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植物による中毒

執筆者:

Gerald F. O’Malley

, DO, Grand Strand Regional Medical Center;


Rika O’Malley

, MD, Albert Einstein Medical Center

最終査読/改訂年月 2016年 11月
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栽培されている植物にも有毒なものがいくつかあります。一般に、大量に摂取した場合(例えば、葉などがペースト状に濃縮された場合や茶として煎じられた場合)か、植物の毒性が非常に強い場合でなければ中毒を起こす可能性は高くありません。毒性が強く、死に至らしめる可能性のある植物には、トウゴマの実、トウアズキの実、ドクニンジン、ドクゼリのほか、ジギタリス配糖体を含むキョウチクトウやキツネノテブクロなどがあります。植物による中毒で、特定の解毒剤で治せるものはほとんどありません。

ほかにもそれほど重篤ではない毒性作用をもつ植物が多数あります( 中程度の毒性がある植物)。

中毒の概要も参照のこと。)

トウゴマとトウアズキの実

トウゴマの実には、猛毒であるリシンが含まれています。リシンは暗殺目的や集団殺傷兵器として使用されたことがあります。トウゴマの種子は非常に堅い殻に覆われているため、噛まないと毒は出てきません。

トウアズキの実には、リシンに関連があり、さらに強い毒であるアブリンが含まれています。トウアズキの実を飲み込むと死に至ることがあります。小児の場合、実を1粒噛むだけで死亡することがあります。

トウゴマの実やトウアズキの実による中毒では、後になって重度の嘔吐や下痢(しばしば血性下痢)が生じることがあります。その後、せん妄やけいれん発作が起こります。昏睡に陥り、死に至ることもあります。医師は、毒が吸収される前に実を胃腸から流し出すよう努めることがあります。

ドクニンジン

ドクニンジン中毒では、15分以内に症状が出ることがあります。口腔乾燥、後に心拍数の増加、振戦(ふるえ)、発汗、けいれん発作、筋力低下が起こります。ドクゼリは、嘔吐、下痢、せん妄、けいれん発作、昏睡を引き起こすことがあります。

キョウチクトウ、キツネノテブクロ、スズラン

キョウチクトウ、キツネノテブクロ、また似ているものの毒性の弱いスズランは、嘔吐や下痢、錯乱、不整脈、血液中のカリウム濃度の上昇を引き起こすことがあります。これらの植物には、心臓病の薬であるジゴキシンに非常に似た物質が含まれています。これらの植物による中毒の患者を、ジゴキシンの過剰摂取の治療に使用する薬で治療することもあります。

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中程度の毒性がある植物

植物名

症状

治療

アロエとその類縁植物

胃腸炎、腎炎、皮膚刺激

植物を飲み込んだ場合は支持療法*、皮膚に刺激が生じた場合は、石けんと水で洗い流す(洗浄)

アンズ、セイヨウミザクラ、モモの核、リンゴなどの種(サクラ属 Prunusおよびリンゴ属 Malus)、通常は大量の種を噛んで飲み込んだ場合のみ

酸素欠乏の症状、例えば吐き気、めまい、集中力の低下、頭痛、嘔吐、眠気、協調運動障害など(一酸化炭素中毒の症状と同様)

重篤な中毒の場合、ヒドロキソコバラミンを静脈から投与し、シアン化物解毒剤キットを使用する(硝酸アミルの吸入、亜硝酸ナトリウムやチオ硫酸ナトリウムの静脈内投与など)

ウマノスズクサ属

腎臓に瘢痕組織が形成される

支持療法*

ツツジ

コリン作動性の症状

支持療法*とアトロピン投与

カラジウムとその類縁植物

葉に含まれるシュウ酸カルシウムの結晶による口内の刺激

支持療法*と刺激物を溶かすための牛乳やアイスクリームの摂取

トウガラシとその類縁植物

皮膚と粘膜の刺激

支持療法*、刺激物質を水で洗い流すための患部の洗浄

コルヒチン(コルチカム、イヌサフラン、キツネユリ)

後から生じる胃腸炎と多くの器官系の機能障害(不全)

骨髄の血球や血小板を作る能力を阻害し、可能性として貧血、感染症、出血が生じることがある

支持療法*

ベラドンナ

抗コリン症状、高体温、けいれん発作、幻覚

支持療法*

非常に高い体温やけいれん発作に対して、フィゾスチグミンを投与することがある

ダムケイン(ディフェンバキア)

葉に含まれるシュウ酸カルシウムの結晶による口内の損傷

支持療法*と結晶を溶かすための牛乳やアイスクリームの摂取

ソラマメ

赤血球を保護するG6PDという酵素が欠乏している人で、胃腸炎、発熱、頭痛、溶血性貧血

支持療法*

重度の貧血と中毒には、徐々に血液を抜き同量の新鮮なドナー血液の輸血を行うこと(交換輸血)が考慮される

緑色のジャガイモとジャガイモの芽

胃腸炎、幻覚、せん妄

支持療法*

セイヨウヒイラギの実

胃腸炎

支持療法*

シロバナヨウシュチョウセンアサガオ

抗コリン症状、高体温、けいれん発作、幻覚

支持療法*

非常に高い体温やけいれん発作に対して、フィゾスチグミンを投与することがある

甘草(生の植物)

低カリウム血症、高血圧、体液の貯留による腫れ(浮腫)

支持療法*

スズラン

高カリウム血症、心拍リズムの異常(不整脈)

支持療法*とジギタリスに対する抗体投与

ヤドリギ

胃腸炎

支持療法*

トリカブト

心拍数の低下、不整脈、しびれ、チクチク感、筋力低下

支持療法*

ときに、炭酸水素ナトリウムの静脈内投与

イラクサ

皮膚のチクチク感と灼熱感

支持療法*

ナス科植物(アメリカイヌホオズキ、ズルカマラ)

胃腸炎、幻覚、せん妄

支持療法*

ベラドンナ

抗コリン症状、高体温、けいれん発作、幻覚

支持療法*

非常に高い体温やけいれん発作に対して、フィゾスチグミンを投与することがある

ペニーロイヤル

肝臓の損傷(重度の場合、黄疸や錯乱が生じ、出血しやすくなる)

アセチルシステイン

フィロデンドロンとその類縁植物

葉に含まれるシュウ酸カルシウムの結晶による口内の損傷

支持療法*と結晶を溶かすための牛乳やアイスクリームの摂取

ポインセチア

口、鼻腔、腟、尿道の粘膜に触れた場合、軽度の刺激

不要

ツタウルシ

皮膚の炎症(皮膚炎)または粘膜の炎症

刺激物であると分かっているものを避ける;具体的な症状の治療

ヨウシュヤマゴボウ

胃腸炎

口、鼻腔、腟、尿道の粘膜に触れた場合に刺激

支持療法*

ポトス

葉に含まれるシュウ酸カルシウムの結晶による口内の損傷

支持療法*と結晶を溶かすための牛乳やアイスクリームの摂取

イチイ

胃腸炎

まれに、けいれん発作、不整脈、昏睡

支持療法*

*支持療法では、輸液や解熱薬の投与といった体の機能を維持する治療、血圧低下がみられる場合に血圧を上げる薬の投与、人工呼吸器の使用などを行います。

コリン作動性の症状には、心拍数の低下、心臓の収縮力の低下、危険なレベルの低血圧、気道の収縮による呼吸困難、紅潮、腹部のけいれん痛、下痢、尿量や唾液量の増加、涙目、発汗の増加、強い痛みを伴う筋肉のけいれんなどがあります。

抗コリン症状には、錯乱、かすみ目、便秘、口腔乾燥、ふらつき、尿の出にくさ、排尿途中での途切れ、尿失禁などがあります。

G6PD = グルコース-6-リン酸脱水素酵素。

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