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小児がんの概要

執筆者:

Renee Gresh

, DO, Nemours A.I. duPont Hospital for Children

医学的にレビューされた 2019年 8月
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小児におけるがんはまれです。米国では、出生後から14歳までの小児における毎年の症例数は1万3500例未満、死亡は約1500例です。それに対して、成人における毎年の症例数は140万例、死亡は575,000例です。しかしながら、がんは小児の死因としてはけがに次いで第2位です。小児がんの約33%が 白血病 白血病の概要 白血病は、白血球または成熟して白血球になる細胞のがんです。 白血球は骨髄の幹細胞から成長した細胞です。ときには成長がうまくいかずに、染色体の一部の並びが変化してしまうことがあります。こうして異常となった染色体により正常な細胞分裂の制御が失われ、この染色体異常がある細胞が無制限に増殖するようになったり、細胞がアポトーシス(不要になった細胞が... さらに読む です。その他のがんには、 脳腫瘍 小児の脳腫瘍の概要 脳腫瘍( 成人の脳腫瘍も参照)は、15歳未満の 小児のがんの中で(白血病の次に)多くみられるがんであり、がんによる死亡の2番目に多い原因です。 小児で最も多くみられる脳腫瘍は 星細胞腫です。次いで多いのが 髄芽腫と 上衣腫です。 脳腫瘍により、頭痛、吐き気、嘔吐、視覚障害、ぼんやりする、協調運動障害、平衡障害などの様々な症状が生じます。... さらに読む リンパ腫 リンパ腫の概要 リンパ腫とは、リンパ系および造血器官に存在するリンパ球のがんです。 リンパ腫は、 リンパ球と呼ばれる特定の白血球から発生するがんです。この種の細胞は感染を防ぐ役割を担っています。リンパ腫は、Bリンパ球やTリンパ球のいずれの細胞からも発生する可能性があります。Tリンパ球は免疫系の調節やウイルス感染に対する防御に重要です。Bリンパ球は、いくつ... さらに読む リンパ腫の概要 、特定の骨腫瘍(骨肉腫 骨肉腫(骨原性肉腫) 最初から骨に発生する腫瘍は原発性骨腫瘍と呼ばれます。原発性骨腫瘍には、がんではない良性腫瘍と、がんである悪性腫瘍があります。 (「 骨の腫瘍の概要」と「 がんの概要」も参照のこと。) アダマンチノーマはまれな腫瘍で、ほとんどの場合すねの骨(脛骨)に発生します。この腫瘍は、通常は青年と20代の成人に発生しますが、どの年齢の人にも発生する可能... さらに読む 骨肉腫(骨原性肉腫) 骨のユーイング肉腫 骨のユーイング肉腫 最初から骨に発生する腫瘍は原発性骨腫瘍と呼ばれます。原発性骨腫瘍には、がんではない良性腫瘍と、がんである悪性腫瘍があります。 (「 骨の腫瘍の概要」と「 がんの概要」も参照のこと。) アダマンチノーマはまれな腫瘍で、ほとんどの場合すねの骨(脛骨)に発生します。この腫瘍は、通常は青年と20代の成人に発生しますが、どの年齢の人にも発生する可能... さらに読む 骨のユーイング肉腫 )などがあります。小児がんの約25%が脳腫瘍で、約8%がリンパ腫、約4%が骨腫瘍です。

小児のみに発生するがんは以下のものです。

成人に発生する多くのがんとは対照的に、小児がんは治癒する可能性がはるかに高い傾向があります。がんがあっても、75%以上の小児が少なくとも5年は生存します。現在、米国で小児がんにかかって生存している成人は35万人と推定されます。

がん治療の合併症

治療は成人の場合と同様に、 手術 がんの手術 手術は、がんに対して昔から用いられてきた治療法です。大半のがんでは、リンパ節や遠く離れた部位に転移する前に除去するには、手術が最も効果的です。手術のみを行う場合もあれば、 放射線療法や 化学療法などの治療法と併用する場合もあります( がん治療の原則も参照)。医師は以下の他の治療を行うことがあります。... さらに読む 化学療法 化学療法 化学療法では、薬を使ってがん細胞を破壊します。正常な細胞は傷つけずに、がん細胞だけを破壊する薬が理想的ですが、大半の薬はそれほど選択的ではありません。その代わりに、一般的には細胞の増殖能力に影響を与える薬を用いることで、正常な細胞よりがん細胞に多くの損傷を与えるよう設計された薬が使用されます。無秩序で急速な増殖ががん細胞の特徴です。しかし... さらに読む 放射線療法 がんに対する放射線療法 放射線は、コバルトなどの放射性物質や、粒子加速器(リニアック)などの特殊な装置から発生する強いエネルギーの一種です。 放射線は、急速に分裂している細胞や DNAの修復に困難がある細胞を優先的に破壊します。がん細胞は正常な細胞より頻繁に分裂し、多くの場合、放射線によって受けた損傷を修復することができません。そのため、がん細胞はほとんどの正常... さらに読む を組み合わせて行われます。 免疫療法 がんの免疫療法 免疫療法は、がんに対抗するために体の 免疫系を活性化するために行われます。そのような治療では、腫瘍細胞の特定の遺伝学的特徴を標的にします。腫瘍の遺伝学的特徴は、がんが発生する器官に左右されません。そのため、このような薬は多くの種類のがんに対して効果的な可能性があります。( がん治療の原則も参照のこと。)... さらに読む (免疫系を利用してがんを攻撃する新しい種類の治療法)や分子標的療法(がん細胞の特定の部分を標的にして破壊する薬)の研究が現在行われており、小児のがんの治療に使用されることが多くなっています。しかし小児は成長期にあるため、こうした治療によって、成人には起こらない副作用が生じることがあります。例えば、小児の場合、放射線療法を受けた腕や脚が通常の大きさまで発育しないことがあります。脳に放射線療法を受けた場合、知能の発達が正常でなくなる可能性があります。(がん治療の原則 がん治療の原則 がんの治療は、医療の中でもとりわけ複雑なものの1つです。治療には、様々な医師(かかりつけ医、婦人科医やその他の専門医、腫瘍内科医、放射線腫瘍医、外科医、病理医など)とその他の様々な医療従事者(看護師、放射線技師、理学療法士、ソーシャルワーカー、薬剤師など)が1つのチームとなって取り組みます。... さらに読む も参照のこと。)

また、小児のがん生存者では、その後の生存期間が成人の場合よりも長くなるため、化学療法や放射線療法による長期的な合併症が現れやすくなります。そのような晩期障害には以下のものがあります。

  • 不妊症

  • 発育不良

  • 心臓障害

  • 二次がんの発生(がん生存者の小児の3~12%に発生する)

  • 心理的および社会的問題

こうした重大な影響が生じる可能性と治療の複雑さを考慮すると、小児にがんが発生した場合は、小児がんの治療経験が豊富な専門医がいる病院で治療を受けることが最善です。

二次がんが発生する頻度は、最初のがんの種類とその際に用いられた化学療法薬に依存します。

がん治療の医療チーム

がんと診断された衝撃と治療のつらさは、小児と家族にとって耐え難いものです。とりわけ、がんや合併症の治療のために、頻繁に入院したり診療所や外来治療施設へ通院したりしなければならない場合があることから、小児が普段通りの生活を送っているという感覚を維持することが難しくなります。親は、仕事を続けながら、患者の小児に兄弟姉妹がいる場合にはその子にも気を配りつつ、がんにかかった小児の様々な要求にこたえようとするため、親には一般的に極度のストレスがかかります(小児の慢性的な健康の問題 小児の慢性的な健康の問題 重い病気は、一時的なものであっても、小児や家族に大きな不安を与えることがあります。慢性的な健康の問題とは、12カ月以上持続し、通常の活動に何らかの制限がもたらされるほど重度のものを指します。通常、慢性的な健康の問題は、一時的な問題と比較して、より大きな情緒的苦痛を引き起こします。... さらに読む を参照)。小児が自宅から遠く離れた専門病院で治療を受けている場合には、状況はさらに困難になります。

小児と親には、この困難な状況への対処を支援するために、小児治療チームが必要です。小児科医は、乳児、小児、青年の介護や治療を専門とする医師です。治療チームには以下のスタッフが必要です。

  • 小児がん専門医(小児腫瘍科医や放射線腫瘍医)

  • 小児がん専門看護師(がん患者である小児とその家族の世話をして、教育も行う正看護師)

  • 小児がんの切除や生検に精通した小児外科医、小児がんの画像診断に精通した小児放射線科医、小児がんの診断に精通した病理医など、その他の必要な専門医

  • かかりつけ医

  • チャイルド・ライフ・スペシャリスト(病院やその他の状況で小児と家族とともに活動し、入院、病気、障害などの困難に対処するのを支援します)

  • ソーシャルワーカー(精神的支援を行ったり、治療にかかる金銭面についての相談を受けたりします)

  • がん患者の小児に対応できる教師、学校、医療チーム(小児の教育が確実に継続できるようにします)

  • 学校との連絡役(小児や家族と先生や学校との関係を助けることもできます)

  • 心理士(治療期間を通じて、患者やその兄弟姉妹、親を支援します)

治療チームの多くでは、親を支援する立場の人も参加します。親を支援する立場の人は、自分の子どもががんを患った経験がある親で、家族にいろいろなアドバイスをしてくれます。

知っていますか?

  • 米国では1年間におよそ1500人の小児ががんで亡くなっています。

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