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尿管の異常

執筆者:

Ronald Rabinowitz

, MD, University of Rochester Medical Center;


Jimena Cubillos

, MD, University of Rochester School of Medicine and Dentistry

最終査読/改訂年月 2017年 4月
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尿管 尿管 尿管は長さ約40センチメートルの筋肉でできた管で、その上端は腎臓、下端は膀胱につながっています。(尿路の概要も参照のこと。) 腎臓で作られた尿はこの尿管を通って膀胱に流れ込みますが、その尿の流れは重力だけによるものではなく、尿管の緩やかなぜん動運動(波打つような動き)によって、少量ずつ膀胱に送られていきます。左右それぞれの尿管は膀胱壁の開口部へと通じていますが、尿が尿管に逆流するのを防ぐため、この開口部は膀胱の収縮時に自然に閉じるように... さらに読む は、尿を腎臓 腎臓の異常 腎臓(左右に2つあって血液から老廃物をろ過して尿を作っている臓器)に生じる先天異常がいくつかあります。そのような異常は、通常は医師による診察では明らかにならず、尿路を評価する検査を行う必要があります。 (尿路の先天異常の概要も参照のこと。) 腎臓の先天異常には多くの種類があります。そのような異常の多くは以下の変化をもたらします。 尿が腎臓から出る流れを妨げたり遅くしたりする 尿の流れが妨げられると、尿が停滞して尿路感染症が起こったり、腎... さらに読む (左右に2つあって血液から老廃物をろ過して尿を作っている臓器)から膀胱 膀胱 膀胱は伸縮性のある筋肉でできた袋状の臓器です。尿管を通って流れてきた尿は膀胱の中に貯まります。 膀胱は貯まっている尿の量に応じて徐々に膨張していきます。そして膀胱がいっぱいになると、排尿が必要であることを伝える信号が神経を介して脳に送られます。排尿時には、膀胱の出口(尿道につながっています)にある尿道括約筋が開くことによって、尿が膀胱から流れ出ていきます。それと同時に膀胱壁が自動的に収縮し、その圧力によって尿が尿道の中を下方へと押し出さ... さらに読む (拡張して尿を貯めておくことのできる筋肉でできた袋状の臓器)へ輸送する管です。正常な状態の人間には尿管が2本あります。一方の尿管は左の腎臓と膀胱をつなぎ、もう一方は右の腎臓と膀胱をつないでいます。

尿路内の構造

尿路の臓器

尿管の先天異常の合併症

  • 尿の流れが妨げられる、または遅くなる

  • 膀胱から腎臓に尿が逆流するようになる

尿の逆流は通常、尿管が膀胱とつながる接合部に異常がある場合に起こります。正常であれば、この接合部(それぞれの尿管に1つずつあります)では、尿は腎臓から膀胱に向かう一方向にしか流れないようになっています。接合部に異常があると、尿が膀胱から腎臓に逆流するようになる場合があります。

尿管の先天異常の種類

尿管の異常には以下のものがあります。

  • 過剰な尿管(重複異常)

  • 尿管の狭窄や拡張

  • 尿管の位置の異常

  • 尿管の下端部が膀胱内に突き出た状態(尿管瘤)

過剰な尿管

胎児の器官が形成されているときに、尿管が分割したり重複したりした結果、1つの腎臓から2本の尿管が出ていることがあります。過剰な尿管は通常は膀胱につながっていますが(完全型重複)、2本の尿管同士が膀胱につながる前に合流することもあります(不完全型重複)。

重複した尿管がある小児の多くでは症状はみられません。しかし、重複した尿管と膀胱の接合部に異常がある場合があり、異常な接合部によって尿の流れが妨げられることがあります。接合部にほかの異常があると、尿が膀胱から腎臓に逆流するようになる場合があります。どちらの種類でも、接合部の異常があると感染や腎障害のリスクが高まり、手術が必要になることがあります。

まれに、重複した尿管が膀胱以外の部位につながることがあります。女児の場合、尿管が膀胱ではなく腟につながっていることがあり、その場合は腟から尿が常に漏出します。男児の場合、尿管が精管 陰茎(ペニス)と尿道は泌尿器系と生殖器系の両方に含まれます。 残りの生殖器系には、陰嚢、精巣、精管、精嚢、前立腺が含まれます。 陰茎(ペニス)は、下腹部の構造と恥骨につながった陰茎根、体外から見える陰茎体、亀頭(円錐形をした陰茎の先端部分)で構成されています。亀頭の先端には、精液と尿の放出口となる外尿道口があります。亀頭の基底部は亀頭冠と... さらに読む 精嚢 陰茎(ペニス)と尿道は泌尿器系と生殖器系の両方に含まれます。 残りの生殖器系には、陰嚢、精巣、精管、精嚢、前立腺が含まれます。 陰茎(ペニス)は、下腹部の構造と恥骨につながった陰茎根、体外から見える陰茎体、亀頭(円錐形をした陰茎の先端部分)で構成されています。亀頭の先端には、精液と尿の放出口となる外尿道口があります。亀頭の基底部は亀頭冠と... さらに読む 、射精管といった男性の生殖器系につながっていることがあります。男児では尿が漏出することはありませんが、患部の臓器に繰り返し感染が起きる可能性があります。

男性生殖器

男性生殖器

尿管の狭窄や拡張

尿管の狭窄は尿が正常に腎臓から膀胱へと流れるのを妨げます。たいていの狭窄は、尿管が腎臓とつながる部分や、尿管が膀胱とつながる部分に起こります。尿管の狭窄によって尿の流れが妨げられるため、感染、腎結石、および腎障害のリスクが高まります。狭窄は通常、小児が成長するにつれて軽くなっていきます。

尿管の拡張は、尿管そのものに異常があるか、膀胱が閉塞しているために起こります。尿管の拡張によって尿が膀胱から腎臓に逆流するようになるため、感染や腎障害のリスクが高まります。

尿管の位置の異常

異常な位置にある尿管は、正しく膀胱につながらないため、尿が膀胱から腎臓に逆流することがあり、そのため感染や腎障害のリスクが高まります。

尿管瘤

尿管瘤とは、尿管下端部が膀胱内に突き出た状態です。この状態は尿管の排出機能に影響を及ぼします。尿管瘤によって尿の流れが妨げられると、感染、腎結石、および腎障害のリスクが高まります。

診断

  • 出生前超音波検査

  • 排尿時膀胱尿道造影検査

出生後では、尿管の異常が疑われる場合に、排尿する前と後に腎臓、尿管、膀胱の超音波検査が行われます。その後、排尿時膀胱尿道造影 膀胱造影検査と膀胱尿道造影検査 腎疾患または尿路疾患が疑われる場合の評価には、様々な検査が用いられます。 尿路を評価する際、X線検査は通常役に立ちません。ときに、腎結石の位置や増大をモニタリングするために用いられる程度です。 超音波検査は以下の点で有用な画像検査です。 電離放射線や造影剤の静脈内投与(ときに腎臓を損傷します)が不要である 安価に行える さらに読む という検査を行います。排尿時膀胱尿道造影検査では、尿道から膀胱までカテーテルを挿入し、そのカテーテルを通して液体の造影剤(X線画像に写る物質)を注入してから、排尿する前と後にX線撮影を行います。

治療

  • ときに抗菌薬の予防投与

  • ときに手術

治療法は具体的な先天異常のほか、合併症の重症度によっても変わります。

症状がほとんどみられず合併症がない場合、通常は治療の必要はありません。

頻繁な尿路感染や腎損傷の徴候がみられる場合は、一般的に治療が必要です。症状がそれほど重度ではない場合、毎日抗菌薬を投与して感染を予防します。症状が比較的重度の場合、たいていは問題を是正して正しく排尿されるようにするために手術が必要です。

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