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尿道の異常

執筆者:

Ronald Rabinowitz

, MD, University of Rochester Medical Center;


Jimena Cubillos

, MD, University of Rochester School of Medicine and Dentistry

最終査読/改訂年月 2017年 4月
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本ページのリソース

尿路内の構造

尿路の臓器

尿道の異常の合併症

  • 尿が異常な部位から出る

  • 尿の流れが妨げられる

尿の流れを妨げたり遅くしたりする尿道の異常は、尿を停滞させ、尿路感染症 小児の尿路感染症(UTI) 尿路感染症(UTI)とは、細菌による膀胱の感染症(膀胱炎)、腎臓の感染症(腎盂腎炎[じんうじんえん])、またはその両方がある状態です。 尿路感染症は細菌によって引き起こされます。 新生児と乳児では発熱以外の症状が出ないことがありますが、年長児では、排尿するときに痛みや灼熱感があったり、膀胱周辺が痛んだり、頻繁に排尿したくなったりする症状がみられます。 診断は、尿検査と尿培養検査の結果に基づいて下されます。... さらに読む を引き起こす可能性があります。尿の流れが妨げられることにより、膀胱や腎臓の内部の圧力が上昇して徐々に傷つくこともあります。頻繁な感染によって腎臓が傷つく可能性もあります。腎臓が傷つくと、高血圧 高血圧 高血圧とは、動脈内の圧力が恒常的に高くなった状態のことです。 高血圧の原因は不明のことも多いですが、腎臓の基礎疾患や内分泌疾患によって起こる場合もあります。 肥満、体を動かさない生活習慣、ストレス、喫煙、過度の飲酒、食事での過剰な塩分摂取などはすべて、遺伝的に高血圧になりやすい人の高血圧の発症に何らかの形で関与しています。... さらに読む のほか、まれに腎不全 腎不全の概要 腎不全とは、血液をろ過して老廃物を取り除く腎臓の機能が十分に働かなくなった状態のことです。 腎不全の原因としては、様々なものが考えられます。腎機能が急激に低下する場合(急性腎障害、急性腎不全とも呼ばれます)もあれば、ゆっくりと低下していく場合(慢性腎臓病、慢性腎不全とも呼ばれます)もあります。腎不全になると、腎臓は血液をろ過して老廃物(ク... さらに読む が起こる可能性があります。

尿道の先天異常の種類

尿道に以下の状態がみられることがあります。

  • 部分的に詰まっている

  • 位置に異常がある

  • 開口部から脱出している(尿道瘤)

  • 重複している(尿道が1本ではなく2本以上存在する)

部分的に詰まった尿道

いくつかの先天異常では尿道が部分的に詰まります。

後部尿道弁では、尿道内の異常な組織のひだによって膀胱からの尿の流れがふさがれてしまいます。後部尿道弁は男児にだけ起こります。尿道が詰まると膀胱内の圧力が高まり、排尿困難や尿勢低下の原因になります。より重度の場合は、発育中の胎児に詰まりが起こります。詰まりによって尿圧が上がると、膀胱や腎臓の発育が妨げられます。さらに、胎児から羊水(子宮内の胎児の周囲を満たしている液体)に放出される尿の量が減少します。胎児が羊水に尿を十分に放出しなければ、羊水の量が少なくなります。羊水の量が少なすぎると、胎児の肺、心臓 心臓の異常の概要 120人に1人は心臓に異常をもって生まれます。重症の場合もありますが、多くはそうではありません。心臓の異常には心臓壁、弁、心臓に出入りする血管の異常形成などがあります。 哺乳不良、呼吸困難、青みがかった皮膚、正常に発育しない、あるいは正常に運動できない、速い心拍、失神のほか、乳児が成長するに従って運動中の胸痛といった症状がみられます。... さらに読む 、および四肢 四肢の欠損または形成不全 出生時に、四肢の欠損や変形、発育不全がみられることがあります。 腕や脚に1つ異常がある小児には、それに関連するその他の異常もみられる傾向があります。 四肢の形成に異常がみられることがあります。 例えば、遺伝的異常のため、手と前腕の骨が欠損している場合があります(染色体異常を参照)。四肢の正常な発達が子宮内で中断することもあります。羊膜索症候群では、羊膜腔(子宮内で発育中の胎児の周囲を満たす羊水が入っている袋)から出た細い組織の束によって... さらに読む 四肢の欠損または形成不全 の発育に問題が生じます。肺が十分に発育しないと、出生の直前や直後に死亡する可能性があります。出生後、患児には膀胱の排泄が不十分であったり腎臓の機能が低いという症状がみられます。

尿道狭窄は、尿道が狭くなった状態であり、原因は通常、外傷ですが、先天異常によって生じることがあります。男児で多くみられます。

外尿道口狭窄では、尿道の外側の開口部(外尿道口)が狭くなり、尿の流れを妨げます。ほとんどは、男児で陰茎の手術を受けたことがある場合か新生児期に割礼を受けた場合に起こります。

尿道の位置の異常

尿道が異常な場所に開口することがあります。

男児では、尿道が陰茎の先端ではなく、底部(尿道下裂 尿道下裂 性器の異常の原因としては、胎児の発育中に性ホルモンの濃度が異常であったこと、染色体の異常、環境的な要因、遺伝的な要因があります。 外性器が男性か女性かはっきりしない場合があり(性別不明性器)、このような状態は先天性副腎過形成症の女児で最もよくみられます。 性器の性別が不明である乳児の性を判定するため、身体診察、画像検査、染色体を分析するための血液検査を行い、ホルモンの血中濃度を測定します。... さらに読む )や上部(尿道上裂 尿道上裂 性器の異常の原因としては、胎児の発育中に性ホルモンの濃度が異常であったこと、染色体の異常、環境的な要因、遺伝的な要因があります。 外性器が男性か女性かはっきりしない場合があり(性別不明性器)、このような状態は先天性副腎過形成症の女児で最もよくみられます。 性器の性別が不明である乳児の性を判定するため、身体診察、画像検査、染色体を分析するための血液検査を行い、ホルモンの血中濃度を測定します。... さらに読む )に開口することがあります。尿道下裂がある男児には、しばしば尿道索 尿道索 性器の異常の原因としては、胎児の発育中に性ホルモンの濃度が異常であったこと、染色体の異常、環境的な要因、遺伝的な要因があります。 外性器が男性か女性かはっきりしない場合があり(性別不明性器)、このような状態は先天性副腎過形成症の女児で最もよくみられます。 性器の性別が不明である乳児の性を判定するため、身体診察、画像検査、染色体を分析するための血液検査を行い、ホルモンの血中濃度を測定します。... さらに読む (陰茎が下方向に曲がる)という別の異常や、包皮が陰茎の下面で癒合していない状態がみられます。尿道上裂がある場合は、尿失禁 小児における尿失禁 尿失禁の定義は、トイレトレーニングが終了した後に、意図しない排尿が1カ月に2回以上の頻度で起こることとされています。尿失禁は以下の状況で起こります。 日中(日中の尿失禁または昼間遺尿症) 夜間(夜間の尿失禁、遺尿症、または夜尿症) 両方(日中と夜間両方の尿失禁) トイレトレーニングの期間や、小児が尿禁制(排尿をコントロールできること)を獲... さらに読む (意図しない排尿)がみられることがあります。

女児では、尿道が陰核と陰唇の間、腟の開口部の内側、まれに腹部に開口することがあります。

尿道瘤

尿道瘤は女児に発生します。尿道の粘膜が尿道口から飛び出た状態です。尿道瘤が発生すると、尿道口が赤く腫れたドーナツのような見た目になります。尿道瘤では典型的には症状がみられませんが、飛び出した組織から出血することがあり、女児のおむつや下着に血のしみがつきます。

重複尿道(過剰な尿道)

まれに、尿道が生まれつき2つ以上存在することがあります。たいていは一方だけが膀胱とつながっていますが、お互いにつながっていることもあります。

診断

  • 身体診察

  • ときに排尿時膀胱尿道造影検査

出生後では、医師による身体診察 身体診察 医師は、患者への問診によって病歴を聴取します。例えば、症状、既往歴(過去にかかった病気)、薬歴(処方薬、市販薬、レクリエーショナルドラッグ)、飲酒歴、喫煙歴、アレルギー、家族の病歴などについて医師から質問があります。腎臓や尿路の病気の可能性がある患者は、一般に以下のような点について尋ねられます。... さらに読む 小児健診 乳児健診 健康な乳児は、生後1年間は医師による健診を定期的に受ける必要があります。健診は、生後数日以内か生後2週までと、生後1、2、4、6、9カ月の時点で受けます。健診で医師は月齢別のガイドラインを参考に乳児の成長と発達を継続的にモニタリングし( 乳児と小児の身体的成長)、様々な発達上の指標について親に尋ねます( 出生後から生後12カ月までの発達の目安*)。ときに検査を行い、また、数多くの健診を通じて様々な病気に対するワクチン接種も行います(... さらに読む の際に尿道の異常がしばしば見つかります。男児に後部尿道弁が疑われる場合、その男児が退院する前に排尿時膀胱尿道造影検査 膀胱造影検査と膀胱尿道造影検査 腎疾患または尿路疾患が疑われる場合の評価には、様々な検査が用いられます。 尿路を評価する際、X線検査は通常役に立ちません。ときに、腎結石の位置や増大をモニタリングするために用いられる程度です。 超音波検査は以下の点で有用な画像検査です。 電離放射線や造影剤の静脈内投与(ときに腎臓を損傷します)が不要である 安価に行える さらに読む という検査を行います。排尿時膀胱尿道造影検査では、尿道から膀胱までカテーテルを挿入し、そのカテーテルを通して液体の造影剤(X線画像に写る物質)を注入してから、排尿する前と後にX線撮影を行います。

治療

  • 通常は手術による修復

詰まりや尿の逆流といった症状を引き起こしている尿道の異常は、通常は手術で是正する必要があります。

尿道が詰まっている場合は、できるだけ早急に詰まりを開く手術が行われます。尿道に異常、狭窄、または欠損がある場合は、そうした異常を是正する手術が必要なことがあります。

後部尿道弁がある男児には、診断が下された時点で手術が行われます。手術の目的は、詰まりを緩和してそれ以上の腎障害を予防することです。たとえ手術を行っても、膀胱が正常に機能せず、導尿やさらなる手術が必要になる場合があります。導尿とは、滅菌した柔軟な細い管(カテーテル)を尿道口から膀胱に入れて尿を排出する処置です。

尿道下裂がある男児では、手術で異常を是正し、尿道索など別の異常があればそれも是正します。

尿道瘤がある女児には、症状を軽減するためにエストロゲンを含有するクリームが投与されることがあります。尿道瘤は通常、時間が経過するにつれて消失し、手術が必要になることはまれです。

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