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小児の消化性潰瘍

執筆者:

William J. Cochran

, MD, Geisinger Clinic

最終査読/改訂年月 2017年 7月
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消化性潰瘍(かいよう)とは、胃や十二指腸の粘膜が胃酸や消化酵素で侵食されて、円形やだ円形の傷ができた状態をいいます。

  • 潰瘍は胃や十二指腸の粘膜にできます。

  • 小児の症状には、腹部のさしこみ痛や嘔吐などがあります。

  • 診断は内視鏡検査およびときに画像検査に基づきます。

  • 治療は胃酸を減らす薬剤や、ときに抗菌薬により行います。

(成人については、消化性潰瘍疾患を参照のこと。)

潰瘍は、胃や十二指腸(小腸の最初の部分)の粘膜を貫通します。潰瘍が生じるのは、胃や十二指腸の粘膜の正常な防御・修復メカニズムが弱まり、粘膜が胃酸による損傷を受けやすくなった場合です。

小児の消化性潰瘍は成人に比べてはるかにまれです。 成人の場合と同様に、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)の使用やヘリコバクター・ピロリによる感染症から消化性潰瘍が生じる場合があります。小児では、ヘリコバクター・ピロリ Helicobacter pyloriは成人の場合ほど一般的な原因ではありません。親が消化性潰瘍にかかっている場合、小児に消化性潰瘍が生じやすく、親がヘリコバクター・ピロリ Helicobacter pyloriに感染している場合は特にその可能性が高くなります。受動喫煙も、小児における潰瘍の危険因子の1つです。飲酒や喫煙をする青年にも潰瘍が生じやすくなります。どの年齢の小児でも、重度の熱傷(やけど)、けが、病気などで容体が極めて悪いときには、潰瘍ができやすくなります。このような潰瘍はストレス潰瘍といわれます。

症状

典型的な症状は上腹部に生じ、以下のものがあります。

  • さしこみ痛

  • 灼熱痛

  • うずくような痛み

  • ヒリヒリする痛み

  • お腹が空っぽである感覚

  • 空腹感

しかし幼児では典型的な症状がみられず、腹痛と嘔吐がみられる場合があります。潰瘍があると、乳児は授乳中や授乳後にぐずったり不機嫌になったりすることがあります。

消化性潰瘍の合併症

どの年齢層の小児でも、消化性潰瘍から穿孔(せんこう)出血が生じることがあり、腫れを引き起こして胃が閉塞する可能性があります。

診断

  • 内視鏡検査

  • 合併症の診断には、画像検査

消化性潰瘍の診断は、内視鏡検査の結果に基づいて下されます。この検査では、観察用の柔軟な管状の機器(内視鏡)を小児の口から食道、胃を経て、十二指腸の最初の部分まで挿入します。内視鏡を用いて、潰瘍がヘリコバクター・ピロリ Helicobacter pylori菌によるものかどうかを判定するために生検(組織のサンプルを採取して顕微鏡で調べる)も行うことができます。便検査でも、ヘリコバクター・ピロリ Helicobacter pyloriを検出することができます。

穿孔などの合併症が疑われる場合、X線検査CT検査MRI検査などの画像検査が行われることがあります。

治療

  • 胃酸を抑える

  • ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)感染に対しては、抗菌薬と胃酸を抑える薬剤

消化性潰瘍の治療における主な目標は、胃酸を減らすことです。胃酸を抑える薬剤にはプロトンポンプ阻害薬、ヒスタミンH2受容体拮抗薬、制酸薬などがあります( 消化性潰瘍の治療に用いられる薬剤)。胃酸の分泌を増加させる要因を減らすことも重要です。例えば、小児はカフェインや副流煙を避けるようにしなければなりません。

ヘリコバクター・ピロリ Helicobacter pyloriに感染している小児には、除菌のための抗菌薬と胃酸を減らすためのプロトンポンプ阻害薬を投与します。

合併症がある場合や潰瘍が再発した場合には、手術が必要になる可能性があります。

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