再発性呼吸器乳頭腫症はヒトパピローマウイルスが原因で起こります。この腫瘍は、喉頭に喉頭乳頭腫として発生した場合に診断されるのが最も一般的です。喉頭乳頭腫はどの年齢の人にも発生しますが、最も多くみられるのは1~4歳の小児です。
症状
乳頭腫は、小児の声がれや、泣き声が弱いといった声の変化に親が気づいた際に疑われます。乳頭腫は再発することが多く、 気管 のど のど(咽頭)とは、口の奥にあって、鼻腔より下、食道(のどと胃をつなぐ管)および気管より上の部分です(図「 鼻とのどの内部の構造」を参照)。咽頭は上から上咽頭、中咽頭、下咽頭という3つの部分で構成されています。のどは筋肉でできた通路であり、この通路を通って食べものが食道へ、空気が肺へと運ばれます。のどの中も、鼻や口と同様に、粘液を分泌し、毛のような突起(線毛)をもつ細胞からなる粘膜で覆われています。粘液にとらえられたほこりの粒子は、線毛に... さらに読む や肺に広がって気道をふさぐことがあります。まれに、がんに変化することがあります(悪性化)。
診断
生検
喉頭乳頭腫は、喉頭鏡による喉頭の検査で見つかります。診断を確定するために、乳頭腫の一部を採取して検査します(生検)。
治療
手術による摘出
一部の腫瘍は思春期に消え始めることがありますが、再発性呼吸器乳頭腫症は治療することが推奨されています。通常の治療法は手術による切除です。この病気がある小児の多くは、小児期を通じて、乳頭腫が再発するたびに様々な手法で対処する必要があります。
重度の場合は、その他の治療法(パルス色素レーザー療法や光線力学療法など、 皮膚の異常に対するレーザー治療 皮膚の異常に対するレーザー治療 を参照)のほか、抗ウイルス薬(シドホビル[cidofovir])やがんの治療に使用される薬(ベバシズマブ)が用いられることがあります。