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13トリソミー

(パトウ症候群;Dトリソミー)

執筆者:

Nina N. Powell-Hamilton

, MD, Sidney Kimmel Medical College at Thomas Jefferson University

医学的にレビューされた 2020年 7月
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本ページのリソース

13トリソミーは、余分な13番染色体によって引き起こされる染色体異常症の一種で、重度の知的障害と様々な身体的異常がみられます。

  • 13トリソミーは、13番染色体が余分にあることで発生します。

  • この症候群の乳児は、典型的には体格が小さく、しばしば脳、眼、顔面、心臓に重大な異常がみられます。

  • 診断を確定するための検査は、出生前でも出生後にも行えます。

  • 13トリソミーに治療法はありません。

染色体 染色体 遺伝子とは、DNA(デオキシリボ核酸)のうち、細胞の種類に応じて機能する特定のタンパク質の設計情報が記録された領域のことです。染色体は、細胞の中にあって複数の遺伝子が記録されている構造体です。 遺伝子は染色体内にあり、染色体は細胞の核にあります。 1本の染色体には数百から数千の遺伝子が含まれています。... さらに読む 染色体 は、細胞の中にあって DNA DNA 遺伝子とは、DNA(デオキシリボ核酸)のうち、細胞の種類に応じて機能する特定のタンパク質の設計情報が記録された領域のことです。染色体は、細胞の中にあって複数の遺伝子が記録されている構造体です。 遺伝子は染色体内にあり、染色体は細胞の核にあります。 1本の染色体には数百から数千の遺伝子が含まれています。... さらに読む DNA や多くの遺伝子が格納されている構造体です。遺伝子とは、細胞の種類に応じて機能する特定のタンパク質の設計情報が記録された領域で、物質としてはDNA(デオキシリボ核酸)で構成されています(遺伝学についての考察は 遺伝子と染色体 遺伝子と染色体 遺伝子とは、DNA(デオキシリボ核酸)のうち、細胞の種類に応じて機能する特定のタンパク質の設計情報が記録された領域のことです。染色体は、細胞の中にあって複数の遺伝子が記録されている構造体です。 遺伝子は染色体内にあり、染色体は細胞の核にあります。 1本の染色体には数百から数千の遺伝子が含まれています。... さらに読む 遺伝子と染色体 )。遺伝子には、体がどのように機能するかを定めた詳細な指示が記録されています。

ある染色体が1本余分に存在し、同じ番号の染色体が(正常の2本ではなく)合計で3本になった状態をトリソミーといいます。13トリソミーの小児は、3本目の13番染色体をもっています。13トリソミーは、米国では出生児10,000人当たりおよそ1人の割合で発生しています。余分な染色体は通常、母親から受け継がれます。35歳以上の女性では、13トリソミーの子どもができるリスクが高くなります。

症状

この症候群の胎児は、子宮内での動きがあまり活発でないのが一般的です。羊水の量が多すぎたり、少なすぎたりすることがあります。

身体的異常

出生時の体格が 小さい傾向があります 在胎不当過小(SGA:Small for Gestational Age)の新生児 同じ在胎期間で生まれた新生児の90%が占める体重分布よりも体重が軽い(10パーセンタイル未満)新生児は、在胎期間に比べて小さい(在胎不当過小)とみなされます。 両親が小柄である、胎盤が正常に機能しなかった、母親に病気がある、母親が薬を飲んでいる、母親が妊娠中に喫煙した、飲酒したなどの場合に、新生児の体重が小さくなります。 感染症や遺伝性疾患がない限り、在胎不当過小の新生児のほとんどは、ほかには症状がみられず健康です。... さらに読む 。典型的には脳の発育が悪く、さらに 口唇裂と口蓋裂 口唇裂と口蓋裂 頭蓋と顔面で最もよくみられる先天異常は口唇裂と口蓋裂(こうがいれつ)で、新生児約1,000人に2人の割合でみられます。 口唇裂とは通常、鼻のすぐ下で上唇が分離している状態です。 口蓋裂とは、口の中の天井(口蓋)に裂け目があり、鼻への異常な通路ができるものです。 口唇裂と口蓋裂はしばしば同時に起こります。 口唇裂や口蓋裂の形成には、環境的要因と遺伝的要因の両方が関与していることがあります。母親が妊娠中にタバコ、アルコール、またはその他の薬... さらに読む 口唇裂と口蓋裂 、小さな眼、瞳孔(眼球の色が付いた部分)の欠損、網膜(眼の奥にあって光を感じ取る透明な構造物)の発育不良など、顔面に多くの異常がみられます。耳が異常な形をしていて、通常は低い位置に付いています。頭皮の欠損と皮膚に空いた穴がよくみられます。しばしば首の後ろに皮膚のたるみがみられます。一般的には手のひらに1本の線がみられ、手足の指が余分にあり(多指症 手足の指の異常 出生時に、手や足の指が異常な形をしていたり、形成が不完全だったり、欠損していたりすることがあります。 手や足の指の先天異常は、胎児が子宮内で発育していくときに起こります。例えば、手や足の指の数が少ないことがあります。あるいは、生まれつき手や足の指の数が多いこともあります。 羊膜索症候群では、羊膜腔から出た細い組織の束によって体の一部が締めつけられ、手の指や足の指の異常(および他の異常)が起こります。羊膜腔には、子宮内で発育中の胎児の周囲... さらに読む 手足の指の異常 )、爪の発育がよくありません。

口唇裂と口蓋裂:顔面の異常

口唇裂と口蓋裂:顔面の異常

その他の異常

患児の約80%に重度の心臓の異常がみられます。 心室中隔欠損 心房中隔欠損症と心室中隔欠損症 心房中隔欠損症と心室中隔欠損症とは、心臓の右側と左側を隔てる壁(中隔)に孔が開いた状態です。 その孔は、上側の2つの心腔を隔てる壁にみられることもあれば、下側の2つの心腔を隔てる壁にみられることもあります。 欠損孔の多くは小さいもので、症状を示さず、治療をしなくても閉鎖します。 診断は、典型的な心雑音(狭窄もしくは漏れのある心臓弁または異常な心臓の構造を通る血液の乱流によって生じる音)に基づいて疑われ、心エコー検査によって確定されます。... さらに読む 心房中隔欠損症と心室中隔欠損症 と呼ばれる異常がよくみられますが、これは左右の心室の間に異常な開口部がある状態です。男児では 停留精巣 停留精巣 停留精巣(潜在精巣)とは、陰嚢(いんのう)の中に下りてくるはずの精巣が腹部にとどまったままになっている状態です。移動性精巣(遊走精巣)とは、精巣が陰嚢の中まで下りてきているにもかかわらず、刺激に反応して容易に鼠径管(そけいかん)の中に戻ってしまう(移動する)ことです。 胎児では精巣は腹部の中で発育します。精巣が発育した後、一般的には出生前(通常は第3トリメスター[訳注:日本のほぼ妊娠後期に相当])に腹部から会陰部へとつながる管(鼠径管)... さらに読む  停留精巣 と陰嚢(いんのう)の異常がみられます。女児では子宮の形態的な異常がみられます。しばしば、呼吸がない状態が長時間続くことがあります(無呼吸)。難聴がよくみられ、しばしば疑われますが、重度の 知的障害 知的能力障害 知的能力障害(一般に知的障害とも呼ばれます)とは、出生時や乳児期の初期から知能の働きが明らかに標準を下回り、正常な日常生活動作を行う能力が限られている状態です。 知的能力障害は、遺伝的な場合もあれば、脳の発達に影響を与える病気の結果として起こる場合もあります。 知的能力障害がある小児のほとんどでは、就学前まで目立った症状が現れません。 診断は正式な検査の結果に基づいて下されます。... さらに読む もあることから、確認するのが困難である場合もあります。

診断

  • 出生前:胎児の超音波検査または母親の血液検査

  • 絨毛採取、羊水穿刺、またはその両方

  • 出生後:乳児の外見と乳児の血液検査

出生前の段階では、胎児の超音波検査で認められた異常から、13トリソミーが疑われることがあります。母親の血液中に含まれる胎児のDNAを検出する検査を行うこともでき、そのDNAを分析して、13トリソミーのリスクが高いかどうかを判断することもできます。この検査は非侵襲的出生前スクリーニング(NIPS)やセルフリー胎児DNA検査と呼ばれています。これらの検査の結果から13トリソミーが疑われたら、多くの場合、 絨毛採取 絨毛採取 出生前診断は、遺伝性または自然発生的な特定の遺伝性疾患などの特定の異常がないかどうか、出生前に胎児を調べる検査です。 妊婦の血液に含まれる特定の物質の測定に加え、超音波検査を行うことで、胎児の遺伝子異常のリスクを推定できます。 こうした検査は、妊娠中の定期健診の一環として行われることがあります。 検査の結果、リスクが高いことが示唆された場合は、胎児の遺伝物質を分析するために羊水穿刺や絨毛採取などの検査を行うことがあります。... さらに読む 羊水穿刺 羊水穿刺 出生前診断は、遺伝性または自然発生的な特定の遺伝性疾患などの特定の異常がないかどうか、出生前に胎児を調べる検査です。 妊婦の血液に含まれる特定の物質の測定に加え、超音波検査を行うことで、胎児の遺伝子異常のリスクを推定できます。 こうした検査は、妊娠中の定期健診の一環として行われることがあります。 検査の結果、リスクが高いことが示唆された場合は、胎児の遺伝物質を分析するために羊水穿刺や絨毛採取などの検査を行うことがあります。... さらに読む 、またはその両方を行って診断を確定します。

出生後には、乳児の身体的な外見から13トリソミーの診断が示唆されることがあります。診断を確定するには、血液検査を行って、乳児の染色体を分析します。

予後(経過の見通し)と治療

  • 家族に対する支援

13トリソミーに対する特別な治療法はありません。この症候群の小児の大半(80%)は、あまりに影響が大きいため、生後1カ月を迎える前に死亡し、1年以上生存できる小児は10%未満です。家族は支援を求めるべきです。

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