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頭蓋骨骨折

執筆者:

James E. Wilberger

, MD, Drexel University College of Medicine;


Gordon Mao

, MD, Johns Hopkins School of Medicine

最終査読/改訂年月 2017年 11月
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頭蓋骨骨折とは、脳を取り囲む骨が折れることです。

  • 頭蓋骨骨折では、脳の損傷が起こる場合と起こらない場合があります。

  • 痛みや脳損傷の症状が出ます。場合によっては、鼻や耳から液体が漏出したり、耳の後ろや眼の周囲にあざが出たりすることもあります。

  • 頭蓋骨骨折の診断にはCT検査が用いられます。

  • 頭蓋骨骨折の多くは治療の必要がありません。

頭蓋骨骨折は、皮膚を貫通する損傷(開放性損傷と呼ばれます)または皮膚を貫通しない損傷(閉鎖性損傷と呼ばれます)に起因します。

頭蓋骨骨折が起こると、頭蓋骨骨折のない頭部外傷よりも脳に与えるダメージは大きくなります。頭蓋骨骨折の重症度は、骨折 脱臼の概要 脱臼とは、関節を形成している骨が完全に離れた状態です。亜脱臼では、関節の骨の位置が部分的にずれます。多くの場合、脱臼した関節は医師によって元の位置へ戻される(整復される)まで脱臼したままですが、自然に元に戻ることもあります。 関節に起こる損傷は、ほとんどが外傷や酷使によるものです。... さらに読む の種類と部位に左右されるところがあります。多くの場合、頭蓋骨が折れても元の位置にとどまっていれば、脳は損傷を受けません。

一部の骨折、特に頭蓋骨の後部や底部の骨折により、脳を覆っている髄膜が破れることがあります。頭蓋底は非常に厚いため、これが折れていれば、強い衝撃が加わった可能性があり、脳損傷の可能性が高いことを意味します。

折れた骨が皮膚を貫通している場合、そこから細菌が頭蓋内へ侵入して感染症を起こし、脳に重大な損傷を与えることがあります。

場合によっては、折れた頭蓋骨の断片が脳を圧迫して傷つけることもあります。このような骨折を陥没骨折といいます。頭蓋骨の陥没骨折では、脳が外気に露出して異物に触れることで、脳内に感染症が生じたり、膿瘍(内部に膿がたまった空洞)ができたりすることがあります。

乳児の頭蓋骨骨折

乳児に頭蓋骨骨折が生じると、脳を覆う髄膜が骨折部位から突出して袋状になって、その中に髄液がたまることがあり、これを進行性頭蓋骨骨折または軟膜嚢胞(leptomeningeal cyst)といいます。この袋は3~6週間かけて生じますが、この袋が頭蓋骨が骨折した最初の証拠になることもあります。

症状

次のような症状がみられるときは、頭蓋底の骨折が疑われます。

  • 脳の表面を覆う髄膜の間を流れている透明の髄液が、鼻(鼻漏)や耳(耳漏)から漏れ出してくる。

  • 鼓膜の奥に血がたまる。鼓膜が破れていれば耳から血が出る。

  • 耳たぶの後ろ(バトル徴候)や眼の回り(パンダの目徴候[raccoon eyes])にあざ(皮下出血)が生じる。

血液が副鼻腔にたまっていれば、副鼻腔も骨折している可能性があります。

骨折により脳を損傷した場合、以下のような症状がみられることがあります。

  • 持続または悪化する眠気と錯乱

  • けいれん発作

  • 繰り返す嘔吐

  • 重度の頭痛

  • 腕もしくは脚が動かない、または感覚がない

  • 人または周囲の状況の認識が困難である

  • 平衡感覚の消失

  • 発話または視力の問題

  • 協調運動の消失

診断

  • CT検査

医師は、頭部外傷が起こった状況、症状、身体診察の結果に基づいて頭蓋骨骨折を疑います。

頭蓋骨骨折を確認するため、医師はCT検査を使用します。頭蓋骨骨折の診断には、MRI検査よりもCT検査の方が適しています。しかし、脳損傷の確認には通常、CTまたはMRI検査が行われます。

頭部外傷の診断に頭蓋骨のX線検査はほとんど役に立ちません。

知っていますか?

  • 頭部外傷の診断に頭蓋骨のX線検査はほとんど役に立ちません。

治療

  • ほとんどの骨折に対し、入院による観察

  • ときに異物を除去したり、頭蓋骨の破片を元に戻したりする手術

頭蓋骨が骨折していても脳に損傷がなければ、ほとんどの場合、入院による経過観察を行います。けいれん発作が起こると、抗てんかん薬の投与が必要になります。頭蓋底の骨折や頭蓋骨陥没骨折を除き、ほとんどの頭蓋骨骨折では特別な治療は必要ありません。

頭蓋底骨折

頭蓋骨の底部に骨折があれば、入院します。髄液の漏出が止まるまでは安静にし、頭を高くしておく必要があります。鼻の近くにある副鼻腔も損傷していることが多いため、鼻をかむのは避けるべきです。副鼻腔が損傷している場合、鼻をかむと、鼻の空気が顔面や頭部の別の部位に広がることがあります。

髄膜の裂傷は、ほとんどの場合、発生から48時間以内、あるいは長くとも1週間以内に自然にふさがります。

髄液の漏出が持続する場合は、腰に細い注射針を挿入し、髄液を抜き取ることがあります。こうした処置を行っても漏出が続く場合は、手術によって漏れている部分をふさぎます。

頭蓋骨陥没骨折

頭蓋骨陥没骨折は、脳を外部にさらす可能性があるため、感染のリスクを高めます。そのため、医師は外から入り込んだ異物や壊死組織を取り除き、損傷した部位にできる限りの修復を施して、感染症や膿瘍形成を防ぎます。医師は頭蓋骨の断片は元の位置に戻し、傷口を縫い合わせます。

小児の頭蓋骨骨折

頭蓋骨骨折を起こし、以下に該当する小児は入院する必要があります。

  • 症状が脳損傷を示唆する場合

  • 短時間でも意識を失った場合

  • 症状やCT検査の結果から、頭蓋底部の骨折が疑われる場合

  • 乳児が骨折した場合

  • 小児虐待が疑われる場合

軟膜嚢胞は自然に治ることがあるため、特に治療せず、経過観察のみを行います。脳の圧迫や感染症などの問題が起こったり、こうした問題が発生するリスクが生じたりした場合には、医師は嚢胞にカテーテルを挿入し、外科的に液を排出します。その後、嚢胞を形成した髄膜を修復します。

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