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膝のねんざおよび関連する損傷

(前十字靱帯断裂、半月板損傷、内側側副靱帯断裂、後十字靱帯断裂)

執筆者:

Danielle Campagne

, MD, University of San Francisco - Fresno

最終査読/改訂年月 2017年 11月
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膝のねんざは、太ももの骨(大腿骨)とすねの骨(脛骨)をつないでいる靱帯に裂傷が生じた状態です。膝の内側で衝撃を吸収する軟骨の板(半月板)が負傷することもあります。

  • 膝のねんざは、多くの場合、足が地面についているときに膝を曲げたりひねったりすることで起こります。

  • 通常は膝に痛みと腫れが生じます。

  • 通常、身体診察の結果に基づいて診断されます。

  • 多くの場合、治療法は安静にして膝を動かさないようにするだけで十分ですが、重度のけがにはときに手術での修復が必要です。

複数の靱帯によって、膝は所定の位置に保持されています。

  • 側副靱帯:この靱帯は膝の両側にあり、膝が左右に動きすぎないように防いでいます。内側側副靱帯は脚の内側にあり、外側側副靱帯は脚の外側にあります。

  • 十字靱帯:この靱帯は、膝が前後に動きすぎないように防いでいます。前十字靱帯(ACL)が前、後十字靱帯(PCL)が後ろになってX型に交差しています。

太ももの骨(大腿骨)とすねの骨(脛骨)の間に、軟骨の板(半月板)が入っています。半月板は膝関節を安定させるとともに、クッションとしての役割を果たしています。

膝をまとめる仕組み

膝の両側に1つずつ延びている以下の2つの靱帯が、膝が左右に動きすぎないように防いでいます。

  • 脚の内側にある内側側副靱帯

  • 脚の外側にある外側側副靱帯

また、以下の膝関節内の2つの靱帯(十字靱帯)が、膝が前後に動きすぎないように防いでいます。

  • 前十字靱帯(ACL)

  • 後十字靱帯(PCL)

ACLが前、PCLが後ろにきて、X型に交差しています。

半月板は膝関節の一部を形成し、太ももの骨(大腿骨)と膝より下の部分にある大きいほうの骨(脛骨)の間でクッションの役割を果たします。

膝をまとめる仕組み

膝のなかでよく損傷する構造は、次のものです。

  • 内側側副靱帯

  • 前十字靱帯

どの構造が損傷するかは、以下のように膝に加わる力の向きによって異なります。

  • 内側側副靱帯と前十字靱帯:アメリカンフットボールのタックルを受けたときのように、片足にしっかり体重をかけて立っている人の膝に横から衝撃が加わると、これらの靱帯のどちらか、または両方が断裂することがあります。膝をひねった状態であれば、このけががさらに起こりやすくなります。

  • 外側側副靱帯と前十字靱帯:これらの靱帯は、体の外側に向かう力が膝にかかると損傷することがあります。このタイプのけがは、脚が内側から押されたときに発生します。

  • 前十字靱帯と後十字靱帯:これらの靱帯は、膝が無理に伸ばされたときに損傷します。

  • 半月板:片方の足に体重をかけている人が、その足の側の膝をひねってけがをしたときに、半月板を損傷することがあります。

症状

けがをしたときに膝からバチッというようなはじける音が本人に聞こえる、または感じられることがあります。この音は、多くの場合に靱帯(特に前十字靱帯)の断裂を示します。

膝の痛み、腫れ、こわばりのほか、ときにあざがみられます。どの構造が損傷するかによって、痛む部位が異なります。かくっと膝折れしそうな不安定さを感じることがあります。筋肉のけいれん(膝の周囲にある筋肉の意図しない収縮)が起こることがあります。症状が現れる時期と重症度は、損傷の程度によって異なります。

  • 軽度:最初の数時間にかけて腫れが生じますが、24時間以上は続きません。痛みは通常、軽度か中等度です。

  • 中等度:痛みが中等度か重度で、特に患者が膝を動かしたり曲げたりすると強くなります。

  • 重度:痛みは重度の場合も中等度や軽度の場合もあり、患者によっては補助なしで歩けないこともあります。

ときに、損傷した半月板によって膝が曲がらなくなります(ロッキング)。

膝がねんざしたときの衝撃で、同時に骨折が生じたり、膝の腱が損傷したりすること(膝の伸展機構のけが)もあります。

診断

  • 医師による評価

  • 骨折の有無を調べるX線検査

  • ときにMRI検査

医師は、患者に典型的な症状(腫れなど)があり、ねんざが起きそうなけがを負っている場合に、膝のねんざを疑います。

負荷試験

医師は特定の方法で脚を動かして、膝の靱帯の断裂がないか確認します(負荷試験)。負荷試験を含む入念な診察によって、通常は膝の損傷を特定することができます。

しかし、通常は最初に患者の評価を行う時には膝の痛みが大きく試験を行えないため、負荷試験は延期されます。また、強い腫れや筋肉のけいれんがあると膝の評価が困難になることがあります。負荷試験は数日後の症状が和らいだ時に行うことができます。

画像検査

膝の痛みや腫れが強い場合、通常は負荷試験の前にX線検査を行い、骨折がないか調べます。

以下のような特定の所見がみられる場合には、骨折している可能性が高まります。

  • 膝関節の特定の領域に強い痛みを感じる。

  • 患者が膝を曲げられない。

  • 痛くて足首に体重をかけられない。

  • 年齢が55歳以上である。

通常、最初にMRI検査が行われることはありません。以下の場合に行われることがあります。

  • 重度の損傷が疑われる。

  • 保護、安静、氷冷、圧迫、挙上(PRICE)を数週間行っても症状が消えない。

治療

  • ときに排液

  • 保護、安静、氷冷、圧迫、挙上

  • 副子または膝関節固定具、および松葉杖

  • ときに手術

大量の体液が膝に貯留している場合は、医師はその液体を排出して痛みと筋肉のけいれんを和らげることができます。

ほとんどの軽度または中等度の損傷は、初期に保護(Protection)、安静(Rest)、氷冷(Ice)、圧迫(Compression)、挙上(Elevation)の処置(PRICE)によって治療することができ、副子や膝を支える器具(膝関節固定具)を使用して膝が曲がらないよう固定することなどが行われます。

ねんざが重度の場合は、6週間以上にわたって膝関節固定具を装着する必要があります。靱帯や半月板の重度の外傷には、整形外科医が手術して修復しなければならないものがあります。手術による修復は通常、小さな切開部から細い柔軟な管状の機器を挿入して行われます(関節鏡手術)。

けがが軽度または中等度の患者には、通常は膝を強化する運動が勧められます。重度のけがを負った患者の場合は、手術が終わってから強化運動を開始します。

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