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ヒルシュスプルング病

(先天性巨大結腸症;Hirschsprung病)

執筆者:

William J. Cochran

, MD, Geisinger Clinic

最終査読/改訂年月 2017年 3月
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ヒルシュスプルング病では、腸管のリズミカルな収縮をコントロールする神経ネットワークが大腸の一部分で失われています。その結果、腸閉塞の症状が起こります。

  • この異常は大腸に起こり、腸管が正常に収縮しません。

  • 典型的な症状としては、新生児では胎便の排泄が遅い、乳児では嘔吐、食べるのを嫌がる、腹部の膨隆などがあります。

  • 直腸生検と直腸内圧の測定に基づいて診断します。

  • 食べものが正常に腸管を通過するための手術を行います。

大腸は、その壁内にある神経ネットワークによって律動的な収縮を同調させ、消化された内容物が便として排泄されるように肛門へと送っています。ヒルシュスプルング病では、腸の侵されている部分が正常に収縮できません。そこで正常な収縮が起きないことにより、腸の中に内容物がたまっていきます。ヒルシュスプルング病はときに、生命を脅かす腸炎(大腸の炎症)の発生につながることがあります。

消化管先天異常の概要も参照のこと。)

症状

正常な状態であれば、98%の新生児で黒っぽい緑色の便(胎便と呼ばれます)の排泄が生後24時間以内にみられます。 胎便の排泄が遅れている場合は、ヒルシュスプルング病の疑いがあります。

乳児期の後半になって、ヒルシュスプルング病の小児には、腸の閉塞を疑わせる症状である、胆汁の色が付いた嘔吐をする、腹部の膨隆、食べるのを嫌がるなどの症状がみられます。侵された腸管の範囲がほんの少しの場合は小児の症状も軽度で、小児期の後半になるまで診断されないこともあります。このような小児は細長い便をし、腹部が膨張することがあり、しばしば体重の増加がみられません。まれに症状が便秘だけということもあります。

ヒルシュスプルング病に合併する腸炎は、突然の発熱と腹部の膨隆のほか、ときに激しい血性の下痢を起こします。

診断

  • 下部消化管造影検査

  • 直腸生検

  • 直腸内の圧力の測定

まず、異常を評価するために下部消化管造影検査を行います。下部消化管造影検査では、直腸にバリウムと空気を注入してからX線写真を撮影します。

ヒルシュスプルング病を診断する上で信頼できる検査法は、直腸生検(直腸の組織を少量だけ採取して顕微鏡で調べる検査)と直腸内圧の測定(マノメトリー)だけです。

治療

  • 手術

重症のヒルシュスプルング病は、腸炎のリスクを抑えるために、速やかに治療する必要があります。

ヒルシュスプルング病の治療では、普通は手術を行って腸管の異常のある部分を切除し、正常な腸管を直腸と肛門につなげます。

状況によっては(例えば、小児の状態が非常に悪い場合など)、腸の正常な部分の下端を腹壁につくった開口部に接続する手術を行います(人工肛門造設術)。これにより便はこの開口部を通って回収袋に出され、腸管を通る食物の正常な移動が再開されます。腸管の異常な部分は、残りの腸管とはつながないでおきます。小児が成長して健康状態が改善したときに、人工肛門を閉鎖し、腸管の異常な部分を切除し、残りの正常な部分を直腸と肛門につなぎ直します。

腸炎を合併したヒルシュスプルング病の小児には、入院してもらった上で、静脈から水分と抗菌薬を投与する治療を行います。その後、鼻から胃または腸まで細長いチューブ(経鼻胃管)を挿入し、さらに別のチューブを直腸内に留置します。直腸内に生理食塩水を注入して、腸内にたまった便を洗い出します(これを洗腸といいます)。腸の機能していない部分を切除するために、手術を行います。

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