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ファロー四徴症

執筆者:

Jeanne Marie Baffa

, MD, Sidney Kimmel Medical College at Thomas Jefferson University

最終査読/改訂年月 2017年 3月
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ファロー四徴症では、4つの特有な心臓の異常が同時に起こります。

  • この病気には4つの異常があり、酸素が少ない血液が循環する原因になります。

  • 軽度から重度のチアノーゼ(皮膚の色が青みがかる)、生命を脅かす発作、心雑音(狭窄もしくは漏れのある心臓弁または異常な心臓の構造を通る血液の乱流によって生じる音)が症状としてみられます。

  • 診断は特徴的な雑音とチアノーゼに基づいて疑われ、心エコー検査の結果に基づいて確定されます。

  • 異常を治すためには手術が必要です。

心臓の4つの異常とは以下のものです。

  • 右心からの血液流出路の狭窄

  • 酸素が少ない血液が右心室から大動脈に直接流れ込んでしまう(右左短絡を起こす)大動脈の転位

  • 右心室の壁の肥厚

ファロー四徴症:4つの異常

ファロー四徴症:4つの異常

ファロー四徴症の乳児では、右心室から肺につながる血流路の狭窄によって、肺への血流が妨げられます。この血流の制限により、右心室内の酸素が少ない血液が心室中隔の欠損孔を通って左心室と大動脈に流れ込みます(右左短絡)。酸素が少ない(青い)血液が全身に流れる量が多くなるほど、体の色が青くなります。

右心からの血流が著しくまたは完全に遮断されている乳児の生存は、動脈管が開いているかどうかに依存します。動脈管とは、心臓から出ていく大きな2つの動脈である肺動脈と大動脈をつなぐ胎児の血管です(正常な胎児循環を参照)。動脈管は、静脈から戻ってきた血液がすでに肺を通過した血液と混ざることを可能にする近道です。出生後、動脈管はもはや必要ではなくなり、通常は出生後数日以内に閉鎖します。しかし、重度の四徴がある乳児では、出生後に動脈管が開いたままであれば、大動脈からの血液の一部が開いた動脈管を通って肺に戻り、酸素を取り込むことができます。

心臓の異常の概要も参照のこと。)

症状

主な症状は以下のものです。

  • チアノーゼ(皮膚の色が青みがかる)、軽度のこともあれば重度のこともある

乳児が泣いたり排便したりする動作をしたときにチアノーゼが突然悪化して、生命を脅かす発作(重度のチアノーゼ発作、無酸素発作)が起こることもあります。発作を起こした乳児は激しい息切れを起こし、意識を失う場合もあります。ファロー四徴症の乳児では、通常は心雑音が聴取されます。心雑音とは、狭窄もしくは漏れのある心臓弁または異常な心臓の構造を通る血液の乱流によって生じる音です。

診断

  • 心エコー検査

医師は、聴診器で聴取できる特徴的な粗い雑音に基づいてファロー四徴症を疑います。また、通常、皮膚に取り付けたセンサー(パルスオキシメーター)で酸素レベルを測定すると正常よりも低い値になります。

心エコー検査(心臓の超音波検査)で4つの心臓の異常が認められると診断が確定されます。

一般的に、心電図検査胸部X線検査も行われます。心電図検査は通常、小児が成長するまで正常です。胸部X線検査で通常、異常な心臓の形が認められます。

治療

  • ときに、プロスタグランジンなどの動脈管を開いた状態に保つ薬

  • 高度チアノーゼ発作(hypercyanotic spell)には、姿勢を変える、小児を落ち着かせる、酸素、ときに薬剤の静脈内投与や輸液

  • 手術

ファロー四徴症の乳児で、動脈管の開存が生存に不可欠な場合は、プロスタグランジン製剤を静脈内に投与して動脈管が開いた状態を保つことが救命の手段になります。動脈管が開いた状態を保つことで、多くの血液が肺に送られ、乳児の血液の酸素レベルが上昇します。

高度チアノーゼ発作(hypercyanotic spell)

乳児が高度チアノーゼ発作を起こした場合には、膝を胸に近づける姿勢(膝胸位)をとらせると呼吸が楽になります。興味深いことに、ファロー四徴症のある比較的年長の小児は、自然にしゃがんで同じ姿勢をとります。この動作により、肺に送られる血液の量が増え、楽になります。乳児を落ち着かせたり、酸素を投与したりすることも役立ちます。これらの方法が無効である場合は、肺への血流を改善するために、モルヒネや静脈内輸液、ベータ遮断薬(プロプラノロールなど)やフェニレフリンなどの薬剤が投与されることがあります。

高度チアノーゼ発作を呈している乳児または小児は直ちに心臓手術を受ける必要があります。手術による修復がすぐに行えない場合、将来の発作のリスクを減らすため、プロプラノロールを投与することがあります。

手術

ファロー四徴症の乳児は、手術による修復を受ける必要があります。酸素レベルが低いか高度チアノーゼ発作がある場合、乳児期早期に手術が行われます。症状がほとんどなければ、手術は乳児期後期まで延期されることがあります。

乳児の出生体重が低いか、複雑な異常がある場合は、侵襲性の低い手術を行い、修復手術が行えるようになるまで肺に血液が流れるようにします。例えば、人工血管(シャント)を使用して、肺の動脈を心臓から血液を送り出す動脈に接続します。この処置により、血液は肺に送られ、全身に行き渡る前に酸素を取り込めるようになります。別の選択肢として、心臓カテーテル検査中に実施可能な方法があり、この場合、拡張可能な柔軟なチューブ(ステント)が先端に付いた細いチューブ(カテーテル)を腕または脚の血管から挿入し、心臓まで到達させます。このステントを心臓の中で展開することで、肺への血流が増加し、血液中の酸素レベルが上昇します。

修復手術では、心室中隔の欠損孔をふさぎ、狭窄していた右心室から出る血管と肺動脈弁を広げ、動脈管を閉鎖します。

一部の小児は、歯科受診前や特定の手術(腸管や膀胱など)の前に抗菌薬を服用する必要があります。抗菌薬は、心内膜炎と呼ばれる重篤な心臓の感染症を予防するために使用されます。

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