(スポーツ外傷の概要 スポーツ外傷の概要 スポーツ外傷は、運動選手やスポーツに参加する人によくみられます。従来からスポーツ外傷として捉えられがちな外傷の中には、スポーツをしていない人にも起こるものがあります。例えば、主婦や工場労働者は、テニスをしていなくてもしばしば テニス肘になることがあります。 スポーツへの参加には外傷のリスクがつきものです。適切なウォーミングアップ(激しい運... さらに読む も参照のこと。)
肩関節は球状の部分が受け皿に収まった形の球関節で、内外への回転はもちろん、前方、後方、横方向に腕を動かすことができます(肩の解剖図 肩関節の解剖学的構造 を参照)。肩は不安定になりやすい部位です。肩の関節は、ティーの上に置かれたゴルフボールに例えられます。つまり、球状部分(上腕骨頭)のサイズに比べ、受け皿(関節窩)が非常に浅くて小さいのです。安定性を高めるため、関節窩の縁には弾力性のある関節唇が付いていて、受け皿の深さを増しています。関節唇は、投げる動作を行うスポーツなどの運動競技中や、転倒して腕を伸ばした状態でついたときに断裂することがあります。
肩関節唇が断裂すると、野球の投球などの動作時に肩の深部に痛みを感じます。この不快感に伴い、痛みのあるポキッ、ゴキッといった感覚や、肩に引っかかる感覚が生じることがあります。
診断にはMRI(磁気共鳴画像)検査が必要な場合があります。
通常、理学療法が最初の治療です。症状が改善しなければ、手術による修復が必要になります。

1.うつ伏せになり、患側の腕をベッドの端から降ろし、母指の先を床に向ける。
2.肘を伸ばしたまま、肩甲骨を下方と後方に寄せながら、腕を体幹の高さまで上げる。
3.元の位置に戻す。
4.以上の動作10回を1セットとし、3セット行う。
5.余裕があれば、重量を少し追加する。
Courtesy of Tomah Memorial Hospital, Department of Physical Therapy, Tomah, WI; Elizabeth C.K.Bender, MSPT, ATC, CSCS; and Whitney Gnewikow, DPT, ATC.

1.健側を下にして横たわり、患側の腕と体で枕を挟む。
2.患側の肘を90度に曲げる。
3.肩甲骨を脊椎側に寄せて、降ろす。
4.前腕を肩関節から外旋させて、手背を天井に向ける。
5.ゆっくり元の位置に戻し、同じ動きを繰り返す。
6.10回を1セットとし、3セットを1日1回行う。
7.余裕があれば、重量を少し追加する。
Courtesy of Tomah Memorial Hospital, Department of Physical Therapy, Tomah, WI; Elizabeth C.K.Bender, MSPT, ATC, CSCS; and Whitney Gnewikow, DPT, ATC.

1.うつ伏せになり、患側の腕をベッドの端から降ろし、母指の先を床に向ける。
2.肩甲骨を脊椎側に寄せて、降ろす。
3.腕を肩の高さまで持ち上げる。
4.腕を床に向けて降ろし、同じ動作を繰り返す。
5.10回を1セットとし、3セットを1日1回行う。
6.特記事項
a.腕を持ち上げる際に、肩甲骨を動かさないようにする。
b.常に母指が天井の方に向かうようにする。
Courtesy of Tomah Memorial Hospital, Department of Physical Therapy, Tomah, WI; Elizabeth C.K.Bender, MSPT, ATC, CSCS; and Whitney Gnewikow, DPT, ATC.

1.うつ伏せになり、患側の腕をベッドの端から出して、母指が体に向いている状態で肘を90度に曲げる。
2.肩甲骨を脊椎側に寄せて、降ろす。
3.前腕を上方に回す。
4.元の位置に戻し、同じ動きを繰り返す。
5.10回を1セットとし、3セットを1日1回行う。
6.特記事項
a.前腕を持ち上げる際に、肩甲骨を動かさないようにする。
Courtesy of Tomah Memorial Hospital, Department of Physical Therapy, Tomah, WI; Elizabeth C.K.Bender, MSPT, ATC, CSCS; and Whitney Gnewikow, DPT, ATC.

1.体側に沿って肘関節をまっすぐに、母指を上に保つ。
2.腕を前方に約30度動かす。
3.そのまま、痛みのない範囲で腕を上げ、保持する。
4.元の位置に戻す。
5.10回を1セットとし、3セットを1日1回行う。
6.余裕があれば、重量を少し追加する。
Courtesy of Tomah Memorial Hospital, Department of Physical Therapy, Tomah, WI; Elizabeth C.K.Bender, MSPT, ATC, CSCS; and Whitney Gnewikow, DPT, ATC.

1.安定した物体に腰の高さで伸縮性のあるバンドの一方の端を取り付ける。
2.患側の肘と体幹の間に枕や巻いたタオルを挟む。
3.患側の手でバンドをつかみ、肘を90度に曲げて母指を上に向ける。
4.腕を外旋し、ゆっくりと元の位置に戻す。
5.10回を1セットとし、3セットを1日1回行う。
6.特記事項
a.最初はバンドの抵抗を最小限にする。
b.腕を体の側方に保持し、肘を90度に保つ。
Courtesy of Tomah Memorial Hospital, Department of Physical Therapy, Tomah, WI; Elizabeth C.K.Bender, MSPT, ATC, CSCS; and Whitney Gnewikow, DPT, ATC.

1.安定した物体に腰の高さで伸縮性のあるバンドの一方の端を取り付ける。
2.患側の肘と体幹の間に枕や巻いたタオルを挟む。
3.患側の手でバンドをつかみ、肘を90度に曲げて母指を上に向ける。
4.腕を内旋し(手を内側へと引き寄せ)、ゆっくりと元の位置に戻す。
5.10回を1セットとし、3セットを1日1回行う。
6.特記事項
a.最初はバンドの抵抗を最小限にする。
b.腕を体の側方に保持し、肘を90度に保つ。
Courtesy of Tomah Memorial Hospital, Department of Physical Therapy, Tomah, WI; Elizabeth C.K.Bender, MSPT, ATC, CSCS; and Whitney Gnewikow, DPT, ATC.

1.患側の手で重りを持つ。
2.股関節と膝関節を少し曲げ、対側の手をテーブルやベッドに置いて上体を支える。
3.肘を90度に曲げて、肩甲骨を引いて(寄せて)肘を肩の高さに上げる。
4.元の位置に戻す。
5.10回を1セットとし、3セットを1日1回行う。
6.特記事項
a.最初は1~2ポンド(0.5~1kg)の重り(スープ缶程度)から始める。
Courtesy of Tomah Memorial Hospital, Department of Physical Therapy, Tomah, WI; Elizabeth C.K.Bender, MSPT, ATC, CSCS; and Whitney Gnewikow, DPT, ATC.