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未熟児無呼吸発作

執筆者:

Arcangela Lattari Balest

, MD, University of Pittsburgh, School of Medicine

最終査読/改訂年月 2018年 3月
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未熟児無呼吸発作(呼吸がないこと)は、無呼吸の原因となる基礎疾患がなく、発生37週より前に生まれた乳児にみられる20秒以上続く呼吸の一時的な停止を指します。

  • 未熟児では、呼吸を制御する脳の部分が完全に成熟していない場合、無呼吸エピソードが発生します。

  • 無呼吸により血液中の酸素量が少なくなり、その結果、心拍が遅くなり、皮膚が青みがかった色になります。

  • 新生児を観察する、あるいは新生児に付けたモニターのアラームからこの病気を診断します。

  • いずれ脳の呼吸中枢が発達すると無呼吸の発作は減っていき、最終的にはみられなくなります。

  • 新生児を優しく刺激しても呼吸が回復しない場合は、人工呼吸器を必要とすることもあります。

  • 重症の無呼吸がみられる新生児には、呼吸を刺激するため、他の治療に加えてカフェインを投与します。

新生児の一般的な問題の概要も参照のこと。)

未熟児無呼吸発作は一般に、未熟児(発生37週より前に生まれた新生児)の約25%に発生します。極端な未熟児では、未熟児無呼吸発作の頻度と重症度が増します。この病気は通常、生後2~3日で始まり、初日に起こることはごくまれです。未熟児無呼吸発作の新生児は正常な呼吸と短い呼吸停止を繰り返します。

無呼吸には次の3種類があります。

  • 中枢性

  • 閉塞性

  • 混合型

中枢性無呼吸は、脳の呼吸を調節する部分(呼吸中枢)が十分に成熟しておらず、うまく機能しないことが原因で起こります。これは未熟児無呼吸発作の中で最もよくみられるタイプです。

閉塞性無呼吸は、筋肉の緊張度が低かったり、首が前に曲がったりすることで、咽頭(のど)が一時的にふさがって引き起こされます。

混合性無呼吸は、中枢性無呼吸と閉塞性無呼吸が組み合わさったものです。

どのタイプの無呼吸でも、呼吸の停止が続くと心拍数が遅くなり、酸素レベルが低下するおそれがあります。

呼吸のすべての一時停止が問題になるわけではありません。周期性呼吸では、正常な呼吸が5~20秒続き、その後20秒未満の無呼吸が続きます。周期性呼吸は未熟児によくみられ、未熟児無呼吸発作とはみなされません。周期性呼吸は心拍数や酸素レベルの低下を引き起こさず、通常はその他の問題を引き起こしません。

症状

未熟児には常時モニターを装着し、新生児の呼吸が20秒以上停止した場合や心拍数が下がった場合にはアラームが鳴るようにしておきます。発作の長さによっては、呼吸の停止により血液中の酸素レベルが低下して、皮膚が青みがかった色(チアノーゼ)または蒼白になります。血液中の酸素レベルの低下は、心拍数低下(徐脈)の原因にもなります。

診断

  • 観察またはモニターのアラーム

  • 他の原因の除外

無呼吸の診断は通常、新生児の呼吸を観察するか、新生児に付けたモニターのアラームが鳴ることで下されます。

無呼吸は、血液の感染症(敗血症)、血糖値の低下(低血糖)、体温の低下(低体温症)などの病気を示している場合もあります。 したがって、新生児の無呼吸発作の頻度が、突然あるいは予想外に増えた場合は、これらの病気がないかどうかを調べます。医師は血液、尿、脳脊髄液のサンプルを採取して重篤な感染症にかかっていないか調べ、血糖値が低すぎること(低血糖)がないか調べるため血液を検査します。

予後(経過の見通し)

いずれ呼吸中枢が発達すると、無呼吸の発作は減っていき、在胎期間が37週に相当する頃にはみられなくなります。非常に未熟な状態(23~27週など)で生まれた乳児では無呼吸が数週間続く場合があります。死亡することはまれです。

未熟児は乳児突然死症候群(SIDS)の危険因子の1つですが、無呼吸と乳児突然死症候群(SIDS)のリスクとの関連については、現在のところ分かっていません。 同様に、乳児の退院後も自宅で無呼吸のモニタリングを行うことで、乳児突然死症候群(SIDS)のリスクが減るという証拠はありません。

治療

  • 新生児を優しく刺激したりなでたりする

  • 原因の治療

  • 刺激剤(カフェイン)

  • 呼吸を補助する対策

観察やモニターのアラームで無呼吸に気づいた場合、新生児を優しく触ったり突いたりします。呼吸を刺激するにはそれだけで十分です。

無呼吸に対するそれ以上の治療は原因によって異なります。感染症など、分かっている原因がある場合はそれを治療します。

無呼吸の発作の回数が増えた場合、特に新生児がチアノーゼを起こしている場合は、新生児集中治療室(NICU)にとどまって治療を受けます。カフェインなどの薬剤によって呼吸中枢に刺激を与える治療をすることがあります。この治療で無呼吸の回数と重症度が低下しない場合は、持続陽圧呼吸(CPAP)による治療が必要になります。これは、自然呼吸下に新生児の両鼻孔に入れたチューブから陽圧酸素あるいは空気を投与する方法です。治療が困難な無呼吸発作のある新生児は、人工呼吸器(肺に出入りする空気の流れを補助する機械)による呼吸の補助を必要とする場合があります。

在宅ケア

新生児は常に仰向けに寝かせるべきです。未熟児かどうかに関係なくすべての乳児が安全な睡眠習慣に従う必要があります。

すべての未熟児、特に未熟児無呼吸発作のある未熟児は、チャイルドシート使用時に無呼吸、血液中の酸素レベルの低下、心拍数低下のリスクがあるため、退院前にチャイルドシートによる無呼吸発作の誘発試験を受ける必要があります。この試験では、新生児がチャイルドシートを半分後ろに倒した状態で安全に家まで帰れるかどうかを判定します。

モニタリングなしで病院から家に帰ることができる新生児もいれば、無呼吸のモニタリングが必要な新生児もおり、カフェインが必要になることもあります。親は、モニターやその他の機器の適切な使用方法、アラームが鳴ったときの対処方法、必要に応じて心肺蘇生法を行う方法、イベントレコーダーの使用法を習っておく必要があります。発生したイベントの情報を電子的に保存するモニターもあります。モニタリングをやめる時期については医師と相談する必要があります。

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