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素行症

執筆者:

Josephine Elia

, MD, Nemours/A.I. duPont Hospital for Children

最終査読/改訂年月 2017年 9月
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概要

素行症(行為障害とも呼ばれます)は、他者の基本的な権利を侵害する行動を繰り返し起こす病気です。

  • 素行症の小児は、わがままで他者への思いやりがなく、罪悪感にさいなまされることなく、いじめたり、他者の持ち物に損害を与えたり、嘘をついたり、盗んだりします。

  • 診断は現在と過去の小児の行動に基づいて下されます。

  • 精神療法が助けになることもありますが、最も効果的な治療法は、問題の多い環境から小児を引き離し、代わりに精神衛生施設などの厳格に統制された環境におくことです。

小児の行動は多様です。ほかの小児より行儀よく振る舞う子どももいます。小児が年齢にふさわしくないやり方で、規則を破ったり他者の権利を侵害したりする行動をしつこく繰り返す場合にのみ、素行症と診断されます。

素行症は小児期の後期や青年期の初期に始まるのが通常で、女子より男子ではるかに多くみられます。

遺伝的要因や環境が素行症の発症に影響を与えると考えられています。素行症の小児の多くには、薬物乱用 物質使用障害 物質使用障害は、一般に物質の使用により問題が生じているにもかかわらず、その使用を続ける行動パターンがみられるものです。 関係する物質は、以下のような物質関連障害の典型的な原因として知られる10種類の薬物のいずれかであることが多くなっています。 アルコール 抗不安薬と鎮静薬 カフェイン さらに読む 注意欠如・多動症 注意欠如・多動症(ADHD) 注意欠如・多動症(注意欠陥/多動性障害とも呼ばれます)(ADHD)は、注意力が乏しいか注意の持続時間が短い状態、年齢不相応の過剰な活動性や衝動性のため機能や発達が妨げられている状態、あるいはこれら両方に該当する状態です。 ADHDは脳の病気で、生まれたときからみられる場合もあれば、出生直後に発症する場合もあります。 主に注意を持続したり、集中したり、課題をやり遂げたりすることが困難な場合もあれば、過剰に活動的で衝動的な場合もあり、その両... さらに読む 気分障害 気分障害の概要 精神障害のうち、長期間にわたり悲しみで過度に気持ちがふさぎ込む(うつ病)、喜びで過度に気持ちが高揚する(躁病)、またはその両方を示す感情的な障害を示す障害を気分障害といいます。うつ病と躁病は気分障害の両極にある状態です。 気分障害は感情障害とも呼ばれます。感情とは、顔の表情やしぐさによって表現される気持ちの状態を意味します。... さらに読む 統合失調症 統合失調症 統合失調症は、現実とのつながりの喪失(精神病)、幻覚(通常は幻聴)、妄想(誤った強い思い込み)、異常な思考や行動、感情表現の減少、意欲の低下、精神機能(認知機能)の低下、日常生活(仕事、対人関係、身の回りの管理など)の問題を特徴とする精神障害です。 統合失調症は、遺伝的な要因と環境的な要因の双方によって起こると考えられています。... さらに読む 反社会性パーソナリティ障害 反社会性パーソナリティ障害(ASPD) 反社会性パーソナリティ障害は、結果や他者の権利を軽視する広汎なパターンを特徴とします。 反社会性パーソナリティ障害の患者は、自分や他者がどうなるかを考えることなく、また良心の呵責や罪悪感を感じることなく、自分の望むことを追い求めます。 反社会性パーソナリティ障害の診断は、結果や他者の権利の軽視、自分が望むことを手に入れるためにうそをついたり、操作したりすることなどの症状に基づいて下されます。... さらに読む などの精神障害をもつ親がいます。しかし、素行症の小児が問題のない健全な家庭から生じることもあります。

症状

一般的に素行症の小児には以下の特徴がみられます。

  • わがままである。

  • 他者とうまく付き合うことができない。

  • 罪悪感が欠落している。

  • 他者の感情や幸せに関心を示さない。

  • 他者の行動を脅しであると間違って捉え、攻撃的に反応する傾向がある。

  • いじめや脅迫に加わったり、頻繁にけんかをしたりする。

  • 動物に対して残酷である。

  • 物を壊す(特に放火による)。

  • 嘘をつく、窃盗を行う。

素行症には男女差があります。女児の場合は、男児ほど体を使った攻撃性を表すことはありません。その代わりに女児の場合は、家出をしたり、嘘をついたり、薬物乱用に至ったり、ときには売春行為をしたりすることが多くなります。男児の場合、けんかをしたり、盗みをしたり、破壊行為を犯したりすることが多くなります。

重大な規則違反を犯すことが多く、家出や頻繁な無断欠席などを起こします。小児は違法薬物を使用したり乱用したりしがちであり、学校で問題を起こします。自殺を考えることもあり、これは深刻に受け止めなければなりません。

素行症の小児は、抑うつ 小児と青年におけるうつ病および気分調節症 うつ病では、悲しみ(あるいは小児と青年ではいらだち)の感情や、活動への興味の喪失などがみられます。うつ病では、これらの症状が2週間以上続き、日常生活に支障をきたすようになるか、かなりの苦痛が生じます。 喪失体験などの悲しい出来事の直後に生じることがありますが、悲しみの程度がその出来事とは不釣り合いに強く、妥当と考えられる期間より長く持続します。気分調節症では、いらだちが続き、制御できない行動が頻繁にみられます。... さらに読む 注意欠如・多動症 注意欠如・多動症(ADHD) 注意欠如・多動症(注意欠陥/多動性障害とも呼ばれます)(ADHD)は、注意力が乏しいか注意の持続時間が短い状態、年齢不相応の過剰な活動性や衝動性のため機能や発達が妨げられている状態、あるいはこれら両方に該当する状態です。 ADHDは脳の病気で、生まれたときからみられる場合もあれば、出生直後に発症する場合もあります。 主に注意を持続したり、集中したり、課題をやり遂げたりすることが困難な場合もあれば、過剰に活動的で衝動的な場合もあり、その両... さらに読む 、または学習障害 学習障害 学習障害がある小児は、注意力、記憶力、論理的思考力が欠けているため、特定の技能や情報を習得したり、記憶したり、幅広く使ったりすることができず、学業成績にも影響が出ます。 学習障害の小児は、色の名前や文字を覚えたり、数を数えたり、読み書きを習得したりすることが遅れる場合があります。 学習障害の小児は、学習の専門家のもとで一連の学力検査や知能検査を受け、医師が確立された基準を適用して診断を下します。... さらに読む などの他の障害も併せもっていることがあります。

素行症の小児の約3分の2は、成人するまでに不適切な行動をしなくなります。素行症が始まった時期が早いほど、問題行動が長引く傾向があります。 問題行動が成人期まで続くと、法的なトラブルを起こしたり、慢性的に他者の権利を侵害したりすることが多くなり、しばしば反社会性パーソナリティ障害 反社会性パーソナリティ障害(ASPD) 反社会性パーソナリティ障害は、結果や他者の権利を軽視する広汎なパターンを特徴とします。 反社会性パーソナリティ障害の患者は、自分や他者がどうなるかを考えることなく、また良心の呵責や罪悪感を感じることなく、自分の望むことを追い求めます。 反社会性パーソナリティ障害の診断は、結果や他者の権利の軽視、自分が望むことを手に入れるためにうそをついたり、操作したりすることなどの症状に基づいて下されます。... さらに読む と診断されます。このような成人の中には、気分障害や不安症、その他の精神障害を発症する者もいます。

診断

  • 行動の性状

素行症の診断は小児の行動に基づいて下されます。素行症と診断するためには、症状や行動が学校や職場の人間関係を損なうほど深刻でなければなりません。

社会的環境も考慮されます。非常にストレスの多い環境(戦禍を受けた地域や政情不安定な地域など)に適応している間に起こった違法行為は、素行症とみなされません。

医師は小児に他の精神障害や学習障害がないか確認します。

治療

  • 多くの場合、小児を問題の多い環境から引き離して、厳格に統制された環境におく

  • 精神療法

素行症の小児や青年が自分の行動に間違いを感じていることはめったにないため、素行症の治療は非常に困難です。そのため、行動を改めるよう叱ったり強く促しても効果はないため、そのようなことは避けるべきです。多くの場合、症状が重篤な小児や青年に対する最も効果的な治療法は、問題の多い環境から引き離して、精神衛生施設や青少年保護施設などの厳格に統制された環境におくことです。

精神療法によって小児の自尊心や自己制御が改善し、自分の行動をうまくコントロールできるようになることがあります。

ほかの病気がある場合には、それを治療します。とりわけ注意欠如・多動症 治療 注意欠如・多動症(注意欠陥/多動性障害とも呼ばれます)(ADHD)は、注意力が乏しいか注意の持続時間が短い状態、年齢不相応の過剰な活動性や衝動性のため機能や発達が妨げられている状態、あるいはこれら両方に該当する状態です。 ADHDは脳の病気で、生まれたときからみられる場合もあれば、出生直後に発症する場合もあります。 主に注意を持続したり、集中したり、課題をやり遂げたりすることが困難な場合もあれば、過剰に活動的で衝動的な場合もあり、その両... さらに読む うつ病 治療 うつ病では、悲しみ(あるいは小児と青年ではいらだち)の感情や、活動への興味の喪失などがみられます。うつ病では、これらの症状が2週間以上続き、日常生活に支障をきたすようになるか、かなりの苦痛が生じます。 喪失体験などの悲しい出来事の直後に生じることがありますが、悲しみの程度がその出来事とは不釣り合いに強く、妥当と考えられる期間より長く持続します。気分調節症では、いらだちが続き、制御できない行動が頻繁にみられます。... さらに読む のような他の障害が併存する場合には、特定の薬剤が一定の効果をもたらすことがあります。このような障害の治療により、素行症の症状が軽減する可能性があります。学習障害 治療 学習障害がある小児は、注意力、記憶力、論理的思考力が欠けているため、特定の技能や情報を習得したり、記憶したり、幅広く使ったりすることができず、学業成績にも影響が出ます。 学習障害の小児は、色の名前や文字を覚えたり、数を数えたり、読み書きを習得したりすることが遅れる場合があります。 学習障害の小児は、学習の専門家のもとで一連の学力検査や知能検査を受け、医師が確立された基準を適用して診断を下します。... さらに読む に対しては、それぞれの小児に合うよう入念に調整した教育を行うことが最も有用な治療法になります。

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