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神経遮断薬による悪性症候群

執筆者:

David Tanen

, MD, David Geffen School of Medicine at UCLA

最終査読/改訂年月 2017年 11月
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神経遮断薬による悪性症候群とは、ある種の抗精神病薬(神経遮断薬)または制吐薬(嘔吐を予防する薬)を使用した場合に起こる、錯乱または無反応状態、筋肉の硬直、高体温やその他の症状をいいます。

  • 神経遮断薬による悪性症候群は、特定の種類の薬を投与された、ごく少数の人にしか起こりません。

  • 危険なほどの高体温、筋肉の硬直、興奮などの症状が現れます。

  • 診断は症状と身体診察での所見に基づいて下されます。

  • 治療には、薬を中止すること、体温を下げること、集中治療室で支持療法を行うことが含まれます。

熱中症の概要も参照のこと。)

神経遮断薬による悪性症候群は、抗精神病薬または制吐薬( 悪性症候群を引き起こす可能性がある薬剤)による治療を受けた人のごく少数に、通常は治療開始から数週間以内に起こります。この症候群を発症するリスクは0.02~3%と幅があり、多くの要因によって異なります。興奮しているために、抗精神病薬の投与量を急激に増やしたり、最初から大量の投与を受けたりした男性患者に多くみられます。なぜこの症候群が起きるのかは、まだ分かっていません。

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悪性症候群を引き起こす可能性がある薬剤

クラス

クロルプロマジン

フルフェナジン

ハロペリドール

ロキサピン(loxapine

メソリダジン

モリンドン

ペルフェナジン

ピモジド

チオリダジン(訳注:日本では販売中止)

チオチキセン

トリフロペラジン

アリピプラゾール

クロザピン

オランザピン

パリペリドン

クエチアピン

リスペリドン

ジプラシドン

制吐薬(嘔吐を予防する薬)

ドンペリドン

ドロペリドール

メトクロプラミド

プロクロルペラジン

プロメタジン

症状

以下のような症状が、通常数日間にわたって現れます。

  • 錯乱、興奮、または昏睡

  • 筋肉の硬直

  • 高熱、多くの場合40℃を超える

  • 心拍数の上昇

  • 速い呼吸

  • 高血圧または不安定な血圧

損傷を受けた筋肉はミオグロビンというタンパク質を放出しますが、これが尿に排泄され、尿が茶色になります。この状態(ミオグロビン尿)から急性腎障害腎不全に至る場合もあります。迅速に治療しても、約10~20%の患者が死亡します。

診断

  • 神経遮断薬による悪性症候群を引き起こすことが知られている薬を服用している人に現れる典型的な症状

神経遮断薬による悪性症候群を引き起こすことが知られている薬を服用している人に、特徴的な症状や身体所見(特に重度の筋硬直)がみられる場合、医師はこの病気を疑います。診断を確定するための検査はありません。しかし、他の病気(例えば、髄膜炎敗血症)でも同様の症状が現れることがあるため、医師はしばしばこうした病気の検査を行います。また、血液検査や尿検査を行って、筋肉のタンパク質の分解や腎障害がないか調べます。

治療

  • 薬の使用の中止

  • 発熱の管理

  • 集中的な支持療法

この症候群の患者は、通常は集中治療室で治療を受けます。薬の使用を中止し、発熱を管理します(皮膚を濡らして[霧を吹きかけて]風を送って冷やすか、または特殊な冷却毛布をかけるなど)。興奮が激しい場合、鎮静薬を静脈内投与します。深刻な病気であるため、有益である可能性があるもののそれが証明されていない他の治療法がしばしば用いられます。これには、ダントロレン(筋弛緩薬、発熱と筋肉の損傷を軽減するため)、ブロモクリプチン(神経機能を改善するため)などがあります。

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