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肘の骨折

執筆者:

Danielle Campagne

, MD, University of San Francisco - Fresno

最終査読/改訂年月 2017年 12月
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肘関節骨折は、上腕の骨(上腕骨)の肘付近に起こる場合(上腕骨遠位部骨折)や、前腕の大きいほうの骨(橈骨[とうこつ])の上部に起こる場合(橈骨頭骨折)があります。

上腕骨遠位部骨折

(上腕骨顆上骨折)

上腕骨遠位部骨折は、肘関節に含まれる上腕の骨(上腕骨)の下側で起こります。

  • 上腕骨遠位部骨折は通常、転倒した際に伸ばした腕をつくか、直接的な力が加わって発生します。

  • 上腕骨遠位部の骨折によって、腕の動脈が損傷したり、関節内に出血したり、肘を通る神経が損傷したりすることがあり、手と指がしびれたり動かしにくくなったりします。

  • 身体診察とX線検査の結果に基づいて診断を行います。

  • 治療としては、整形外科医に相談し、副子での固定(骨が正常な位置からずれていない場合)や手術(折れた破片が分離したりずれている場合)を行います。

上腕骨遠位部骨折は、3~11歳の小児に多くみられます。通常は、転倒した際に伸ばした腕をつくか、直接的な力が加わって発生します。

この骨折は関節に及び、関節内で出血を引き起こすことがあります。

上腕の主な動脈(上腕動脈)に損傷が生じることがあり、特に折れた骨片が分離(転位)して位置がずれたときによく起こります。この動脈が傷つくと、コンパートメント症候群が起きることがあります。その結果、肘や手首が永続的に硬くなる(拘縮する)ことがあります。

ときに肘関節を通る神経(橈骨神経や正中神経)に損傷が起きることがあります。橈骨神経が損傷を受けると、手首から先を上げることができなくなります。正中神経(圧迫されると手根管症候群が生じる神経)が損傷を受けると、親指と小指を寄せてものをつまむ動作が困難になります。

症状と徴候

肘に痛みと腫れが生じます。肘を曲げる能力が制限されることがあります。

前腕下部にあざができることがあります。あざがあれば、血管の損傷が疑われます。

前腕と手がしびれることがあり、手や指を正常な場合のように動かせないことがあります。これらの症状があれば、神経の損傷が疑われます。

診断

  • 医師による評価

  • X線検査

自身や子どもが肘を骨折した可能性がある場合は、すぐに医師の診察を受けてください。

知っていますか?

  • 肘関節を骨折した疑いのある人は、直ちに医師の診察を受ける必要があります。

医師は患者に何が起きたのか、また、どんな症状が出ているかを尋ねます。さらに肘も診察します( 骨折の概要 : 診断)。

様々な角度から肘関節のX線検査を行って、骨折の有無を判定します。

上腕骨遠位部骨折が疑われるもののX線検査では示されない場合、医師は肘を副子で固定して、通常は7~10日後に追加のX線検査を受けに再度受診するよう指示します。

骨折が疑われる場合、医師は腕の血管と神経に対する損傷の有無も調べます。例えば、手首の脈をとり、手への血流が正常かどうかを判断します。神経の損傷がないか確認するために、患者に指と手を動かしてみるように言い、指でものに触れる感覚があるかどうかを尋ねます。

治療

  • 整形外科医の診察

  • 通常は骨折した骨を正しい位置に戻す手術

  • まれに、副子の使用のみ

この骨折は神経や血管にも影響を及ぼすことが多く、長期的な問題を引き起こしかねないため、通常は整形外科医の診察を受けます。

骨がずれていない場合は、副子を使用して折れた骨を固定することができます。医師が血管や神経に損傷が生じているかどうか判定できるように、ほとんどの患者は入院することになります。しかし、患者が翌日に再度受診することに同意すれば、帰宅が許可されることもあります。

通常は、折れた骨片同士が分離しているか位置がずれている、またはその両方に該当する場合に、手術(観血的整復内固定術[ORIF])を行い、折れた骨片の位置を戻して固定します。折れた骨片の位置を整える(整復する)ときに周辺の神経や血管を傷つける可能性があるため、手術は通常、専門医が行います。

前腕上部の骨折

(橈骨頭骨折)

前腕上部の骨折は、肘関節の一部を構成する前腕の大きいほうの骨(橈骨)の上端(頭部)で発生することがあります。

  • 前腕上部(橈骨頭)の骨折は、転倒した際に腕を伸ばしたままつくことで発生します。

  • 肘に腫れと痛みが生じます。

  • 様々な角度からX線検査を行いますが、この骨折は発見することが困難な場合が多いため、診断は身体診察の結果に大きく依存します。

  • この骨折では、ほとんどの場合につり包帯による治療が可能ですが、手術が必要なこともあります。

  • 関節可動域訓練ができるだけ早く開始されます。

通常、橈骨頭骨折は、転倒した際に伸ばした腕をつくことで起こります。活動的な成人に多くみられます。小児より成人に多くみられます。

前腕の骨の下端に起きた骨折は、手首の骨折(手関節骨折)とみなされます。

症状

肘関節を動かすと痛みが生じ、肘の片側を触ると圧痛があります。

血液が漏れて肘関節に入ると、腫れが生じます。患者はしばしば、腕を完全に伸ばすことができません。

診断

  • 医師による評価

  • X線検査

医師は患者に何が起きたのか、また、どんな症状が出ているかを尋ねます。さらに肘も診察します( 骨折の概要 : 診断)。

橈骨頭骨折かどうかを調べるために、様々な角度からX線検査を行います。しかしながら、この骨折は発見することが困難な場合があるため、診断は身体診察の結果に大きく依存します。しかし、骨折がある場合は、X線検査により、肘関節内に貯留した体液が見つかることがよくあります。

さらに医師は、肘関節をそっと動かしてみて、靱帯に損傷があるかどうかを判断します。

治療

  • 通常はつり包帯

  • 関節可動域訓練

  • 重度の骨折には、手術

橈骨頭骨折では、ほとんどの場合につり包帯による治療が可能でます( 関節固定に用いられる一般的な技術)。骨折が重度であれば、手術を行います。

患者が肘を動かせるようになったら(多くは数日後)、すぐに肘関節を可動域いっぱいに動かす運動を始めます。この運動は、永続的なこわばりの予防に役立ちます。

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