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新生児のリステリア症

執筆者:

Brenda L. Tesini

, MD, University of Rochester School of Medicine and Dentistry

医学的にレビューされた 2020年 7月
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リステリア症は、リステリア菌によって引き起こされる感染症です。

  • 新生児のリステリア症は、出生前、分娩中、出生後のいずれかに感染が起きます。

  • 症状は様々ですが、患児はぼんやりしたり哺乳が不良であったりします。

  • 診断は、新生児と母親から採取した血液またはその他の物質のサンプル中に細菌を特定することで確定されます。

  • この感染症により死亡する新生児もいます。

  • 妊婦は、特定の食品を避け、未調理の食品を触った後は、手と台所用品を適切に洗う必要があります。

  • この感染症は抗菌薬で治癒します。

リステリア菌 Listeria monocytogenesは、世界中の一部の人と多くの動物の腸内に生息しています。他の多くの微生物とは異なり、この細菌は冷蔵庫内の温度でも問題なく生き延びます。

妊婦は、汚染された食物を食べると感染するおそれがあります。具体的には、無殺菌の乳製品、柔らかいチーズ、生野菜、ハムやサラミ、調理済みのサラダ、冷蔵保存されているミートスプレッド、またはスモークシーフードなどがその例です。妊娠中にリステリア菌 Listeria monocytogenesが胎盤(胎児に栄養を供給する器官)を通過すると、胎児に感染します。新生児は、分娩中または出生後に感染することもあります。

症状

リステリア症の妊婦は無症状のこともあれば、インフルエンザに似た症状(悪寒、発熱、筋肉痛など)を呈することもあります。

胎児や新生児では、リステリア症の症状は 敗血症 新生児の敗血症 敗血症は、血流を通じて広がった感染に対する全身の重篤な反応です。 敗血症にかかった新生児は、一般に元気がない、つまりぼんやりしていて哺乳が不良であり、多くの場合皮膚が灰色になるほか、発熱または低体温がみられることもあります。 診断は症状と血液、尿、または髄液中の細菌、ウイルス、または真菌の存在に基づいて下されます。 治療では抗菌薬が投与されるほか、支持療法として、輸液、赤血球や血漿の輸血、呼吸補助(人工呼吸器を使用する場合があります)、... さらに読む (血液感染症)の症状に似ており、ぼんやりしたり哺乳が不良であったりします。症状は出生の数時間から数日以内に現れることもあれば(早発型と呼ばれます)、数週間後になってやっと現れることもあります(遅発型と呼ばれます)。早期に症状がみられる新生児は、しばしば出生時体重が低く、分娩時に問題があり、出生直後に敗血症の症状がみられます。症状が遅れて現れる新生児は通常、満期産で最初は健康ですが、その後 髄膜炎 小児の髄膜炎 細菌性髄膜炎とは、脳と脊髄を覆う膜( 髄膜)に起きる感染症です。 細菌性髄膜炎は、月齢の高い乳児と小児では、通常、呼吸器系に入った細菌が原因になり、新生児では、しばしば血流の細菌感染( 敗血症)から引き起こされます。 年長児や青年では発熱を伴う項部硬直、頭痛、錯乱がみられ、新生児や幼若な乳児では通常、むずかる、食べなくなる、嘔吐するなどの症状が現れます。 診断は、腰椎穿刺と血液検査の結果に基づいて下されます。... さらに読む (脳の感染症)または敗血症を発症します。

リステリア症のその他の一般的な合併症には、 流産 流産 流産とは、妊娠20週までに人為的でない原因によって胎児が失われることです。 胎児側の問題(遺伝性疾患や先天異常など)によっても母体側の問題(生殖器の構造的異常、感染症、コカインの使用、飲酒、喫煙、けがなど)によっても流産が起こりますが、多くの場合、原因は不明です。 出血や筋けいれんが起こることがありますが、特に妊娠して週数が経過している場合にはよく起こります。 医師は子宮頸部を診察し、通常は超音波検査も行います。... さらに読む 羊膜内感染 羊膜内感染 羊膜内感染は、胎児の周囲を満たしている液体(羊水)、胎盤、胎児を包んでいる膜など(またはこれら複数の場合もある)、胎児の周りにある組織の感染です。 羊膜内感染により母体と胎児に問題が生じるリスクが高まります。 妊婦には通常、発熱がみられ、しばしば骨盤痛やおりものがみられます。 通常は身体診察により感染を診断できますが、羊水の検査が必要になることもあります。 抗菌薬と体温を下げるための薬を投与し、できるだけ早く分娩を予定します。 さらに読む を伴う 早産 早産児 早産児とは、在胎37週未満で生まれた新生児です。生まれた時期により、早産児の臓器は発達が不十分であるため、子宮外で機能する準備がまだできていないことがあります。 早産の既往、多胎妊娠、妊娠中の栄養不良、出生前ケアの遅れ、感染症、生殖補助医療(体外受精など)、および高血圧などがある場合に、早産児を出産するリスクが高くなります。 多くの臓器の発達が不十分であるため、早産児では呼吸したり哺乳したりすることが難しく、脳内出血、感染症や他の異常が... さらに読む 死産 死産 死産とは妊娠20週以降に胎児が死亡することです。 妊娠合併症は、妊娠中だけに発生する問題です。母体に影響を及ぼすもの、胎児に影響を及ぼすもの、または母子ともに影響を及ぼすものがあり、妊娠中の様々な時期に発生する可能性があります。しかし、ほとんどの妊娠合併症は効果的に治療できます。死産は次回以降の妊娠における胎児の死亡リスクを上昇させます。 妊娠後半または満期近くに胎児が死亡し、何週間も子宮内にとどまっていると、重度の出血を引き起こす凝固... さらに読む などがあります。

診断

  • 妊婦と新生児から採取した血液やその他の体液の検査

発熱のある妊婦では、血液、子宮頸部の分泌液、羊水からサンプルが採取され、リステリア菌 Listeria monocytogenesの検査が行われることがあります。

新生児の状態が悪ければ、血液と髄液のサンプル(腰椎穿刺によって採取します—図「 腰椎穿刺の方法 腰椎穿刺の方法 腰椎穿刺の方法 」を参照)が採取され、リステリア菌 Listeria monocytogenesの検査が行われます。新生児の状態が悪く、母親が間違いなくリステリア症である場合には、血液と髄液に加えて胃液、胎便(出生前に腸で生成される物質)、感染組織のサンプルも採取され、リステリア菌 Listeria monocytogenesの検査が行われます。

予後(経過の見通し)

リステリア症の新生児の約10~50%が死亡します。早発型のリステリア症の新生児では、死亡率がさらに高くなります。

予防

妊婦は、リステリア菌 Listeria monocytogenesが混入している可能性が比較的高い食品を避けるべきです。具体的には、無殺菌の乳製品、柔らかいチーズ、生野菜、ハムやサラミ、調理済みのサラダ、冷蔵保存されているミートスプレッド、スモークシーフードなどがその例です。適切な食品の取り扱い、特に調理中は未調理の肉を他のものから離しておくこと、未調理の食品の取り扱い後は手、調理器具、まな板を洗うことが重要です。

妊娠中にリステリア症の診断が下された場合、医師は感染の拡大を防ぐために出産前または出産時に妊婦に抗菌薬を投与することがありますが、このような治療の有用性は証明されていません。

治療

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