(熱中症の概要 熱中症の概要 恒温動物である人間の体温は、外気温の変動にかかわらず、口腔温では37℃前後、直腸温では38℃前後に保たれています。体が正常に機能するためには、この体温を保つ必要があります。体温が上昇しすぎたり、逆に下がりすぎると、臓器に深刻な損傷が生じたり、死に至ることがあります。 体は熱を産生したり放散したりして、体温を調整します。... さらに読む も参照のこと。)
熱けいれんは軽度の熱中症で、暑い中で活動する健康な人に起こる傾向があります。
汗をかいている間は、体の塩分(電解質 電解質のバランス )と水分が失われます。しかし水分を大量に摂取すると、塩分が薄まり、けいれんが起こります。大量発汗は、暑い日、特に激しい運動中や運動後にみられます。熱けいれんは以下の場合に多くみられます。
エンジン室作業員、製鉄所の作業員、屋根職人、鉱山労働者などの肉体労働者
運動選手、特に登山家やスキーヤーのように衣類を幾重にも重ねて着ているために大量発汗に気づきにくい場合や、テニス選手やランナーのように、発汗で失われた塩分を長い時間補給できない場合
軍隊の訓練生
熱けいれんは手、ふくらはぎ、足、ふともも、腕などの筋肉に生じる強い収縮です。筋肉は、収縮すると硬くなって緊張し、痛みが生じます。痛みの程度は、軽度の痛みから激しい痛みまで、様々です。発熱は通常起こりません。
軽症の熱けいれんは、涼しい環境で休むことや、塩分を含んだ飲みものや食べものを摂取することで治ります。通常は、スポーツドリンクや、小さじ2杯程度の塩を溶かした水を1~2リットル程度飲むだけで治まります。重症の場合は、静脈から水分と塩分を補給して治療します。多くの場合、収縮した筋肉のストレッチを行うと、痛みはすぐに和らぎます。