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扁桃とアデノイドの腫れ

執筆者:

Udayan K. Shah

, MD, Sidney Kimmel Medical College at Thomas Jefferson University

最終査読/改訂年月 2017年 7月
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本ページのリソース
  • 小児では、感染症が原因で扁桃とアデノイドが腫れることがありますが、腫れているのが正常な場合もあります。

  • 腫れが症状を引き起こすことは通常ありませんが、呼吸困難や嚥下(えんげ)困難、のどの痛み、ときに繰り返す耳や副鼻腔の感染症、または閉塞性睡眠時無呼吸症候群を引き起こす可能性があります。

  • 抗菌薬は細菌感染が疑われる場合に用いられることがあり、ときに扁桃やアデノイドを切除する場合もあります。

扁桃とアデノイドの位置

扁桃は、のどの左右両側にある2つのリンパ組織の領域です。アデノイドもリンパ組織で、さらに奥の高い位置にあり、口蓋の奥の、鼻腔とのどがつながっている場所に位置しています。アデノイドは口からは見えません。

扁桃とアデノイドの位置

扁桃アデノイドはリンパ組織が集まったもので、体が感染に抵抗するのを助ける役割を果たしている可能性があります。これらは、のどを通って侵入してくる細菌やウイルスを捕らえ、抗体をつくります。扁桃とアデノイドは2~6歳の小児で最も大きくなります。

扁桃はのどの奥の左右両側にあります。アデノイドはさらに奥の高い位置にあり、鼻腔とのどがつながっている場所に位置しています。扁桃は口からは見えますが、アデノイドは見えません。

原因

未就学児や青年期の小児では、何らかの問題が原因でなくとも、扁桃とアデノイドが比較的大きい場合があります。 しかしながら、扁桃やアデノイドは、のどの感染症(のどの痛み)を起こす細菌やウイルスに感染して腫れることもあります。さらに、アレルギー(季節性アレルギー通年性アレルギーなど)や刺激物質のほか、ときに胃食道逆流症によっても、扁桃やアデノイドの腫れが起こる可能性があります。細菌またはウイルスに感染している小児(保育施設の小児など)に持続的に接していると、感染のリスクが上昇します。

扁桃が腫れると呼吸や嚥下が妨げられ、アデノイドが腫れると鼻が詰まったりのどの奥と耳をつなぐ耳管が閉塞したりすることがあります。通常、感染症が治れば扁桃もアデノイドも正常な大きさに戻ります。ときに腫れたままの場合もあり、特に感染症が頻繁に起きたり慢性化したりしている小児にみられます。極めてまれですが、がんが原因で小児の扁桃やアデノイドが腫れることがあります。

症状

扁桃やアデノイドが腫れても、ほとんどの場合は何の症状も引き起こしません。しかし、扁桃やアデノイドが腫れると、鼻が詰まったような声になることがあります(かぜを引いているような声になります)。扁桃やアデノイドが腫れている小児では、口蓋の形状や歯並びに異常がみられることがあります。さらに、口で呼吸する傾向があります。扁桃の腫れが鼻出血口臭せきの原因になることもあります。

合併症

扁桃やアデノイドの腫れは、以下のような、より深刻な問題を引き起こす場合には問題とみなされます。

  • 耳の慢性感染症や難聴:耳管の閉塞や中耳内の体液貯留によって生じます。

  • 繰り返す副鼻腔感染症: 副鼻腔炎を参照。

  • 閉塞性睡眠時無呼吸症候群:扁桃やアデノイドの腫れがあると、いびきや短時間の無呼吸が睡眠中に起こる場合があります。その結果、血液中の酸素レベルが低下し、頻繁に目が覚めたり、日中に眠気を催したりすることがあります。まれに、扁桃やアデノイドの腫れが原因で起きた閉塞性睡眠時無呼吸症候群に、肺高血圧症やこれによる心臓の変化(肺性心 肺性心を参照)などの重篤な合併症を伴う場合があります。

  • 体重が減少する、または体重が増えない:感染症に起因する痛みがあったり、呼吸をするのに常に努力を要したりするため、十分に食事をとれない場合があります。

診断

  • 鼻咽頭鏡検査

  • ときに睡眠検査

扁桃が非常に大きくても正常なこともあれば、慢性感染を起こした扁桃が正常な大きさのこともあります。扁桃の腫れの原因が感染かどうかの判断に役立てるために、過去1~3年の間に何回、小児にレンサ球菌咽頭炎の症状がみられたかを質問します。

通常、鼻とのどの奥を観察するために、鼻咽頭鏡(観察用の柔軟な管状の機器)を鼻から通します。扁桃の発赤、あごや首のリンパ節の腫れ、扁桃が呼吸に与えている影響がないかも調べます。

小児の睡眠中に呼吸が止まることを両親が報告している場合は、閉塞性睡眠時無呼吸症候群が疑われます。その場合、小児が睡眠検査(睡眠ポリグラフ検査)を受けるよう医師が勧めることがあります。この検査では、検査室で小児の睡眠時の様子をモニタリングし、血液中の酸素レベルなど特定の測定値を記録します。

治療

  • その他の原因に対する治療(アレルギーおよび感染症)

  • ときにアデノイド切除術、扁桃摘出術、またはその両方

原因がアレルギーであると考えられる場合は、医師はコルチコステロイドのスプレー式点鼻薬や、抗ヒスタミン薬など他の内服薬を投与することがあります。原因が細菌感染であると考えられる場合には、抗菌薬を投与することがあります。

これらの薬が効かない場合や有用ではないと判断された場合には、医師が手術によるアデノイドの切除(アデノイド切除術)を勧めたり、同じ手術で行う扁桃の切除(扁桃摘出術)を勧めたりする可能性があります。

米国では扁桃摘出術やアデノイド切除術が小児に対して非常に一般的に行われています。これらの手術が有益なのは、例として以下のものがみられる場合です。

  • 閉塞性睡眠時無呼吸症候群

  • 話すときや呼吸するときの極めて強い不快感

  • のどの感染症を起こす回数が多い(一部の専門家は感染症を起こす頻度を、1年間に7回以上、2年にわたって1年間に5回以上、または3年にわたって1年間に3回以上と定義)

  • がん(原因になることはまれ)

小児に以下がみられる場合、アデノイド切除術のみが勧められることがあります。

  • 頻繁な耳の感染症と、持続的な中耳への体液貯留

  • 声の変化を起こしたり睡眠を妨げたりする、繰り返し起こる鼻づまり

  • 副鼻腔の感染症

知っていますか?

  • 腫れた扁桃やアデノイドの切除は、腫れによって極めて強い不快感や呼吸障害、または繰り返す感染症がみられる場合に限り有用です。

扁桃摘出術やアデノイド切除術には、かぜやせきの頻度や程度を軽減する効果はないようです。

扁桃摘出術とアデノイド切除術は、しばしば外来で行われます。これらの手術はあらゆる感染症が治ってから少なくとも2週間以上経ってから行うべきです。

手術の合併症発生率は低いですが、扁桃摘出術による術後の痛みや嚥下困難は最大で2週間続くことがあります。アデノイド切除術からの回復には2~3日かかります。

扁桃摘出術による出血はあまりみられない合併症ですが、術後24時間以内ないし7日後に起こることがあります。術後の出血は小児では重篤になる場合があり、生命を脅かすことさえあります。出血がある場合は、医療機関を受診する必要があります。

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