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自宅での高齢者ケア

執筆者:

Debra Bakerjian

, PhD, APRN, University of California Davis

レビュー/改訂 2022年 10月
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本ページのリソース

フレイルであるか体力がない場合、特に病院またはリハビリテーション施設から出てきた後は、高齢者には自宅でのケアが必要になることがあります。簡単なケアは通常、家族、友人、またはその両者が担います。より複雑なケアを行うには、医療従事者(正看護師、療法士など)やその他の人(ホームヘルパー、ソーシャルワーカーなど)に自宅に来てもらわなければならないことがあります。このようなケアは通常、在宅ケア組織が手配し、医師が監督します。ケアが必要とされる期間は、短い場合もあれば、長い場合もあります。メディケアは自宅から出られないとみなされた人にサービスを提供します。自宅から出られない人とは一般に、受診時または緊急時にしか自宅を離れられない人を意味します。

看護師に包帯交換または薬の注射をしてもらわなければならないことがあります。

筋力とバランスを取り戻すため、または脳卒中から回復するために、理学療法士の援助が必要な場合もあります。

買い物、食事の準備、車いすでの外出、散歩、または入浴には、ホームヘルパーの援助が必要になることがあります。

ソーシャルワーカーは、高齢者が必要なサービスを受けているかどうかを判断し、状況に応じてサービスの追加を助言することもできます。ソーシャルワーカーは医療機関受診時の車の手配も助けます。

在宅ケアでは、関与するすべての人の間でのコミュニケーションが重要です。高齢者の状態が変化を示した場合は、看護師または医師に速やかに連絡すべきです。

ときに、かかりつけ医が医療従事者チームの調整役を務めて、自宅で生活する慢性疾患または障害のある患者に、共同でよりよいケアを提供することもあります。このような取り組みは、「患者中心の在宅ケア」と呼ばれます。状況によっては、チームの別のメンバーのケアマネージャーがケアの調整に責任を負うことがあります。

在宅ケアは、介護施設への入所を23%減少させ、ホームヘルパーと看護師の訪問が適切に計画されれば、安価です。

経済的問題

創傷ケアや、心不全または糖尿病といった病気のモニタリングなど、専門的看護に分類される在宅ケアサービスはメディケア(米国の高齢者医療保険)によりカバーされます。 しかし、給付額と適用対象期間は限定的です。専門的ケアが不要になった場合、通常はその後の看護に対する費用を支払う必要があります。長期ケア保険またはメディケイド(米国の低所得者向け医療扶助制度)が、有資格者に対して、在宅ケアサービスをカバーする場合もあります。退役軍人も、その必要性と障害の程度によっては、在宅ケアサービスを受ける資格があります。

保険でカバーされる在宅ケアの場合は、在宅ケアが必要であることを医師が証明しなければなりません。メディケアの場合は、高齢者がメディケアの在宅ケア要件に適合することを医師が証明しなければなりません。

PACE

PACE(Programs for All-Inclusive Care for the Elderly:高齢者包括ケアプログラム)はメディケアやメディケイドの財源で提供されるサービスです。PACEは、55歳以上で介護施設でのケアを必要とし、州の基準を満たしている人が利用できます(米国の一部地域のみ)。PACEプログラムで提供されるサービスにより、ほぼすべての受益者が家庭で生活できますが、必要であれば介護施設でのケアも提供されます。

PACEには、医師、看護師、理学療法士と作業療法士、ソーシャルワーカー、栄養士、運転手などで構成される集学的チームが参加します。サービスは一般に、デイケア施設で提供され、毎日利用できます。このプログラムでは、施設への送迎も提供されます。一部のサービスは自宅でも受けられます。

参加州および利用可能なプランの一覧については、PACEプランの検索(PACE plan search)を参照してください。

在宅ケアのその他のモデル

ここ数年で、在宅医療を受ける方法として、いくつかの新しい医療モデルが開発されています。目標は、高齢者が病院や介護施設に入所せず、自宅や地域社会にとどまることができるよう、より質の高いケアと管理を提供することです。全体として、このようなモデルには、従来の在宅医療サービスが含まれ、加えて他のサービスも含められるように拡充されています。これらの一部は、実証プロジェクトとして米国各地で試験的に実施されています。

自宅での自立の実証(Independence at Home Demonstration:IAH)モデルは、メディケア・メディケイドサービスセンター(Center for Medicare and Medicaid Services:CMS)が主導しています。このモデルでは、自宅から容易に外出できないフレイルな高齢者が、医師や他の医療従事者(ナースプラクティショナーや医師助手など)から自宅でケアを受けます。このモデルの目標は、高齢者が入院することなく、自宅で過ごせるようにすることです。このケアモデルの適用対象となる人は、自宅から外出できず、かつ2つ以上の慢性的な病気を抱えている高齢者です。

生活の場での治療(Hospital at Home:HAH)モデルは、医療機関が患者の自宅で病院と同等のケアを提供することを可能にします。対象者の大半は重病の高齢者です。このモデルの目標は、入院日数の短縮、病院コストの削減、患者満足度の向上、治療成績の改善です。ほとんどの場合、これらの人々は一般的に安定していますが、医師、ナースプラクティショナー、または医師助手による毎日の訪問や病状の毎日のチェックなど、病院レベルの専門的ケアを長期間必要とします。

米国では、CMSが開発した緊急トリアージ、治療、搬送(Emergency Triage, Treat, and Transport:ET3)モデルにより、救急隊は患者がどこで治療を受けるべきかをより柔軟に決定できるようになりました。米国の救急隊は、患者を救急医療機関に搬送する代わりに、しばしばナースプラクティショナーや医師助手と相談した上で、患者を緊急医療センターや診療所へ搬送するか、ナースプラクティショナーや医師助手の指示に従って患者の自宅で治療を開始することができます。ナースプラクティショナーや医師助手は、救急車に搭乗している場合もあれば、遠隔医療でアクセスが可能な状態にいる場合もあります。

さらなる情報

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