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家族性地中海熱

執筆者:

Apostolos Kontzias

, MD, Stony Brook University School of Medicine

最終査読/改訂年月 2017年 6月
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家族性地中海熱は、腹痛、まれに胸痛や関節痛、発疹などを伴って高い熱が出るといった特徴がみられる遺伝性疾患です。

家族性地中海熱は、地中海地域出身の人(スペイン・ポルトガル系ユダヤ人、北アフリカのアラブ人、アルメニア人、ギリシャ人、イタリア人、トルコ人など)に最も多くみられます。ただし、他の地域の人(例えば、アシュケナージ系ユダヤ人や日本人)にもこの疾患がみられることがあります。家族性地中海熱にかかっている人の最大50%で、家族(通常は兄弟姉妹)に同じ疾患にかかっている人がいます(家族歴)。

症状

家族性地中海熱の症状は一般に5歳から15歳の間に現れます。

最もよくみられる症状は以下の通りです。

  • 腹痛および発熱

約95%の患者に腹痛の発作がみられます。発作は不定期に現れ、40℃もの高い熱を伴います。通常は痛みを伴う発作が24~72時間続きますが、ときにはより長く続く場合もあります。発作が1週間に2回も現れることもあれば、1年に1回くらいしか現れないこともあります。発作の程度と頻度は加齢とともに低下し、妊娠中やアミロイドーシスを発症した人でも低下します。また、長年にわたって発作がまったく現れないこともありますが、後に再発します。

比較的まれな症状には以下のものがあります。

アミロイドーシスによって腎臓が障害を受けると、体液が貯留し、脱力感や食欲減退が現れることがあります。

女性患者の約3分の1が不妊症になったり、流産したりします。 妊娠の約20~30%は胎児死亡に至ります。この病気により、骨盤内に瘢痕組織ができることがあります。この瘢痕組織により妊娠が妨げられることもあります。

診断

  • 医師による評価

  • 遺伝子検査

医師は一般に典型的な症状を基に家族性地中海熱の診断を下します。しかし、家族性地中海熱の腹痛は、特に虫垂の破裂といった緊急を要する腹部疾患によるものと区別できません。そのため、家族性地中海熱の患者が、正しい診断が下される前に緊急手術を受けることもあります。

通常の臨床検査や画像検査は、単独では診断の決め手とはなりませんが、他の病気ではないことを確認する上で、このような検査が役立つことがあります。血液検査では、この病気の原因となる遺伝子変異を特定することができるため、診断に役立つことがあります。典型的な家族性地中海熱では遺伝子のコピーが2つではなく1つのみの患者もいれば、遺伝子検査が陰性の患者もいます。このような場合は、家族性地中海熱について経験が豊富な専門家から遺伝カウンセリングやケアを受けるべきです。

予防と治療

  • コルヒチン

コルヒチンを毎日経口服用することで、約85%の患者で痛みを伴う発作がなくなるか、発作の回数が大幅に減少します。また、アミロイドーシスによる腎不全のリスクもほとんどなくなります。妊婦では、流産に至る可能性のある発作の予防にコルヒチンが役に立ちます。ゆっくりと始まる発作の頻度が低い場合は、症状が現れるまでコルヒチンの服用を待つこともできますが、その場合、症状が起きたらすぐにコルヒチンを服用しなければなりません。

コルヒチンが効果的ではない場合、カナキヌマブやアナキンラ(anakinra)、リロナセプト(rilonacept)の皮下投与など、他の薬が助けになります。このような薬は免疫系の機能を変化させるため、炎症を抑える助けになります。

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