争力を上げるためにしばしば違法に使用されます。この薬物を使用する人の多くがフットボール、レスリング、重量挙げなどの運動選手で、大半が男性です。

タンパク同化ステロイドは、医療では、通常 テストステロン低値(性腺機能低下症)の治療に使用されますが、場合によっては寝たきりの人や重度の熱傷を負った人、がん患者、エイズ患者に対して、筋肉の衰えを防ぐために使用されます。

薬の投与は、服用、筋肉内注射、または皮膚へのゲルの塗布やパッチ剤の貼付などで行われます。

運動選手は、一定期間ステロイドを使用した後に中断し、また再開するという過程を1年に数回繰り返すことがあります。これをサイクリングといいます。運動選手はまた、しばしば多くのステロイドを同時に(スタッキングと呼ばれる行為)、また様々な経路(経口、注射、パッチ剤)で使用します。サイクル毎に用量を増やすこともあります(ピラミッド法と呼ばれます)。ピラミッド法の結果、極めて高用量になります。サイクリング、スタッキング、ピラミッド法には望ましい作用を高めて有害な作用を最小限とする意図がありますが、そのような恩恵を裏付ける証拠はほとんどありません。

タンパク同化ステロイドは、病気の治療に使用される用量で問題を起こすことはほとんどありません。しかし、運動選手はその10~50倍もの用量を摂取する場合があります。

症状

タンパク同化ステロイドには身体的な作用と精神的な作用があります。使用量が増えれば、それだけ作用が強くなります。

身体作用

タンパク同化ステロイドの主な身体作用は以下のものです。

  • 筋肉量の増加

その他の身体作用には、以下のものが含まれます。

  • 男性では、女性化乳房(乳房の腫大)や、精巣の縮小と精子数の減少

  • 女性では、禿頭、過剰な体毛(男性型多毛症)、陰核の肥大、声の低音化、乳房の縮小、腟粘膜が薄くなる(萎縮)などの男性化

男性の女性化乳房と女性の男性化は元に戻らない場合があります。

男女ともに、にきびが増えます。性欲が増加またはまれに減退します。攻撃性と食欲が増加することがあります。若年の青年では、ステロイドは腕や脚の骨の発達を妨げます。

長期間の使用により、赤血球の産生が過剰になり、血中の脂肪(脂質)量が異常になります。いわゆる悪玉である低比重リポタンパク(LDL)コレステロールが増加し、善玉である高比重リポタンパク(HDL)コレステロールが減少します。高血圧、脳卒中、心臓発作、血栓など、重度の心血管系の合併症がタンパク同化ステロイドの使用に伴って報告されています。

精神作用

ステロイドにはいくつかの精神作用があります(通常は高用量のときのみ)。

  • 激しく不安定な気分変動

  • 非理性的な行動

  • 攻撃性の増大(ステロイド激高、「ロイド」レージ)

  • 易怒性

  • 男性(ときに女性)での性欲(リビドー)の増加

  • 抑うつ

診断

  • 尿検査

タンパク同化ステロイドの分解産物を確認するには尿検査を行います。このような分解産物は使用中止から6カ月後まで検出できます。

予防

青年および若年成人には中学校からステロイド摂取のリスクについて教えるべきです。また、筋肉量を増やし筋力を高める健康的な代替法を教えるプログラムも役立ちます。このようなプログラムでは、十分な栄養とウェイトトレーニング技術を強調しています。

治療

  • ステロイド使用の中止

主な治療は使用を中止することです。身体依存は起こりませんが、特に競争の激しいボディビルダーに精神依存が起こることがあります。女性化乳房(男性の乳房組織の腫大)は手術による切除が必要になる場合もあります。

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