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小児期の予防接種

執筆者:

Michael J. Smith

, MD, MSCE, Duke University School of Medicine

医学的にレビューされた 2020年 7月
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やさしくわかる病気事典

感染症から守るため、小児には予防接種を受けさせるべきです。ワクチンには、感染力をもたない細菌やウイルスの断片、または感染症を引き起こさないように弱毒化した細菌やウイルスがそのまま入っています。ワクチンの投与(通常は注射)によって体の免疫系が刺激され病気にかかるのを防ぎます。ワクチン接種は、病気の予防につながる免疫状態を作り出すことから、予防接種とも呼ばれます(予防接種の概要 予防接種の概要 予防接種(ワクチン接種)を行うことで、特定の細菌やウイルスが原因で起こる病気に対する体の抵抗力を高めることができます。免疫(特定の細菌やウイルスによって引き起こされる病気から自らを守る体に備わった能力)は、細菌やウイルスにさらされることで自然に生じる場合と、予防接種を受けることで人為的に得られる場合があります。ある病気に対して免疫ができる... さらに読む も参照)。

ワクチンの有効性

予防接種によって天然痘は根絶され、 ポリオ ポリオ ポリオとは、非常に感染性が強く、死に至ることのある エンテロウイルス感染症で、神経を侵して永久的な筋力低下や麻痺などの症状が生じます。 ポリオはウイルスが原因で生じる病気で、通常は汚染された食べものや水を飲食したり、汚染されたものを触った後にその手で口に触れたりすることで感染します。... さらに読む (小児麻痺)など、かつて米国で小児を苦しめていた病気がほぼ根絶されつつあります。このような成果はあるものの、今日でも医療従事者にとって小児への予防接種を続けることは重要です。それは、予防接種によって防げる病気が今でも米国に数多くあり、また世界のほかの地域ではそうした病気がなおも一般的なためです。例えば、2019年の麻疹患者数は1,282例で、そのほとんどが予防接種を受けていない人でした。これは、米国の麻疹患者数としては1992年以来最多です。たとえそのような病気が少ない地域に住んでいても、現在は誰でも旅行が簡単にできるようになったため、予防接種を受けていない小児がそれらの病気にさらされ、急速に広まる可能性があります。

ワクチンの安全性

100%有効で100%安全というワクチンはありません。予防接種を受けても免疫がつかない小児や、副反応が起こる小児もわずかながらいます。副反応は、注射部位の痛み、発疹、微熱など、軽度のものがほとんどです。非常にまれですが、より重篤な副反応が起こる場合もあります。

安全性と有効性を確かなものとするため、ワクチンの改良は絶え間なく続けられています。例えば以下のような改良があります。

経口ポリオワクチンは弱毒化した生きているウイルスを使用しているため、このウイルスが変異してポリオを引き起こしてしまう例が、小児240万人に1件の割合でみられます。このようなことが起こるリスクは極めて低いのですが、このことから、米国ではポリオワクチンは注射するタイプの不活化ワクチンに完全に切り替えられました。

ワクチン有害事象報告システム(VAERS)

新しいワクチンは、他の医薬品と同じように、承認される前に 比較臨床試験 有効な治療法を明らかにする方法 医師たちは、何千年にもわたって人々の治療を行ってきました。医学的治療の最も古い記録は、3500年以上前の古代エジプトのものです。それ以前にも、ヒーラーやシャーマンが病人やけが人に対して薬草などの治療を行っていたようです。一部の単純な骨折や軽いけがに用いられたものなど、いくつかの治療法は実際に効果があるものでした。しかし、ごく最近になるまで... さらに読む で検証がなされます。そのような試験では、新規のワクチンと、プラセボまたは同じ病気に対するこれまでのワクチンとを比較します。試験によって、ワクチンが効果的かどうかを示し、一般的な副反応を特定します。しかしながら、一部の副反応は、あまりにもまれであるため、かなり大規模な臨床試験でも検出することができず、多くの人を対象に広く使用されるまで明らかにならないことがあります。このため、ワクチン有害事象報告システム(VAERSを参照)と呼ばれる監視システムが設立され、一般大衆に使用されているワクチンの安全性をモニタリングしています。

ワクチン有害事象報告システムは、ワクチン接種を最近受けた後に副反応が起きたと考えている人や、ワクチンの接種後に副反応の可能性がある特定の事象を確認した医療従事者から、たとえその影響がワクチンと関連しているかどうか確かでない場合にも、報告を収集します。したがって、VAERSの報告があること自体は、ワクチンが特定の副反応を引き起こしたことの証拠にはなりません。VAERSは単純に、副反応の可能性があるものについてデータを収集するためのシステムです。その後、米国食品医薬品局(FDA)は、副反応の可能性がある事象について、予防接種を受けた人での発生頻度と予防接種を受けていない人での発生度を比較することで、その懸念をさらに評価することができます。

全米ワクチン健康被害補償プログラム

米国連邦政府は医師に対し、予防接種のリスクと便益を判断するための材料として、小児が予防接種を受けるたびに親にワクチン情報に関する説明書を渡すことを義務づけています。また、予防接種による被害が証明された人を補償する目的で、全米ワクチン健康被害補償プログラム(National Vaccine Injury Compensation Program)が設立されています。このプログラムは、生命を脅かす病気からできるだけ多くの小児を予防接種によって守りたいという医師と保健当局によって設立されたものです。親が予防接種のリスクと便益を考える際、予防接種の利点の方がリスクよりはるかに大きいことを心に留めておくべきです。

さらなる情報

役立つ可能性がある英語の資料を以下に示します。こちらの情報源の内容について、MSDマニュアルでは責任を負いませんのでご了承ください。

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