うつ病 小児と青年におけるうつ病および気分調節症 うつ病では、悲しみ(あるいは小児と青年ではいらだち)の感情や、活動への興味の喪失などがみられます。うつ病では、これらの症状が2週間以上続き、日常生活に支障をきたすようになるか、かなりの苦痛が生じます。 喪失体験などの悲しい出来事の直後に生じることがありますが、悲しみの程度がその出来事とは不釣り合いに強く、妥当と考えられる期間より長く持続し... さらに読む や 不安症 小児と青年における不安症の概要 不安症(不安障害とも呼ばれます)は、実際の状況と釣り合わない強い恐怖、心配、脅威によって日常生活に大きな支障をきたすことを特徴とする病気です。 不安症には多くのタイプがありますが、恐怖や心配が向けられる主な対象によって区別されます。 不安症の小児の多くは、腹痛などの身体症状を理由に学校へ行くことをしばしば拒みます。... さらに読む 、 摂食障害 摂食障害 などのいくつかの重大な精神障害(精神の病気)は、しばしば小児期や青年期に発症します。 統合失調症 小児と青年における統合失調症 統合失調症は、思考、知覚、対人関係における行動の異常を伴い、対人関係や生活機能にかなりの問題を引き起こす慢性的な病気です。 6カ月以上持続します。 統合失調症は、脳の化学的な異常や、脳の発達中に生じた問題から発症するのだろうと考えられています。 青年は引きこもり、異常な感情を抱くようになり、通常は幻覚や妄想が生じます。... さらに読む および関連する精神障害(精神病性障害と呼ばれることもあります)を発症することははるかにまれです。しかし、そのような精神障害を発症する場合、一般的には青年期中期から成人初期(30歳代半ばまで)の間にみられます。 なかには 自閉症 自閉スペクトラム症 自閉スペクトラム症(自閉症スペクトラム障害とも呼ばれます)は、正常な社会的関係を構築することができず、言葉の使い方に異常がみられるか、まったく言葉を使おうとせず、限定的な行動または反復行動がみられる病気です。 自閉スペクトラム症の患者は、他者とコミュニケーションをとったり関係をもったりすることが苦手です。... さらに読む など、小児期に限って発症する病気もあります。
わずかな例外を除けば、精神障害の症状は、どんな小児でも経験する悲しみ、怒り、疑念、興奮、引きこもり、孤独などの感情に似る傾向があります。病気と正常な感情との違いは、感情が強烈なあまり、日常生活に支障をきたしているか、本人にとって苦痛になっているかについての程度の差にあります。そのため、ある種の考えや感情が本人にとって正常な経験でなくなり、病気の域に達しているかどうかを診断するために、明確な判断基準を用いる必要があります。
破壊的行動障害では、主に行動面に異常がみられます。破壊的な行動は意図的なものではありませんが、教師、同年代の仲間、家族などの他者に迷惑をかけることがあります。この種の病気には以下のものがあります。
小児では、神経発達障害が精神衛生と発達全般の両面に影響を及ぼす場合があります。この種の病気には以下のものがあります。
自閉スペクトラム症は、対人関係上の障害、興味の対象の狭まり、言語発達障害と言語使用上の問題などが生じる病気で、ときに知的障害も伴います。レット症候群は、社会的技能とコミュニケーションの面で問題があるなど、自閉スペクトラム症と同様の症状がみられる遺伝性の病気です。
診断
観察
ときに特別に考案された問診と評価ツール
精神障害の診断を確定できる検査はありません。医師は精神障害かどうかを判断する上で、小児や青年への問診と親や教師の観察、そして受診時に行う問診と観察を重視します。ときに医師から、小児や青年の精神障害を診断して治療する専門の訓練を受けた精神医療従事者が紹介される場合もあります。そのような精神医療従事者は、小児の評価用に特別に考案された問診法や評価ツールを用いることがあります。
脆弱X症候群、レット症候群、ディジョージ症候群などの神経発達障害がないか確認する血液検査を行うこともあります。