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熱射病

執筆者:

David Tanen

, MD, David Geffen School of Medicine at UCLA

最終査読/改訂年月 2017年 11月
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概要

熱射病は、体温が異常に上がり、多くの器官系に機能障害が起こる、生命を脅かす状態です。

  • 何時間も運動した若い運動選手や、暑い季節に冷房のない屋内で何日も過ごした高齢者などに起こることがあります。

  • 体温は40℃を超え、脳の機能障害が起こります。

  • 直ちに体を冷やす必要があります。

  • 体温が通常40℃を超える。

  • 脳機能障害の症状が現れる

熱射病は、極度の高温環境で体を動かしている人や、閉め切った暑い場所で過ごしている人などで、かなり急速に起こります。例えば、健康な若い運動選手や兵士が、特に高温多湿の環境に順化していない場合に、そのような環境で数時間激しい運動をした後などに起こります。高温環境で作業をする人、特に消防士や鋳物工場の労働者など、厚い防護服を着用しなければならない人にも、同様のリスクがあります。運動選手において、熱射病は一般的な死因です。

また、暑い季節に、換気が悪く冷房のない屋内に、何日もじっとしている高齢者などにも起こります。高齢者、ある種の病気(心臓や肺、腎臓、肝臓の機能障害を伴う病気など)がある人や幼児が、特に熱射病にかかりやすい人です。小児を暑い車内に残したままにすると、急速に熱射病にかかる可能性があります。

熱射病は、非常に暑いときに体から熱を速やかに放散できないために起こります。体がうまく体温を下げられないために、体温が急激に上昇し続け、危険なレベルにまで達します。特定の皮膚の病気がある場合や、発汗を抑える作用のある薬を使用している場合など、熱の放散を妨げる状態にあるとリスクが高まります。

熱射病は心臓、肺、腎臓、肝臓、脳などの重要臓器に一時的な損傷、あるいは永続的な損傷を与えます。体温が高くなるほど、特に41℃を超えると、より急速に障害が進みます。死に至ることもあります。

症状

めまい、ふらつき、脱力感、動きのぎこちなさと協調運動の障害、疲労、頭痛、かすみ目、筋肉痛、吐き気と嘔吐など、熱疲労と同様の症状があれば注意を要します。熱射病にかかっている人は体温の著しい上昇を感じません。

熱射病では皮膚は熱く赤くなり、乾燥することもあります。暑くても汗が出ないこともあります。

脳の機能障害が起こるため、錯乱や見当識障害のほか、けいれん発作が生じたり、昏睡状態に陥ったりすることもあります。心拍数や呼吸数は上昇し、脈拍は速くなります。血圧の上昇や低下もみられます。

体温は40℃を超え、普通の体温計では測れないほどの高熱になることもあります。

診断

予後(経過の見通し)

熱射病による死亡のリスクは、以下の要因によります。

  • 成人の場合、どれぐらい年齢が高いか

  • 小児の場合、どれぐらい年齢が低いか

  • 医学的な疾患(心臓や肺、腎臓、肝臓の病気など)の重さはどの程度か

  • どこまで体温が上昇したか

  • 極度の高熱がどれぐらい長く持続したか

迅速に治療しなければ、約80%の人が死亡します。生存者の約20%で、脳の損傷が完全に回復せずに、人格変化、運動障害、協調運動の障害が残ることがあります。人によっては腎臓が完全に回復しないことがあります。

回復後も、体温の異常変動が何週間も持続することがあります。

治療

  • 冷水に浸すことによる冷却

  • 蒸発冷却

  • ときに冷却輸液

直ちに体を冷やし、救急車を呼ぶべきです。病院への搬送を待つ間、湖や河川、水の入った浴槽など、冷水に体を浸します。冷水に体を浸すことができない場合は、体に水の霧を吹きかけて、扇風機で風をあてます(蒸発冷却)。霧吹きには、冷水よりもぬるま湯を用いる方がよいでしょう。そうすれば、ふるえによる熱産生を防ぐことができます。

アスピリンやアセトアミノフェンなど、感染症による発熱を治療する薬は効果がないため、避けるべきです。

知っていますか?

  • 高温多湿の環境にいる人に錯乱や脳機能障害の症状が現れた場合、直ちに救急車を呼び、冷却を始めます。

病院では衣服を脱がせ、体を水に浸したり、氷で覆って急速に体温を下げます。蒸発と冷却を速めるために、扇風機で風をあてる場合もあります。こまめに体温を測り、多くの場合は、計測し続けます。静脈から冷たい輸液を投与することもあります。冷やしすぎを避けるため、体温が約39℃まで下がったところで冷やすのをやめます。

けいれん発作や昏睡、脳以外の臓器の機能障害があれば、その治療も必要です。熱射病では、病院の集中治療室での治療が最善です。

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